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大人だから、友達と写真を撮った。

先日、海外に留学中の友人が一時帰国するということで、
私たちは大阪へ集結した。

私たち、というのは【海外・大阪・愛知】と見事に散って暮らしている3人のことで、大学1年生からの友達だ。かれこれ10年の付き合いになる。
私たち、はあの頃の名残りのまま「ひろし」という名前のグループLINEで、今もずっと連絡を取り合っている。
このエッセイでは友人2人の名前を、YとMとする。

社会人になると住む場所はてんでバラバラになってしまったものの、今でも年に数回、最近はYが帰国する機会を見計らって会ったりしている。
なんてこと無い話題から深い話まで幅広く語れる親友である。

因みに超余談だが、数年前Mが結婚するときに私が主体でサプライズケーキを予約したのに、ケーキが出てきた瞬間泣くというまるで自作自演のようなムーブをかました。

今回は半年ぶりにYが日本に戻ると聞いて、私たちはやりたい事があった。
それは

【3人の思い出を写真に残す!】

というミッションだった。

私も普段カメラを持つ仕事をしているので、
思い出に残す素晴らしさは知っているつもりだ。
しかし、友人と遊ぶとなるとインカメラで撮るか、もしくは誰かがカメラマンになって2人を撮るとか、自然な3人を撮るのはなかなか苦労するものである。

だから今回は思い切って、カメラマンに頼んで写真を撮ってもらうことにした。
もう大人だから、金なら出せるのだ!

とはいえ、出来ればあまり高額では無い方がいい。
私は密かに頼むならラブグラフ一択だな、と心に決めていた。
ラブグラフとは最近インスタグラムでよく見かけるが、カメラマンがたくさん登録しているサイトで、ファミリーやカップルだけでなく、友人や卒業記念など、年齢層や目的問わず幅広く撮影をしている会社である。


知名度があるし、学生が頼む事が多いだけあって価格も写真撮影の中では比較的リーズナブルだった。

一応選択肢には【場所指定あり・カメラマン指定不可】のシンプルプランもあったのだが、どうしてもカメラマンを選びたかった私は友人2人に頼み、スタンダードプランにさせて貰った。
先に言うと、この選択肢は大当たりだった。

予約をする前の段階で、私たちが撮りたい日に来ることが出来るカメラマンの中から、とにかく写真を見まくってカメラマンを絞らせて貰う。

カメラマンによって写真の雰囲気は全然違うのだ。重厚的な強めの写真を撮る人もいれば、コントラストの薄いふわふわな写真を撮る人もいる。
今回は友達と遊んでいる普段の様子を撮って貰いたかったので、なるべく自然な写真が良かった。
最終的に私が希望している雰囲気の写真を撮る方は2人になったが、上記の理由により同性の方を選ばせて貰った。
勿論完全に私の好みであり、他のカメラマンの方達も素敵な写真を撮っている。

さて、予約したものの、ラブグラフにはなんとなく若者のイメージがあって、大丈夫かな…?という気持ちがあったのだが、カメラマンの方(以下Kさん)が偶然にも同い年で、私の不安は一気に飛んだ。

サイトのサンプル写真を見ると、みんな服装やアイテムなどこだわってて素敵だったが、なんせ私は愛知から大阪へ行くので大きな荷物は持てないし、Yも恐らく最低限の荷物しか持って帰っていないだろう。
服装に関してはとりあえず『どこかにデニムを含めた服装ならなんでもOK』という緩い縛りのみをルールとした。
仕事終わりに来てくれたMは「とにかくデニムを!」と急いで選んだらしく、上から下までデニムだったのがMらしくて最高だった。
あと関係無いけどYがMに「そのブレスレットめっちゃ素敵やん!」と言ったら、「これ、Yに貰ったんやで…」と返していたのも最高だった。

ラブグラフに頼むのも初めてどころか、普段気の抜いた写真しか撮らない私たちなので、撮られるということも映えというものもあまり分からなかったが、カメラマンのKさんは本当に親切に『オススメの場所・持って来ると良いアイテム』などを教えてくれた。
あまり大きなものや時間を掛けられない(というか、この時既にギリギリ予約だった)私たちは【現像写真・文庫本】だけを引っ提げて当日を挑むことにした。
因みに文庫本は私のアイディアで「みんな文学部出身だから文庫本」という非常に安易な理由から来ている。

