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筑波技術大学で知った「リスニング・エフォート」の重要性と課題

私は、耳が聞こえない人が通う筑波技術大学の元学生で、現在は放送大学の学生である耳が聞こえない近藤  史一です。

今日は、健聴の学校に通う聴覚障害が周りの子どもや先生の話を聞くことに集中して疲れてしまう「リスニング・エフォート」について思ったことを書きたいと思います。

リスニング・エフォートとは、聴取困難な状況で音声を聞くために必要な心的な労力のことです。聴覚障害がある人は、雑音や残響の多い環境や、話者の口元が見えない場合などに、リスニング・エフォートが高くなります。リスニング・エフォートが高いと、音声の内容や意味を理解するのが難しくなり、記憶や学習にも影響が出ます。また、リスニング・エフォートが高いと、疲労感やストレスが増し、気分や健康にも悪影響を及ぼします。特に、子供のリスニング・エフォートに関しては深刻になっています。

私は小学部から高等部まで、豊橋聾学校に通っていました。その頃は、補聴器や手話のサポートがあり、授業では、先生の話や友達の発言を聞き取ることに困ることはありませんでした。また、NHKの高校講座や映像の世紀といった映像作品を鑑賞しながらたのしくそして聴くことに全集中させることなく眠くならずに勉強することが多かったです。

その後、大学に進学し、聴覚障害がある人のための大学である筑波技術大学に入りました。筑波技術大学は、視覚障害者と聴覚障害者であることを入学条件にした国立大学です。そこでは、手話や字幕などの情報保障が提供され、聴覚障害に合わせた教育が行われていました。私は、そこで初めてリスニング・エフォートという言葉を授業で知りました。そして、様々な用語を勉強していくうちに、自分の聴覚障害についてもっと理解しようと思いました。

しかし、筑波技術大学で、初めてリスニング・エフォートというのを経験しました。例えば、ある講義では、先生が手話で話していることや、スクリーンに映し出された字幕を見ることに集中してしまって、内容や意味があまりわからずに疲れてしまいました。私は、手話や字幕があれば、リスニング・エフォートが低くなると思っていましたが、そうではなかったのです。手話や字幕も、音声と同じように、聞くための情報源であって、見るための労力が必要なのです。

リスニング・エフォートは、聴覚障害がある人だけでなく、健聴の人にも関係することです。例えば、外国語を聞くときや、専門用語が多い話を聞くときなどに、リスニング・エフォートが出やすくなることがあります。リスニング・エフォートは、音声の特徴や環境の条件だけでなく、聞く人の知識や経験、興味や動機などにも影響されます。リスニング・エフォートは、個人差や状況によって変化するものなのです。

私は、リスニング・エフォートについてもっと知りたいと思っています。そして、リスニング・エフォートを減らすために、どのような支援や工夫ができるのか、考えてこれからもブログに執筆したいと思っています。聴覚障害がある人もない人も、音声を聞くことに疲れずに、楽しく学べるようになることを願っています。

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