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イギリス倹約和食術-作るのは?

ここまで数回、ロンドンであまりお金をかけずに和食欲を充たすため、どんなところで何を買っているかの話を書いた。

そもそものきっかけは、最近ロンドンに引っ越してきた方への「おうちの近所のスーパーやお店で手軽に買えるもので、どんな和食が作れるのか」という話だった。

ということで、最後にどんな和食が作れるのかをいくつか書いて締めとしたい。

基本的にスーパーのもので作れるもの

ただし顆粒だしは必要かも。

肉じゃが

<スーパーの食材>豚バラ、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、インゲン

スーパーの豚バラ(関東なもので)を半解凍したものを薄めに切り、それとイギリスが誇る野菜、じゃがいもを基本に作る。もちろんだけれど玉ねぎはかならず白玉ねぎをつかうこと。ここまではすべてスーパーでいける。
醤油と白ワインと砂糖の味付けで。もしも和風だしがあったら嬉しいけれどなかったら、まあそれもしかたない。

生姜焼き

<スーパーの食材>豚ロース、しょうが、スイートハートキャベツ(添え野菜)、トマト(添え野菜)、ミニキュウリ(添え野菜)

スーパーの豚ロースを醤油+白ワイン+お砂糖とすりおろしショウガでつけておく。焼いて、野菜をそえて。
マヨネーズはスーパーでキューピーも買えるし、最近日本のマヨネーズの流行から、スーパーのPBでもMAYOというのが売られている。やっぱりこっくりしたキューピーのおいしさにはかなわないけど、そこまで悪くない。
ちなみにイギリスは伝統的にマヨネーズではなくサラダクリームと呼ばれるマヨネーズがものすごい薄くなったようなものしかなかった。

照り焼きチキン

<スーパーの食材>鶏モモ(手羽でもいいが調理に時間がかかる)、ショウガ、ニンニク、冷凍ブロッコリ(添え野菜)、トマト(添え野菜)

鶏モモは骨がついているので、包丁ではずす。
(ちなみにこれは捨てないで水から沸騰させないようにコトコト茹でるとおいしい鶏スープができる。そこにしょうがのしぼり汁、ネギの青いところを刻んで醤油をたらしたらもう一品できる)
モモ肉を醤油+白ワイン+お砂糖とすりおろしショウガ、すりおろしニンニクでつけておく。焼いて、野菜をそえる。

鶏のさっぱり煮

むかしミツカン酢のボトルに巻いてあった広告を見て以来、よく作るもの。
白ワインビネガーで代用できるし、手羽元は一番手軽な肉なのでぜひ。

ピリ辛豚そば

<スーパーの食材>豚バラ、白玉ねぎ、そば、中華ソース(普通のスーパーのワールドコーナーにはたいていブラックビーンソースや麻辣ソース、ラー油などが売っている)

半解凍豚バラを薄切りにして、しっかり火が通るまで炒める。薄くスライスした玉ねぎを加えて透明になったらラー油や麻辣ソースをいれてピリ辛にする。種を外したチリをいれるのもいい。
そばを茹でる。
めんつゆがなかったら、顆粒だし、醤油と少しの白ワイン、砂糖と水で火にかける。少し甘めに作るのがおすすめ。

そばの上に豚肉の具材を乗せて出来上がり。

インゲンの胡麻和え

<スーパーの食材>インゲン、ごま(ナッツなどのコーナーに個袋に入って売っている。アーモンドやヒマワリの種と同じ扱い)
レンチンしたインゲンを、色止めしてからゴマ、醤油。砂糖であえる。すりごまにしたいところだけど、すれてなくたって充分おいしい。

お魚いろいろのホイル焼き

<スーパーの食材>冷凍食品コーナーに売っている「フィッシュパイミックス」、たまねぎ、キノコ類、スイートハートキャベツなどお好みで

フィッシュパイミックスとは、その名の通りイギリス人が大好きなフィッシュパイを作るためのいろんな魚が入っている冷凍食品。

たいていはタラなどの白身、鮭、スモークされた黄色いタラなんかが角切りになっている。

フィッシュパイ。上に載っているのはマッシュポテト。

お魚が高いイギリスで、このフィッシュパイミックスはとても使い勝手がいい。鮭だけをより抜いて鮭レタスチャーハンにしてもいいし、クリームシチューもできる。鍋の具材にもなる。

