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睡蓮とコバックスの話

5月10日 くもりのち雨

本日のBGM Carole Bayer Sager


もうそんな季節になったのか
今日は睡蓮が咲いていました。
雨の中の睡蓮てのも乙なもんですね。

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まあ私は今までハスと睡蓮の違いが
わかっていなかったのですが、
と言うかこれも今までハスだと思ってたのだけど
両者の違いの一つに
葉っぱが水をはじくかどうか
というのがあって、
睡蓮の方は水をはじかないそうですが
雨の日に関していえば
水をはじかない睡蓮の方が情緒があって
絵的に優れているのではないでしょうか。


この鉢も焼き物の鉢で
カラカラにならないように
水を足す以外は
完全に放置してるのですが、
毎年この時期になるとちゃんと花を咲かせるので
この自立した感じが大変よいですね。
なんと言うか無理してない感じと、鉢の中で
自己完結してるような所がポイント高いです。
鉢だと余計には広がらないしね。

さて今日はテンションの上がらない作業上位の
「ペーパーがけ」というのをしております。

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ペーパーがけというのは
器が乾燥した段階、
または素焼きをした後で
器のギザギザしてる部分に紙やすりを当てて
滑らかにしていくという作業です。
けっこう作ったものの量がたまっていたので
今日はこればかりですね。


写真で見ると

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こんな風なのを

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こんな感じのサンドペーパーを使用して

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こんな風に滑らかにする作業です。


こういうカップとかの取っ手がついたものは、
ペーパーがけするのがとっても面倒です。
というか面倒に感じる が正しいですね。

実際にペーパーがけ めんどくささチャンピオンは
香炉になりますが、香炉くらいになると
いっちょやったろかい!
と それほど面倒には思わないので
カップくらいが一番うっとうしく感じます。
カップ作るのがそもそもめんどいですもんねー
出来上がりは好きなんですけど。
まあ面倒に感じるというのは
丁寧さの裏返しと思っていただければ。れば。

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ちなみにこちら形はカップですが、正確には鍋用の器でございます。というか水炊き用になるのかしら。ポン酢とか少なくてすむ形ということで。

ペーパーがけの主役サンドペーパーにも
いくつか種類があって、
私の中でのペーパーチャンピオンは
このKOVAX クロスAロールベルト AFJW P120です

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こいつはたまらないぜ!
ベースが布なので曲面にフィットしやすく、
使い込むほどに柔らかく馴染んでくるのに、
研磨剤部分の構造が目詰まりしにくくなっていて
くたくたになっても
削る力は残っているという優れものです。

他のものに比べて使いやすいのに長持ちするという
他を圧倒的に引き離す商品なのです。
あと裏面のマークがちょうどいい具合にかっこいい


もしかしたら
もっといいペーパーがあるのかもしれませんが、
今までも
これはどうかな?
と試してみて
やっぱりコバックスにはかなわねーぜ! と
確認するだけのことにしかならなかったし、

よりよく、より便利になんて追求しすぎるのは
文明を暴走させてしまうことになると思いますので
地球を愛する私はコバックスで思考停止するのであります。
アイラブコバックス!

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このお皿もたまってるので今日削っていて、
こういうシンプルなのって
基本的には削るのが楽なのですが、
曲線が良くない時とかは シンプル故に
削って修正するのは大変ですね。


ペーパーがけはめんどいですが
きちんとやっていないと
粗が目立ってしまうので、
わりかし丁寧にやってる作業です。
その丁寧というのがめんどくさいのかもしれませんが。


これをやることで
器が目立って格好良くなるわけではなく、
むしろ器を使う上で
意識せずに心地よく使ってもらうための作業で、
気づかれないということがいい仕事みたいな。

こういうのをこっそりやってたら
ダンディズムに突入できそうですが
そういうことは一番に自分で言ってしまうので
その度にダンディの門は閉ざされるんでしょうね。
ダンディむずいぜ。
ダンディ〜かたぎ 粋〜なもの ♩

おれ


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目

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