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もっと地元に関わりたくなる!「まちづくり仕組み図鑑」を読んで。

おはようございます。毎日投稿70日目です。
今日も読書録です。
リノベ学園の課題図書として出されていた「まちづくり仕組み図鑑

どこかの書評で書いてあった通り、こんなにわかりやすいまちづくりの本は初めてだと思いました。

まちづくりへの参画が、実際には、まちづくりに「意識的」に「関与したい」「関与させたい」と思っている人たちに限定されているのではないか。そこで、もっと日常生活やビジネスの中で、まちづくりに「無意識的」に参画できるような仕組みをつくれば、本当の意味で多くの人が関わる状態になるのではないか。

P3 はじめに より

まさに!
行政側の人間としては、グサッともきましたが、本当にその通りだと思いました。
そして、自分がまちの主体側に回るにあたって、必要な情報が実践的に体系立って、しかも新しい切り口で書かれていました。

キーワードは「地元ぐらし」と「セレンディピティ」。

”地元暮らし”とは、地元をすてきな偶然の出会いが起こる場として主体的に楽しむこと、と定義されていました。

例えば私だと、去年はフルタイム勤務で中間管理職の仕事でした。家と職場の往復で疲弊していて、とてもじゃないけど地元に主体的に楽しむなんて余裕はなかった。。。
 でも時短勤務の今は、心に余裕があって、土日に友達を家に呼んだり、仕事帰りにたまにカフェに寄って他のお客さんや店員さんとをお喋りを楽しんだり、たまにはイベントを主催したり、去年よりは”地元暮らし”できている気がします。
 さらに育休中だと、頻繁にマルシェやキャンプイベントを企画したりして、地域とのつながりを楽しんでいました。きっとこーゆーことを”地元暮らし”と言うのだと思います。

さらに、地元ぐらしを通じて、地元の課題を解決したり、魅力を発信したりすることを「地元ぐらし型まちづくり」とこの本では呼んでいました。

”セレンディピティ”は、すてきな偶然に出会ったり予想外のものを発見したりして、そこに新たな価値を見出す能力のこと。こっちはわりと一般的な言葉ですね。

前半では、地元暮らしでセレンディピティを発揮し、自分もまち(=自分の周りの人たち)もちょっとずつ豊かな暮らしになっていくサイクルについて、理論的に説明されていました。

その中でも一番心に刺さったのは、04「チームをつくって取り組む」の章。
スーパースターでなくてもできる、だったり、凸凹チームが最強となることが書かれていて、ビジネスをはじめる心理的ハードルを下げてくれました。

他にも、個人事業主/株式会社/合同会社/NPO それぞれの形態のメリデメや、事業計画の立て方も概論にも触れてくれていました。
例えば、自分の本業と違う分野の事業は見通しが立てにくいが、飲食や物販であれば3〜5年で初期投資を回収できるようにする。と。見込まれる利益から逆算して、月5万円の利益を想定するならば、初期投資は180万円〜300万円に抑えよう。と。

あれ、そういえば、民間企業に勤めていたころは、利益管理表とかよく作ってたな。公務員になってはや10年、ぜんぜんそんな頭の使い方をしなくなってしまっていた・・・

本の中盤は事例編でした。12事例が収録されています。
なによりも驚いたのが、事例の一番初めにあったのが、西東京市の駄菓子屋兼デザイン事務所「ヤギサワベース」なのでした。
え?えええ!? ヤギサワベースって、妹がバイトしてるところやん!?

駄菓子屋併設型デザイン事務所 ヤギサワベースをはじめて6年目。 初めて、駄菓子屋スタッフ兼デザイナーとして、仲間が加わりました。 彼女はデザインもできますが、自身が使う化粧品を画材として、自分の内面的な心象などを表現するアーティストです。 ...

Posted by 中村 晋也 on Thursday, August 25, 2022

自分の出身地がこんなに面白いことになっているなんて…!

さらに、ビビビとくることが。
それは中村晋也さんがヤギサワベースをやろうとしたきっかけ。
「自分の子どもたちがいつも同じ家に遊びに行き、その家ばかりに負担をかけていることが気になっていた。そこで職場に子どもたちが集まれる場所をつくれればと考えた」と。

リノベ学園の初回レポートで「子どもたちが遊べる場を作りたいけど、儲けられる分野じゃないのでマネタイズをどうすればいいかわからない」と書きました。

事務所と併設、という手もあるんですね。
てことは住まいに併設とかもできるんだろうな。
場所でマネタイズできなくても、必要な場所に機能としてアドオンさせることができるって考え方を持っていませんでした。

他にも事例08では福岡市の「古子烏公園&いふくまち保育園」のセット事例が載っていました。「保育園なら、人件費に補助金が出る。」

場所としてマネタイズしなくても、自分の事務所や、保育園と公園、のように他に機能を持たせて場所をマネタイズ。家賃じゃなくても、他のところでちゃんとプラスを回収していく、というスタイルがあるんですね。
ポエムっぽいけど、地域と繋がっていることで、お金じゃない豊かさがあって、やってる人たちはみんな楽しそう、と感じたのでした。

そんな学びがあった一方で、この本のすごいところは各事例、事業収支まで書いてくれているところ。
収益をしっかりあげていたのはだいたい宿泊業をやっているところでした。

この本で取り上げられている事例は、「地元ぐらし」で生まれたビジネスたち。その多くは他に本業を持っている人たち。なので、それが成長していくと、宿泊業をやるくらい、本格的なビジネスに入っていけるのかな、とも思ったのでした。

最後のほうで載っていたケーススタディーには、テレワーカー3人が仕事場として3人で空き店舗を借りて、休日は他の友人に喫茶営業させる、という例も。


地域でビジネスをはじめることがグッと身近になる1冊なのでした。

そして保谷や柳沢が面白いことになってることを教えてもらい、ソワソワしました・・・笑

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