竹田青嗣先生の書籍「哲学は資本主義を変えられるか ヘーゲル哲学再考」を読みました。
哲学というと、難しい印象があると思いますが、この本はとてもわかりやすく本質を抽出して説明をしてくれています。
特に哲学がどのように政治や経済など、近代に至るまでの社会に影響を与えてきたのかをつかむことができる本です。
宗教と哲学の違い
社会に大きな影響を与えてきたものと言えば、「宗教」の印象が強いと思います。
宗教と哲学の特質の違いをこの本では、以下のように例えています。
ルソーの社会契約論
哲学者の中でも重要な役割を果たした歴史上の人物の1人として、ルソーの名前があげられています。
ルソーの思想は、「社会契約論」で原理として示されています。
ルソーは、社会の全員の合意という原理を考えました。そして、それが根拠に行われる政治の概念を「一般意志」と表しました。
ヘーゲルの精神現象学
そして、タイトルにも名前があるヘーゲルも後世に大きな影響を与えた哲学者として解説されています。
ヘーゲルの主著に、「精神現象学」があります。
このようなことが精神現象学では主張されています。
人間は誰もが自由を求める本性を持っていますが、このため「主」と「奴」の体制が不可避となり、「相互不安」のために戦争で争うことから逃れることができたことがありません。
悲惨な歴史をつくらないための方法は、「自由の相互承認」以外の方法はない、ということが書かれています。
本書の中では、以下のように書かれています。
マルクスから現代へ
後に、このヘーゲルの考え方に批判的な人物が出てきます。
「資本論」を書いたマルクスです。
富の分配についての議論が生まれてきました。そして、時代は進み、現代では資本主義の国と、社会主義の国が多くを占めています。
これからも、哲学者は今後の社会に影響を与える存在になるのか、そうではないのか。今まで考えたことのないような視点を得られる本でした。