使うときは必ず最初に水の中で戻し生臭さを取ること。
それをスライスした玉ねぎやキノコ、キャベツなど適当にお好みの野菜をのせたアルミホイルにのせて、お好みで醤油バター、あるいは味噌なんかを足して閉じる。
フライパンで焼いてもいいし、私はBBQをやるときに肉ばかりで飽きるので、その中の一品によく用意する。

スモークサーモンちらし寿司

<スーパーの食材>お米、スモークサーモンの切り落とし、冷凍エダマメ、卵、ごま
お刺身には手が出ない、あるいは買い行く時間がない、あるいは解凍する時間がないとき。手軽なのがスモークサーモンでの代用だ。
スーパーのスモークサーモンコーナーには高級なものからそうでないものまでいろいろあるが、一枚ずつさらに並べてカナッペにするんでもない限り、私がいつも買うのはこのトリミング(切り落とし)。普通のを買うよりも1ポンドくらい安い。1ポンドとゆうなかれ、つまりは3割引きだ。
値段もだし、結局散らしてぐちゃぐちゃにしちゃうんだから、こっちのほうがいいよね、ということだ。

白ワインビネガーと砂糖をあらかじめレンチンしてまろやかにしておく。
冷凍エダマメは水に入れて戻しておく。
錦糸卵を作る。
硬めに炊きあがったお米に(昆布があれば一緒に炊くが、なかったからといって世界は崩壊しない)混ぜて酢飯にする。
スモークサーモンとエダマメ、たっぷりのゴマをまぜる。最後に錦糸卵をかざる。
これは色合いがよいので、ガイジンむけのおもてなしにもぴったりだ。
生魚はダメ、という人にもスモークサーモンだよといえば納得する。
一口試したあとに、やっぱり魚がいやだったとかいわれても、そんなにお金がかかっていないので、あんまりガッカリせずに済む。
(ジャパニーズフード食べたことないから試した~い、とリクエストするひとに限って、食べたらやっぱり魚がクサイだのいうことは多い)
一個一個てまり寿司状態にすると、パーティーのフィンガーフードにもなる。

スモークマカレル丼(サバ丼)

<スーパーの食材>スモークマカレル(燻製したサバ。コショウ味などいろんなものがあるので必ずプレーンを買うこと)、リークあるいは万能ねぎ

熱湯をスモークマカレルにかけて、脂を落としておく。皮もこれによって剥ける。

ほぐしてご飯の上にのせて、最後に刻んだネギを散らす。
あればワサビをそえ、醤油をたらす。

豆腐バーグ

おもてなしといえば、イギリスで困るのが、結構ベジタリアンやビーガンのひとが過度に日本食に期待をもって遊びにやってくることだ。
カツオだしは使えないし、昆布だしが必ずいえにあるわけでもない。となると、キノコのだしに頼るしかない!

<スーパーの食材>豆腐(常温保存の森永乳業豆腐などがワールドフード棚にある)、キノコ、インゲン、ミニコーン、リークあるいは万能ねぎ、人参

豆腐はキッチンペーパーか付近で包んでレンチンして水切りをする。
さらにそのまま重しを乗せた皿かまな板を使って水をとにかく切る。
野菜はすべてみじん切りにし、あればごま油、なかったらベジタブルオイルで炒めておく。
崩した豆腐に野菜をいれ小麦粉をつなぎに入れる。
適当に丸めて、フライパンで焦げ目がしっかりつくように焼く。
醤油を回しかける。

もしもベジタリアンといわれなかったら、豚のひき肉を少し入れてもおいしい。
片栗粉は日系スーパーに行かないとないので、小麦粉で代用。
もしグルテンアレルギーといわれた場合、中華スーパーで売っている米粉を使う手もある。

話がそれるが、和食は米が基本なので、グルテンアレルギー持ちの希望の光なことが多い。
なので、ジャパニーズフード食べた~い!といわれたとき、ビーガンかつグルテンアレルギー対応できるメニューを知っていると便利。
キノコ、ニンジンを甘辛く煮込み、エダマメを彩りにいれたビーガンちらし寿司、あるいはキュウリやニンジン手巻き寿司やいなり寿司。(もちろんこの時に、SUSHIの意味は酢で味をつけた米飯であって、生魚のことではない、としっかり教えてあげよう!)
それから、豆腐田楽や豆腐ステーキ、豆腐バーグのメニューは覚えておくことをお勧めする。

