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灰色の男たちから時間を守る。自分の時間を自分で決めて、自分で守る。

昨日仕事を納め、2023年のお仕事が終わりました!12月は体調を崩しながら出張に行ったりと踏んだり蹴ったりでしたが、体調も良くなり仕事も終わり、落ち着いて年末年始を迎えられそうです。ここ数年は、年末年始は友人が親が赴任先のスペイン、キューバに遊びにきてくれていたのですが、今年は久しぶりに特に旅行の予定もなく年末年始感がないですが、ゆっくり過ごせたらいいなと思います。

将来への漠然とした不安を感じた1年

この1年は日本に帰ってきたり、出向したりと、環境が大きく変わって戸惑うことも多かったけれど、総じて楽しかったように思います。やっぱり日本には家族も友達もいて、いろんな種類の娯楽もあっていろいろな予定が入ります。ただその分、自分の時間にあまりじっくり向き合うことなく、1年があっという間に過ぎていったようにも思います。

また、自分の人生はこのままでいいんだろうかと思い悩んだ1年でもありました。30代を楽しく焦らず迎えるために、29歳はそのための準備期間に使おう!と思ってこの1年を過ごしていたのですが、かえってその目標や、あと1年で20代が終わってしまうということに囚われ過ぎて、自分が今何をしたいのかについて見失いがちでした。

将来の可能性を広げるために今これをやるべきなのではとか、もしかしたら結婚・出産が数年以内にあったとして、仕事をセーブせざるを得ないとしたら、今働ける時にたくさん成長しないと!など、不確定な未来から逆算して、自分の選択肢を広げるために行動した結果、結局自分が何をしたいのかを深く考えることなく、実際には色々な選択肢があるはずなのに、自分の手元には何の選択肢もないように思えて苦しい気持ちになりました。また、周りの友達のライフステージの変化、転職など、みんなはどんどんと進んでいっているのに、自分だけ取り残されて何もできていないような気がして、毎日の生活は楽しいし周りの人にも恵まれているのに、なぜか自分だけが幸せになれないような気持ちになっていました。

久々にモモを読み返す📚

そんな時に実家の本棚にあったミヒャエル・エンデの『モモ』を久しぶりに読み返しました。その中でモモは、時間をつかさどるマイスターホラに、人間から時間を奪う灰色の男たちに、ホラの力で人間の時間を盗まないようにできないかを尋ねたところ、ホラは「人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんじしんで決めなくてはならないからだよ。だから時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなくてはいけない。」と答えます。また、「光を見るためには目があり、音を聞くためには耳があるのとおなじに、人間には時間を感じとるために心というものがある。そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ。」と伝えます。

久しぶりにこの物語を読み返して、ああ、今の自分は時間も感じ取れていないし、自分の時間を全然守れていないな、と感じました。仕事がつまらない、人生に楽しいことがない、と文句を言っていても、時間はただただ過ぎていく。この1年を我慢しよう、この2年を我慢しようと思っても、考えてみれば人生ってつまらないことに時間を使っていられるほど長くないし、他方で人生はこれからも長く続いていくから今の気持ちだけで全てに白黒つけて変えなくてもいいかもしれない、と矛盾しているようだけど、そんなふうに思いました。

それに、悩んで色々な人に相談をして、色々なアドバイスをもらって参考にはなるものももちろんたくさんあって、こんな人になれたらいいなあと思う素敵な先輩もいたけれど、結局自分の人生に責任を取れるのは自分でしかないことにもようやく、改めてではあるけれど、気がつきました。不確定要素を並べて迷っていても、自分が今何をしたいのかを明確にするところから始めないといけないな、と思いました。多分、20代のうちにこれをすべきとか、こうあるべきという自分への期待や、望みどおりの人生を手に入れているように見える周りの友人たちへの羨ましさに勝手に縛られて、若干迷子になっていた気がします。

今もまだどうしたらいいのかな?と悩むことだらけですが、87歳になった祖母と話していた思ったことは、人間何歳になっても悩みは尽きないということ。それでも日々の中で楽しいことや大事なものを見つけて進んでいくしかないということ。1、2年目の上司だった素敵な先輩が好きな言葉として、「悲観は感情、楽観は意思」という言葉をあげていたことをたまに思い出します。残り僅かの今年、そして来年も、より自分が楽しい!と思える方に進んで行けたらいいなと思います!



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