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100作品の読書感想を書いて考えたこと

2021年2月14日から、日本文学の読書感想等を投稿しています。実は、翌3月の半ばに、「100本連続投稿」を決心し、本日、おかげさまで、目標達成となりました。これも、色々な方々に読んで頂き、それによって力を頂いたおかげです。どうもありがとうございました。

取り上げた作品も100を超えたことから、今日は、この投稿活動を振り返り、まとめてみました。

投稿を始めた経緯

随分と昔、小説を読んでいた頃は、「あなたは、私を楽しませることできる?」みたいな、受身でありながら非常に高飛車な読書をしていました。そのため「もう読みたいと思う小説はないな」と思うようになっていました。

しかし、昨年末から「何かに集中していないと、メンタルが危ない」と思うようになり、およそ二十年ぶりに夏目漱石の「こころ」を手に取りました。感想であれ、小説紹介であれ、アウトプットを前提に小説を読み、何かを見つけて、それを書こうと思いついたのです。

投稿のモチベーション

始めてみると「誰かに読んで頂いている」と感じた時の嬉しさは、想像以上のものでした。それがモチベーションとなり「読んで、書いて、投稿する」を継続できたと思います。そして、日々、一本の投稿を終えることで、心の内のネガティブなものが、洗い流される思いがしました。これは、とても素敵な感覚でした。

作品選び

作品は、日本の近代文学の曙、二葉亭四迷作「浮雲」から始めて、明治、大正、昭和前半の作品を選び、読んできました。この方法であれば、作品を選ぶ上で迷いが少ないと考えたのです。しかし、やはり古い作品の中には文体が難しく感じられ、読むことを諦めたものがあります。例えば、尾崎紅葉の「金色夜叉」です。残念ながら、文体とボリュームの点で、太刀打ちできないと感じてしまいました。

何を書いたか

ある作品について、「ここが面白さのポイントだ」とか「あれは、このことを書いていたのか」などと発見した気になったとき、それらを書くのは楽しい作業でした。しかし、時には、苦し紛れの「あらすじもどき」を書いていたことも否めません。

そんなことまでして投稿を続けていたのは、ある作品を通じて、自分の中から何かを引っ張り出したかったのです。「今日は何も出ない」と感じたときもありましたが、そんなときこそ、無理やりにでも書かせたかった。この点の改善を、今後の課題と考えています。

作品から教わったこと

最初の投稿は、明治20年‐22年に発表された二葉亭四迷の「浮雲」に関するものでした。その後、ときには発表年を前後しながら、昭和30年代までの作品を選んできました。

読了した作品を通じて、この75年間に、少なくとも次の推移があったと感じることができました。
・自我意識のめざめ
・個人の可能性への挑戦とその時代における限界
・社会状況の激変と大衆化

この推移が感じられたことにより、これまで「だから何?」と思っていた作品について、作者の意図を探るようになりました。その作業を通じて、作者への親近感とともに、作品に描かれた明治、大正代、昭和前半の人々の価値観と生活、苦悩や喜びなどに、興味を覚えるようになりました。

最後に。この投稿を通じて、次のように、自分の好きな作家を再確認し、また、新たに知ることができました。それは、とても嬉しい経験でした。
・やはり好きと感じた、森鷗外、夏目漱石、谷崎潤一郎、芥川龍之介。
・一度挫折したけれど、投稿を通して好きになった、堀辰雄、中島敦、岡本かの子、志賀直哉。
・初めて読んでみて興味を覚えた、樋口一葉、宮本百合子、牧野信一、梅崎春生、高見順、林芙美子。

最後に

今後は、自分が素直に「好き」と感じる作家の作品を、もう少し丁寧に読みたいと思います。そして、何によって「好き」と感じるのか、掘り下げ、感想として記してみたいと思います。

ここまで、読んでくださり、どうもありがとうございました。


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