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情報共有、組織構造と現場の整合性。

こんにちは、スラット是永です。今日のテーマは組織の構造と現場の整合性について。

ちょっと難しい響きですよね…簡単にいうと、「きちんと引き継ぎをしておかないと、結果的に効率悪いから気をつけようね」という話です!おそらく、どんな古着屋さんでも共通する話題です。まずは、エピソードを用意しました。

※ちなみに、
分かりやすくするため、店長<GM<オーナーと設定しました。新人<先輩<店長などどんな3階層に置き換えても基本的には同じです。皆様の立場に合わせて置き換えてください。なお、僕が働くSLATでのこととは全く関係ありませんので、誤解なさらず…(社長に怒られませんように…😂)

古着屋「KORE-Vintage」での1コマ

古着屋「KORE-Vintage」の店長エミリーは、ある日、お客様から理不尽な返品要求に直面しました。お客様は購入したジャケットに小さな糸のほつれがあることを理由に、返品を強く求めていました。通常、こうした状況は店長が判断し、解決するべきでしたが、エミリーは新任であり、どのように対応すべきか確信が持てませんでした。

この問題を耳にした古着屋のオーナー、ジャックは、直接店舗に出向き、問題の解決に乗り出しました。ジャックは顧客と交渉し、返品を受け入れる代わりに、店内での同等価格の商品交換を提案しました。この解決策は顧客を満足させ、トラブルを回避しました。さらに、ジャックはエミリーに、将来的に同様の状況が発生した際の注意点や判断基準、顧客との適切なコミュニケーション方法についてアドバイスを提供しました。

しかし、この一連の出来事についてゼネラルマネージャー(GM)のトムは何も知らされていませんでした。

通常オーナーのジャックは他の業務で忙しいため、現場の対応には乗り出せません。なので、組織向上、店長以下の問題の解決責任はGMであるトムにあり、一任しています。

しかし、トムは、店舗運営における主要な問題解決者であるにも関わらず、今回の問題やその解決策についての情報が共有されなかったため、この一件以降、組織内での責任と役割が不明瞭になり、困ってしまいました。エミリーも“ジャックはトムにきちんと引き継ぎしているんだろう”と思っていたので、トムに今後の対応を聞いた際に、“え?そんなことがあったの?知らなかった…”という姿を見て、びっくりしてしまいました。

ここから何が学べるか?

さて、僕たちはここから何を学べるでしょうか?まずは問題を以下の点で整理してみましょう。

1. 責任と役割の曖昧さ:
GMが問題解決の責任を負う立場にあるにもかかわらず、オーナーが直接介入してしまうと、組織内での責任の所在が不明確になります。これは、将来的に業務効率の低下を招き、誰が何を担当しているのかの混乱を生じさせる可能性があります。

2. 問題解決の非効率:
オーナーは他の業務も抱えており、常に現場の店長の問題に介入できるわけではありません。GMが過去の解決策や経験を共有されていないと、同じ問題が再発した際に解決に向けたアプローチを一から考えなければならなくなり、非効率的です。

3. 不信感の発生:
店長は、通常、オーナーからGMへ適切な情報の引き継ぎがあると考えがちです。GMが前回の問題解決に関与していなかったり、情報を持っていなかったりすると、店長は混乱し、組織への不信感を抱くことになります。

4. 組織構造の崩壊:
オーナーと店長 間での直接的な問題解決が常態化し、GMへの情報共有がない状態が続くと、組織構造が機能しなくなります。最終的には、オーナーが過度に多くの問題に対処する必要に迫られ、組織全体の負担が増大します。

5. 組織構造と現場の整合性:
組織の効率性を保つためには、組織構造と現場での実際の動きとの間にズレが生じないようにすることが重要です。オーナーが店長の問題に直接介入する場合でも、その後のGMへの情報共有と引継ぎを確実に行う必要があります。これにより、組織全体としての学習と成長が促進され、将来的な問題解決の効率が向上します。

まぁ、つまり「誰がやるルールなのか?」をはっきりさせること。そして「実際に誰が手を動かしているのか?」とずれをなるべく無いようにすること。これらが大事。という事ですね。

そうは言っても…

古着屋あるあるだと思うんですが、基本的に人手不足なので、組織のルールを飛び越えて、オーナー(偉い人)が直接解決しなきゃいけないことも、まぁまぁあります。いちいち、ルール厳守の精神を発揮してられません。

ましてや、古着は1点もの、状況判断やその考え方もかなりのパターンがあるので、結果的に“属人的”になりやすく、結局オーナー各位が情報や権限を持ってしまうことが多い。※この点は今度詳しく説明します🙇

ではどうしたら良いのか?

結論、“きちんとコミュニケーション(ツール)を活用して、情報を持つべき人にきちんと伝えること”が何より重要です。

先ほどのエピソードで言えば、オーナー・ジャックは以下をGMトムへ情報共有する必要があります。

<トムへの引き継ぎ>
・どんな状況でどのようなトラブルがあったのか?
・それについてエミリーはどんな点で戸惑ったのか?
・結果、ジャックはどんな対応をしたのか?
・その考え方、注意すべきポイント、今後の方針

<エミリーへの引き継ぎ>
・可能であれば、上記のことをトムに引き継いだ趣旨を伝えておく

これらを対面でも良いし、LINEやチャットツールで伝達しておくことで、色々と良いことがあります。

情報共有のためのコミュニケーションツールの活用

情報共有は組織運営の基盤です。チャットツールや会議システムなど、適切なコミュニケーションツールを活用して、情報が正確に、迅速に伝わる環境を整えることが重要です。情報共有のプロセスを明確にし、誰が何を知るべきかを定義することで、組織全体の効率と効果性が向上します。

やり手のプレーイングマネージャーにありがちな落とし穴

能力の高いマネージャーこそ、しばしば自ら問題解決に乗り出し、組織のヒエラルキーを無視することがあります。しかし、これは長期的に見ると組織の自律性を損ない、中間管理職の成長機会を奪う行為になりかねません。

そもそもなぜ組織構造が必要なのか

組織構造は、個々人の責任と役割を明確にし、効率的な意思決定と業務遂行を可能にするために必要です。しかし、その構造が形骸化し(形だけのものになり)、現場の実情と乖離すると、組織の柔軟性と対応力が低下します。

まとめ

- 古着屋ではオーナー(上位管理職)が店長(現場)のトラブルに直接介入、GM(中間管理職)に情報共有がされ無いことがある。
- 責任の曖昧さ、問題解決の非効率、不信感の発生、組織構造の崩壊、整合性の欠如が問題として起きる。
- 効率性と成長の鍵は、役割の明確化と適切な情報共有にある。
- コミュニケーションツール活用で情報伝達、組織構造の重要性を確認しましょう。

組織内での適切な情報共有とコミュニケーションは、組織の効率性と成長の鍵です。階層構造が複雑になるにつれて、これらの要素の重要性はさらに増します。各階層が自己の役割を理解し、適切に情報を共有し合うことで、組織はより強固で対応力のあるものになります。

と言うことで、最後までお読みいただき、ありがとうございました!!🙇

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