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【詩】気づくと薄く光る緑に囲まれているこの頃ー今だけの淡さを惜しむ気持ち

薄く透け 涌き出るような緑のなかを、
ひとり歩くは
大きな自然に
背後から優しく抱かれているよう
な温かさ


いつの間に
薄く光る緑になって
お揃いの服で
こちらをみるようになったのか

みたこともない美しい緑を
どのみどりも身にまとっている


淡い緑にいつなったのか
いつもいつもふと気づき驚く

淡い緑の
この
なり始めの時期
私は好きだ

なにかが始まる予感

光が強くなるにつれ
その薄さは徐々に濃さにとって代わり
光に対する武装を完了する

でもひらいているこの時
わたしは柔らかい緑が
そよそよと風にうたっているのがすき

もっと長くゆるやかでいてほしい
ゆるやかな世界 空気であってほしい
といつも思う



夕刻の風に 八重桜のハラハラ散るは
頑張ったねと
祝福のごほうび

どのようにもみえる
誰もしゃべらない午後

わたしはどう取る
この緩やかなときを

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