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現代にフィットするオールドアメリカンハウス

皆様こんにちわ。

株式会社HARMONYの山本航聡(やまもとこうそう)です。

いつも記事を拝読くださって誠にありがとうございます。

本日は弊社のグループ会社であるLIFEQUARTETが開発をし、先日全国総会で発表をしたオールドアメリカンをテーマにしたコンセプトハウスについて書きました。

皆様オールドアメリカンってどんなイメージありますか?
•アメリカの古き良き時代
•ロックンロール
•ジーンズ等ですかね?

はい、こちらも全てオールドアメリカンと表現されるものです。

正確には、1920年代後半から原型が出来て、第二次世界大戦後の1949年から爆発的に広がったアメリカ文化で、キャンプやサーフィン、映画やハンバーガー、サンタクロース等。
数え上げたらキリがないくらい、様々なものが発芽したカルチャーです。

だから、私たちはオールドアメリカンという言葉も知っていて、時代背景も何となく知っている。
馴染み深く、親しみ、憧れがあるすごく身近なカルチャーなんです。

住宅の歴史とアメリカとの関係


又、住宅の世界にもアメリカの影響というのは色濃く受けていて、1950年に日本住宅金融公庫が出来、日本にはありとあらゆるところで、住宅が建ち並びました。

1980年頃まではサザエさんの家に代表される碁盤の目のような間取りが多かったのですが、LDKという概念が出来、海外のデザインが流入してきました。

1990年から2000年にかけてアーリーアメリカン(コロニアル様式)のデザインが日本で流行しました。

アーリーアメリカン

特徴としては、外壁には細長い板を一枚ずつ重ね合わせながら、丁寧に張り付けていくラップサイディングを使用し、ホワイト、水色、赤色といった明るく爽やかな印象を与えるカラーリングでコーディネートされています。
可愛らしいドーマー屋根や大きなガバードポーチも印象的ですね。


1980年頃から全ての家庭で1台車を所有するようになり、2000年代になると、車は移動手段だけでなく、趣味、インテリアという概念が出来、アメリカから流入したガレージハウスが人気を博します。

ガレージハウス


2010年代前半には、サーファーズハウスやカリフォルニアスタイルといった西海岸の住宅が爆発的に広がりましたよね。

サーファーズハウス

カリフォルニアスタイルは海外のドラマやテレビで放映されることも多く、憧れの対象として今も人気のあるデザインです。
何といっても広々とした土地と建物、優れた外観デザイン、山や海といった自然に調和する開放感、内と外のつながりを大事にした設計等、我々が大好きなものが全て揃っている住宅ですね。


2010年代後半になると男前デザインの代表とも言えるインダストリアルが普及しました。
日本には近年取り入れられましたが、アメリカでは100年以上の歴史のあるインテリアデザインなんです。

インダストリアル

私も大好きなインダストリアルですが、工業的で無骨なデザインをしており、そのため、レザー、レンガ、木と鉄を組み合わせたヴィンテージの家具などが相性がとてもいいです。

アメリカは中古流通市場が発達していて、100年も経っている住宅が、普通に出回っています。
それに対し日本は地震大国と言うこともあり、今まで住宅はスクラップandビルドを繰り返してきました。

しかし、最近はリノベーションやDIYなど、古いものを再生するという考えも普及してきています。この考えもアメリカから来てるんですね。

こう見てみると私たちが身を置く住宅業界も、ほとんどがアメリカ発祥で、色濃く私たちの生活に根付いているという事が分かります。

そんな中、私たちが最も身近で愛してやまないカルチャー、そして住宅デザインとしてまだ定着していないのがオールドアメリカンスタイルです。

私たちが手がけた住宅が性能、デザインともに100年続くものにしたいと強く思い、今回コンセプトハウスを開発致しました。


100年愛される住宅を創るには、生活者のライフスタイルに寄り沿う事が兎にも角にも重要です。
でも、ライフスタイルに寄り添うって事はデザインに寄り添わなきゃいけない。
と言う事はプロダクト化しなければ、優れたデザインが出来ない。

この考えに辿り着き2年前よりオールドアメリカンをテーマにしたコンセプトハウスの着手を致しました。

岩切剣一郎氏

まず、デザインとコンセプトを作るにあたって、joinしたのがこの方。

岩切剣一郎氏

元カリフォルニア工務店のクリエティブディレクターで日本の住宅シーンに西海岸、サーファーズハウス、カリフォルニアスタイルといったデザインを持ち込んだ第一人者です。

現在はケンロック代表取締役で空間デザイン、建築デザインをする傍ら、宮崎や千葉でアメリカ西海岸をテーマにした複合施設のプロデュースをしたり、2拠点生活を推進するカフェを恵比寿で経営したりとその活動は多岐にわたって活躍しておられます。

今では当たり前になったカリフォルニアデザインは、岩切さんが手がける前と後では住宅そのもののデザインがガラッと変わったんですよね。
それこそ漫才がダウンタウン前か後かくらいに。
岩切さんが手がけて日本の住宅シーンに今のカリフォルニアスタイルが定着しました。

