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今さら聞けない!?中国の【○級都市】とは?

中国の経済ニュースなどで、1級都市や2級都市など『○級都市』という表現を聞いたことはありませんか?

なんとなく”栄えている都市は級数が上なんだろうな”くらいに考えて聞き流している方も多いと思います。

そこで今回は、今さら聞けないこの【都市の級数】について掘り下げていきたいと思います。

■都市の級数は全6種類

中国の各都市は、
・商業リソースの集約度
・都市としての中枢性
・生活者のアクティブ度
・ライフスタイルの多様性
・未来の可能性

などを総合して、それぞれ以下の6種類に分類されています。

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1級都市:4都市
準1級都市:15都市
2級都市:30都市
3級都市:70都市
4級都市:90都市
5級都市:128都市
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■《北上広深》時代の終焉!?

中国都市局が毎年公開する都市のランキングでは例年、最も発展している一級都市として、上海・北京・深圳・広州の4都市が挙げられてきた。
※上記4大都市を総称して「北上広深」と呼ばれることもある。

ところが2020年には、そのランキングに注目すべき変化が起きた。

広州が一級都市→準一級都市に格下げとなり、その代わりに杭州が一級都市に格上げされたのだ。

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↑発展著しい杭州の街並み

■杭州ってどんな都市?

杭州といえば、古来から文人墨客が愛した西湖を中心にした風光明媚な観光都市として知られてきた。どちらかというと静かな都市であり、上海に近いことから「上海の花園」と呼ばれることもある都市だ。

しかし近年、杭州では急速にテクノロジーが発展し、近代都市としての顔を持ち始めるようになったのだ。
そのきっかけとなったのは紛れもなく、世界有数のテック企業であるアリババが杭州で創業したことだ。

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↑杭州にあるアリババの本社ビル

アリババが興ったことが呼び水となり、杭州には様々なテック企業が拠点を構えるようになり、人工も飛躍的に増加した。(2019年の人口増加は55.4万人で全国一)

■杭州の一級都市を巡る議論

晴れて1級都市の仲間入りを果たした格好の杭州だが、一方で中国本土には「杭州は1級都市にふさわしくない」と考える人も少なくないようだ。

その理由はいくつかあるが、一つは都市の基本指標でもあるGDPが他の一級都市や準一級都市と比べて見劣りしてしまう点である。

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↑2020年Q3の各都市ごとのGDP。

他の3つの一級都市広州と比べてももちろんだが、格下げとなった広州ともまだ大きな差がある状況だ。

また、都市移動の基本インフラである地下鉄網についても、杭州は他の一級都市に大きく溝を開けられてしまっている。

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↑各都市ごとの地下鉄の総延長距離。

地下鉄が発展途中の杭州では、まだ都市内移動は路線バスに頼っているのが現状である。

他にも、
・大学などの高等教育機関が少ない
・アリババ一社への依存度が高すぎる

など、一級都市に定着するにはまだまだ課題は多い。

今後、杭州がさらなる発展を遂げて一級都市としての地位を確固たるものにするのか、はたまた広州の巻き返しや他の都市の追従があるのか。

今後の動向にも注目していきたいと思う。


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