卵かけごはん

以前にも触れたけれど、今や、イギリスのスーパーで売っている卵も、ほとんどが生食ができる。

つまり、白米とお醤油さえあれば、
卵かけごはんが食べられる。

まず、きちんと理解しておきたいのは、卵で気にするべきサルモネラ菌をはじめ、病原性大腸菌やカンピロバクターなどの食中毒菌の多くは、「食べ物の表面にいる」こと、そして「75℃以上1分間の加熱でほとんど死滅する」ことだろう。(イギリスで冬に大流行するノロウイルスは85℃以上1分間)

なので、かつて、どうしても卵かけごはんが食べたくなったときは、私はフランスから輸入された高級なサルモネラ菌対応済み卵を買うか、あるいは、できるだけフレッシュな卵を殻ごと熱湯で1分加熱していた。

それが2017年。それまでは一部だった「レッドライオン卵」が一般に広く流通することになったのだ。今では90%以上のイギリスで流通する卵は、このレッドライオンのルールに従ってサルモネラ菌対策をしている。

買うときにはパックか、あるいはパックを開けて、レッドライオンが印刷されていることを確認すればよい。

しかしだからといって、ふわふわ羽毛がついていたり、泥がついていたりという違う意味で産みたてほやほや感な卵はいまだによく見かける。
また、流通の間の手荒な作業で割れたり、ひびが入っていてすぐに腐ったりすることがあるので、かならずパックを開けて中身を確認することをお勧めする。

ブリティッシュライオンエッグ。
ちなみにライオンはイングランドの象徴。

節約オムレツ

母から受け継がれた財布ピンチ時のメニュー。

<スーパーの食材>たまねぎ、冷凍牛ひき肉、卵、醤油

玉ねぎをみじん切りにして飴色になるまで炒め、ボウルに出しておいた冷凍ひき肉の上にのせる(みじん切りの熱で冷凍ひき肉が解凍されるし、みじん切りの熱がさがる)。
卵を割り入れ、醬油を垂らしオムレツ液を作り、好みの硬さに焼く。

米ナス田楽

<スーパーの食材>米ナス、味噌(ワールドフードコーナーで入手可能。アジア系スーパーや日系スーパーのほうが安く買えるもののひとつ)、砂糖、白ワイン、ごま

米ナスは半分にして、格子状に切り目をいれておく。
ラップでくるんで1~2分レンチン。
柔らかくなったところで、切ったほうをしたにフライパンで何もひかずに焼く。
その間に味噌とワイン、砂糖で田楽味噌を作る。
焼きあがったナスの上に味噌を塗って、ごまをかざる

ナスステーキ

<スーパーの食材>米ナス、ショウガ、醤油、砂糖、白ワイン

米ナスを分厚い輪切り上にする。
フライパンでじっくり火を通す。途中少し水をかけてもいい。
白ワイン、ショウガのしぼり汁、醤油、砂糖を混ぜてたれを作っておく。
火が通ったナスにたれを回しかける。

和風スペアリブ

<スーパーの食材>豚スペアリブ、ショウガ、ニンニク、醤油、砂糖(はちみつ)、白ワイン

ショウガ、ニンニクをすりおろし、醤油、砂糖、白ワインのたれに混ぜ、スペアリブをつけておく。はちみつにするとねっとり甘さがでて、焦げ色もつく。
200℃のオーブンで火が通るまで焼く。途中でひっくり返したほうが均等に焼ける

トマト味変スペアリブ

上の醤油ベースにトマトケチャップあるいはトマトピューレを混ぜたタレのバージョン。おもてなしのときにいっぺんにいくつもの味のように思わせるテク。

マスタード味変スペアリブ

上の醬油ベースに粒マスタードを混ぜたタレのバージョン。おもてなしのときにいっぺんにいくつもの味のように思わせるテク。

豆ごはん

冷凍食品コーナーにあるエダマメ、あるいはそら豆、グリーンピースを水に入れて解凍しておき、炊き込んでつくる。
思いのほかバリエーション感があって、食卓が華やかになる。
ちなみに、冷凍食品が大袋過ぎるときは、Sainsbury's Local、TESCO Express、Little Waitroseといったコンビニサイズの店舗にいくと300gや500gバージョンがあったりする。