いざ当日、Kさんはサイトの写真と変わらぬ雰囲気で、笑顔に安心感がある方だった。
会ってすぐに「さて、どこか撮りたい場所とかありますか?」と聞いてくれたのだが、オススメされた通りに「良いですね〜」と言った私たちはまるで何も下調べなどしておらず、その時になってようやく「あ、もう少し予習をしておくべきだったな」と気が付いた。
時既に遅し、ではあったがKさんは大変優秀なカメラマンだった為、そんな私たちにも臆せず、なんと下見までしてくださっていた。

私たちが撮影したのは中崎町という梅田の近くにあるお洒落街だった。レトロな店や雑貨屋が並んでいて、なかなか雰囲気がある。
思い出の地とかではなく、これまた文学部っぽいのでは?という安易な理由により撮影場所に選んだのだが、
Kさんのおかげで撮影は無事に進んでいった。

公園で撮っていると目の前にいたカップルが物珍しそうにコチラを見ていた。
凄く見られていたが、3人で集う私たちは最強なので、特に差し支えはなかった。君たちも撮って貰いなよ!是非!という気持ちではあったが、それは心にしまった。
確かに最初は見られていることを気にするくらいの緊張感はあったが、Kさんは撮りながらたくさん褒めてくれるので、私たちの自己肯定感も次第に爆上がっていった。


愛されてる〜〜て感じ

正直なところ、折角久々に会う時間、知らないカメラマンがいると遠慮してあまり楽しめないのでは無いかという心配はあったのだが、実際そんなことは全く無かった。
私たちは同性を選んだ上同い年という偶然も重なった為か空気感が非常に近く、遠慮どころか一緒に談笑する時間もある程だった。
自然な雰囲気を撮って貰っているので、一緒に歩いているところだったり、普通に話しているところだったり、後は途中でふざけているところを撮ってくれていて、終わってみると『遊んでいる間に気付いたら撮影が終わっている』という感覚に近い。


大人になっても青春ってできるんだな


昔の写真と、今の私たち

結局なんとなく決めた撮影場所だったが、私たちは途中で花を買ってアイテムにしたり、みんなで同じ食べ物を買ったり、現地調達も出来てなかなか良い場所を選んだと思う。

余りにも良いことばかり書いているので怪しまれるかもしれないが、私はラブグラフと全然関係無い。しかし撮影の時間的にも納品して貰った写真も大満足だった為、あまり辛口なことを言うほどのことも無いのだ。
強いていえば、写真は本当にカメラマンによって雰囲気が変わるので、カメラマンは自分で選んだ方が良いとは思う。
アー写みたいな芸術寄りの写真を撮りたい方には物足りないかもしれないが、日々の思い出としては心からオススメする。

【写真を思い出に残すこと】

写真を思い出に残す、という行為は、まず準備から始まり撮影している時間に楽しみがある。

しかし、楽しみは撮って終わりでは無い。
写真が手元に届いた時「この写真が良い」「この時のこういう話が楽しかった」と、みんなで振り返るのも含めて楽しいのだ。
それから私は普通に会社や周りの友達にも自慢している。「ちょっと高いね」という人もいるがそれは価値観だし、逆にラブグラフのようなカメラマンの存在を知らない人が「こんなサービスがあるなら私もやりたい」と言っていた。人それぞれなのだ。

大人になっても親友と会って、大人になっても親友で居てくれる人と写真を撮れた。これは凄く良い経験だった。

友達という言葉は年々重くなっていく。
その重みは勿論嫌な意味では無くて、命のような尊い重みだ。
学生の頃、ずっと仲良しの友達を「ズッ友!」と言うノリがあったけど、今「ズッ友!」に値する友達が居ることをとても幸せに思う。

そんな友達と写真を撮ったこと。
私にとって、かけがえのない思い出も含めて宝物が増えた気持ちである。

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