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恋人が欲しいというよりは恋愛感情が欲しい

私はアロマンティックだ。恋愛感情がない。

このことを知り合いに言っても大体信じて貰えない。「まだ良い人と出会ってないだけなんだよ」なんて当然のように言われる。

いや、それもあながち間違ってないのかもしれない。私に昔から巣食う極度の人間不信が私をそうさせているだけかもしれない。

でも、良い人と出会ってない“だけ ”というのはやっぱりしっくりこない。
可愛いとかかっこいいとか感じることは私にもあるのだ。でもそれで恋愛的に好きになる訳ではない。

例えば、アイドルを見てその人を好きになったとて、それは恋愛感情なのかと言われたらそうじゃない人が多いだろう。あるいは、猫を見て可愛いと感じたとて、猫と恋愛したいとは思わないだろう。一部のマイノリティーは違うかもしれないが。…私もマイノリティーなのだが。

今日、世間にもLGBTあるいはLGBTQという言葉は浸透していて、L,G,B,T,Qのそれぞれのセクシャリティーについては説明できる人が増えている。ではそれ以外のセクシャルマイノリティはどうかというと、そんなもの知らないという人も多い。アロマンティックの様に世間一般で知られていないセクシャリティーは、言わば「セクシャルマイノリティのマイノリティー」で、認知すらされていないことに孤独を感じる。

私だってみんなの気持ちをわかりたいし、気持ちを共有したいのだ。人を好きになる経験をしてみたいし、ありふれた恋愛ソングに自己投影をしてみたいのだ。

でも私には無理だから、と心が締めつけられる。

昔、SNSで、「好きだった人が(他人と)結婚しました。」という趣旨の投稿が大量のいいねを集めていたが、私にはその心の痛みがわからない。恋人に振られたクラスメイトの心の痛みもわからない。私の、心の痛みがわからない、という心の痛みも彼女らにはわからない。

とはいえ世間は広いから、このnoteを見てくれた人の中には私に共感してくれる人もいるかもしれない。そんな淡い期待を抱きながら、今日も自分と向き合っていく。

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