和風ツナ(サバ)パスタ

<スーパーの食材>スパゲティ、白玉ねぎ、ツナ缶、醤油

ツナ缶は、塩水、オリーブ油、トマトソースなどいろんな味がある。私はおネコ様と一緒にシェアする場合を考え塩水一択だが、その時の気分で使い分けるのもいいだろう。

玉ねぎをスライスして炒め、飴色になったらツナ缶をいれる。茹でたスパゲティをいれ、水気を飛ばしたら醤油を回しかける。

このメニューは、むかし経堂にあったかくれんぼうというお店の定番で、私にとってはいろんな意味でセンチメンタルな一品だ。
アメリカ時代本当にツナ缶くらいしか手に入らなかったとき、何度もなんども、このメニューが私の魚が恋しい気持ちを救ってくれた。
これ以外にはマクドナルドのフィレオフィッシュくらいしかなかったし、そのマクドナルドに行くには高速に乗る必要があるくらいコーン畑の真ん中だったのだ。

イギリスでは、ほぐしたスモークマカレルを使うアレンジも可能。

アジア・中東スーパーの助けを借りるもの

たけのこご飯

タイ系、中華系スーパーの缶詰コーナーに絶対売っているのがタケノコ。
これをつかって炊き込みご飯。
<スーパーの食材>ターキーのひき肉(鶏肉のひき肉は売っていないことが多いので、ターキーで代用)、米、醤油、白ワイン、砂糖
<アジアスーパーの食材>たけのこ缶
ベジタブルオイルでターキーのひき肉を炒める。タケノコを加えて、醤油白ワイン、砂糖で味付けする。
研いだお米に分量の水を入れ、肉タケノコを汁を入れないように、具材だけいれる。通常通り炊く。

筑前煮

<スーパーの食材>鶏もも肉、人参、醤油、白ワイン、砂糖
<アジアスーパーの食材>ごぼう、れんこん、こんにゃく
こんにゃくはダイエット食品として代用麺などが知られるようになってきているようで、アジアスーパーで常温の棚に置かれていることが結構ある。したらきも結構売っている。
野菜を乱切りにし、鶏も同じくらいの大きさにしておく。こんにゃくはスプーンで同じくらいの大きさにちぎり、レンチンで水切りしておく。
鶏もも肉を炒め、火が通ったら、硬い野菜からいれていく。こんにゃくを加えて、醤油、白ワイン、砂糖で味付けする。

キムチ納豆

アジアスーパーに言って必ず買うものの一つが納豆。
幼少期は大嫌いな食べものだったのに、なぜかロンドンに来てから、時折無性に食べたくなるものとなった。ふしぎ。
キムチも納豆も、タイ系だろうが、中華系だろうが、韓国系だろうが、日系だろうが絶対に取り扱っている。
そういえば、納豆はアフリカから南米まで世界中に似たものがあると、安住紳一郎の日曜天国で昔いっていたっけ。

お好み焼き

<スーパーの食材>豚バラ(あるいはツナ缶)、サボイキャベッジ、冷凍コーン、袋入りチェダーチーズ(とけるように刻んであるもの)、小麦粉、マヨネーズ
<アジアスーパーの食材>ソース、紅ショウガ
ソースはたぶんイギリスのA1ソースやブラウンソースでも代用できるんじゃないかなと思いつつ、まだこの15年、試すことができていない。

チーズはこんな感じにすでにこまかくおろされているものが便利。

紅ショウガをいれると本格的になるけれど、ないからといってそこまで困らない。
私はダイエット願望から、小麦粉の代わりにオートミールを入れて作ったりもしている。効果は感じられていないけれど。

お好み焼きはおもしろいことにガイジンの受けがいい。
ガイジンに出すときには、セーバリーパンケーク(Savoury Pancakes)つまり甘くない、しょっぱいほうのパンケーキというと通じやすい。
見た目がパンケーキぽいので、食べた時にぎょっとされるのをそれで防げる。

