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「選択式」文章法について

スピーチライターの近藤圭太です。

私は、「複数の選択肢」で文章を作成、クライアントに提案する方法論を考案、ブラッシュアップし続けてまいりました。

おかげさまで数多くのクライアントから高いご評価をいただき、話す人の見識や人間性と整合性のある文章をスピーディーに作成するノウハウを運用、結果、「一文字あたりの作成単価20円以上」という高水準の報酬2009年から継続的に受注、現在に至っております。

今回、それをさらにシンプルな形に改訂し、「選択式」文章法といたしました。

記述のルールは、以下の5つになります。

(1)「(●●●●)」かっこでくくる *入れるか割愛する。
【例】
空が(とても)青い。

(2)「(●●/▲▲)」かっこでくくりスラッシュで分ける *いずれかを選ぶ
【例】
(美/おぞま)しい心。

(3)「①~⑩」丸数字 *段落や文節の選択肢が、上記の二つで表現できない場合に用いる。行の頭にインデント(一文字下げる)を入れることで、選択肢の数を「ねずみ算」的に増やすことも可能。
【例】
①被害
 ①が(これ以上/さらに)(拡大し/ひろがら)ないように、最善を尽くす
 ②状況を(把握/確認)した上で、(速やか/迅速)に対応する
②まずは(被害/損害の)状況(の/を)把握
 ①、そして適切に対(応/処)
 ②(この部分は割愛する)
する


(4)「※」必ず入れる*前段の選択肢でどれを選んでも、必ず文章に記述する
【例】
※必要がある。

(5)「#」コメントを入れる *提案する根拠や行間に込められた意味を記述
【例】
# 緊急事態が発生した時にリーダーが発信するメッセージを想定。
#①は、一般論を語ったものであり、それだけで話が終わってしまうと「で、どうするの?」「あの人は悠長なことを言っているな」と疑念を持たれる可能性あり。組織の上層部、権限を部下に委任している上司に適した表現。
#②は、①と同様の意味であるが、よりシンプルに言い切る表現。より現場に近い立場で緊迫感を伝えるには適している。

①被害
 ①が(これ以上/さらに)(拡大し/ひろがら)ないように、最善を尽くす
 ②状況を(把握/確認)した上で、(速やか/迅速)に対応する
②まずは(被害/損害の)状況(の/を)把握
 ①、(そして)適切に対(応/処)
 ②(この部分は割愛する)
する



私が主催者兼管理人をしている、例文Wikiというウェブサイトは、この「選択式」文章法のいわば「道場」になります。自由に書き込みやコメントをしていただいて結構です。

その上で、「選択式」文章法のノウハウ向上や普及に協力していただいたライターの方は、YouTubeやTwitterで実力や見識を紹介させていただき、場合によっては案件のあっせんなども行わせていただきます。

では、「論より証拠」ということで、実例を紹介いたしましょう。

例文

やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君(与謝野晶子)


添削(「選択式」文章法)

# マズローの五大欲求である「自己実現」と、性愛という「承認」と「生理的」のハイブリッド的な欲求をどう位置付けるか?
#「芸術」の世界で完結する与謝野晶子を肯定するのか? あえて、批評的な立ち位置を取るのか?

※やは肌

(にふれ/を知ら)ぬ松陰耽る弟子周作ともに
# 生涯未婚だった吉田松陰と、いわゆる愛人を連れまわして倒幕運動に奔走した高杉晋作。この師弟の生きざまと恋愛観の相関関係を通して、与謝野晶子の認識の甘さ、視野狭窄な一面を指摘できるのでは?


 ①のあつき血汐に(身をまかせ/ふれも見で)
 ②を(あつかましくも/日ごと夜ごとに)むさぼりて
 ※さびしからずや
# 性愛という動物的な欲望をどう表現するか? 美化するか? 「寸止めなし」「モロ」に詠いあげるか?

(を説/開)く君
# 思想家と活動家、どちらを選択するか? 受け手に与える印象は?

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