ほうれん草のおひたし/ごま和え

普通のスーパーではサラダのように葉っぱだけがビニールに入って売られているほうれん草。
バターソテーやサラダにするのはいいけれど、和食として使うには若干ひっかかるのは私だけではないはず。

中東系スーパーで芯までが束ねられたものを買ったとき、ここぞとばかりに作るのが、おひたしあるいはごま和えだ。
<スーパーの食材>ごま、醤油、砂糖、白ワイン
<中東・アジアスーパーの食材>芯つきほうれん草、かつお節

ほうれん草のかきたま汁

そしてもうひとつ、芯までのほうれん草で作るのはかきたま汁。
だしがものをいうメニューなので、茅乃舎のだしパックなんかで作るけれど、もちろん顆粒だしでもいいし、あるいは無しで作って最後にかつお節をかけても大丈夫。
<スーパーの食材>ごま、醤油、砂糖、白ワイン
<中東・アジアスーパーの食材>芯つきほうれん草、だしの素

ちなみに和田久のかつお節は、築地の歴史あるかつお節屋、和田さんが日本を飛び出してスペインで作っているヨーロッパ産のかつお節だ。

栗ご飯(おこわ)・芋ご飯(おこわ)

秋口になると、中東スーパーだけでなく、普通の商店街の八百屋にも栗がではじめる。
また、サツマイモもよく売られている。
もち米はアジアスーパーで糯米という表示で売っているので、手に入れておくと炊き込みご飯だけでなく、おこわも作れる。

<中東・アジアスーパーの食材>栗(さつまいも)、米(もち米)

最後に

2018年のリサーチでは、「イギリス人4人のうち1人は、3種類のレシピしか作れない」結果だったらしい。

イギリスではずっと一人暮らしなのでイギリス人家庭のキッチン事情は詳しくない。
ただ、「イギリスのごはんはまずい」といわれるのには、イギリス人が家庭で作る定番料理にあまりバリエーションがないこともあるのではないか。
フィッシュアンドチップスはそもそも屋台やパブで食べるものだし、イングリッシュブレックファストもカフェやホテルの朝食で食べるものだ。

私がこれまで訪ねたイギリス人家庭でふるまわれた家庭料理といったら、コテージパイ、フィッシュパイ、シェパーズパイ。ラザニア。ローストチキンにローストビーフ。そんなところだ。

大衆紙ミラーの記事なんて、「研究結果は我々イギリス人がいかにキッチンでは退屈な人間なのかを明らかにした。平均6冊ものレシピ本を持っているくせに、作れるのは9種類の料理だけという結果だった」と自虐的に述べている。

だから、イギリスのスーパーの品揃えが多少単調だとしても、許してあげよう。

というより、にもかかわらずワールドフードコーナーなどで他の国の人たちの食材を置いているなんて、がんばってるじゃんと思ってあげよう。

コロナ以降、通販もどんどんと進化した。
スーパーの店頭になかったとしても、普通のスーパーがアジア食材をリストに載せていれば、比較的お手軽にオーダーもできるようになったのだ。

そして、もちろんこれは首都ロンドンにいるメリットではあるが、中東系、アジア系、日系のスーパーが数多くあるということにも感謝したい。
アメリカの田舎に暮らしたことがあるからこそ、インターナショナルな食材やレストランへのアクセスも豊富さは身に染みる。

私の場合、誰に無理やり強制されたわけでもなく、自分で選んで海外に住んでいる。
だから、和食の恋しさだって、自分で解決するべきものだと思っている。

でも。
仲良しの友達や同級生たちが、家族の駐在帯同などで、慣れない言語・文化の土地に引っ越し、その地で何とか日本の味を食卓に並べようと努力した話を、私はたくさん聞いてきた。

イギリスにも、いろんな事情で和食を恋しがりながら暮らしているひとがいっぱいいると思う。

また、「ジャパニーズフードふるまってよ」などと頼まれ、予算がないのに、しかも全部食べてくれるかわからないのに、いったい何を作ればいいんだろうと思うこともあるだろう。

そんなとき、このエントリが少しでもお役に立てたら嬉しい。

ぜひ、あなたのサバイバル和食テクも教えてください。


いただいたサポートは、ロンドンの保護猫活動に寄付させていただきます。ときどき我が家の猫にマグロを食べさせます。