やっぱり私たちのアメリカンリテラシーでは、どれだけ好きでも本物のオールドアメリカンハウスは作れない。
だからその道のプロとjoinする事で、私たちが求めるオールドアメリカンハウスの開発が現実となりました。

オールドアメリカンの定義


まずここでオールドアメリカンの定義をしたいと思います。

冒頭でも書きましたが、アメリカの古き良き時代が、私たちが定義するオールドアメリカンです。

年代は第二次世界大戦後の1950年代。
例をあげると1985年に公開された映画のバックトゥーザ・フューチャーの中で、主人公のマーティがタイムトラベルしているのが1955年です。
ダイナーやクラシックカーが登場し、劇中ではチャックベリーのジョニービーグッドが流れて、観客が熱狂しているシーンありましたよね。

©️1985ユニバーサルスタジオ



オールドアメリカンといえばこの世界観ですよね。

しかし、なぜこの時代にこのカルチャーはここまで広がったのか?

実はこれらは、第二次世界大戦前から既に原型が誕生していました。
レコードを内蔵化したジュークボックスが出来、MA-1などのフライトジャケットが誕生したのが1930年代。現在のダイナーらしい内装の原点の店が出来たのは1938年。
西武発祥のデニムは1930年代初頭に東部の富裕層向けに観光施作の一環をきっかけに広がっていったんですね。
こういうカルチャーが各地で発展途上にあったんですが、第二次世界大戦に入って自粛モードになり華美なものは制限されました。

しかし、戦争が終結すると、それまでの質素なムードからの反動により色んなものが開放され1950年代に一気に芽吹いたんですね。

この時に発達して代表されるものの中に、ロックンロールandブルース、映画文化、ジーンズ、ワークブーツ、ミッドセンチュリー家具などがあります。これらは洗練され、後に大衆化されて、何より遊びという概念が育んだポップスタイルのものが非常に多いですよね。

これって新型コロナが流行し緊急事態宣言が出されて私たちは移動どころか外出まで制限されて、好きな人にも会えず、不安の中ステイホームをしていたあの頃に似ていませんか?

そうなんです。私達は締め付けから解放へ向かう時、
彩に満ちた遊びを求めてカルチャーが発芽するんですね。

コロナが私たちにもたらした事はネットの爆発的な発達でした。エンタメは配信がメインになり、服はショップへ行かなくともスマホで買えるようになり、私たち住宅会社の発信の場も折り込みやフリーペーパーじゃなく、SNSやホームページがメインになりました。

結果、ネットがさらに加速度的に発達し、メタバースで繋がり、ヘルス&ウェルネスをスマートウォッチが管理してくれて、AIにより労働時間が削減されつつあるという事です。観光地にもARと組み合わせたアクティビティが色んなところで見られるようになりました。

時代は違えど、我々は戦後の1950年代に似た開放感の中で生活しているという事なんですね。

二極化するオールドアメリカン

と、ここまで「オールドアメリカンについての定義付け」をしてきました。
しかし、現代は多種多様なライフスタイルや考え方がある中で、オールドアメリカン趣向が大きく二極化しています。

それはアクティブにオールドアメリカンを遊ぶ「PLAYER」
特徴は、BBQ、DIY、キャンプなどよりアクティブに遊ぶライフスタイルの人

オールドアメリカンの空気や文化を愛でる
「LOVER」
特徴は、アート、映画、音楽鑑賞、コレクションなどより落ち着いた時間を過ごしたい人

この方達に古き良きではなく、現代の価値観や住宅様式に合うようにコンセプチュアルに届ける事で、日本の住宅にオールドアメリカンという新しいデザインを生み出せれる。

ここまで辿り着いて、PLAYERとLOVERをサンプリングし、やっと住宅デザインに着手していきます。

デザイン考察


デザインを作るにあたって、まず要素となるキーワードを集めました。
#カリフォルニア #オールドアメリカン #ストリート #ファッション #カルチャー#アート#ミッドセンチュリー#都会感#ダイナー #シンプル感(NONDESIGN)

ダイナー

次にこのキーワードから要素となる素材を検討します。
#モルタル #アート #花ブロック #有孔ボード #ネオンサイン #ガレージ #アクセントカラーの階段 (ターコイズブルー)

デザインを決めていく中で、私たちは思い知る事になります。
オールドアメリカンの住宅デザインが定着していないのは、色んなイケてるものが、その時代にありすぎて、めちゃくちゃ難しいからと気付きました。

本当に岩切さんとjoinして良かった。
自分たちだけでしていたら、全部が中途半端なデザインになるところでした。

試行錯誤を繰り返し辿り着いたのは、

•弊社開発の商品NONDESIGNをベースにしよう。

NONDESIGN


•素材はモルタルで仕上げよう。
•古き良き時代のカッコいいアメリカのガソリンスタンドをイメージしよう。
と大枠のデザインを決まりました。

1950年代のGS

ネーミングライツ

今回のコンセプトは
「現代の暮らし方やデザインに編集した全く新しいオールドアメリカンスタイル」

遊び心を中心に暮らしにフィットさせて、新たな自分らしさを見出すライフスタイルを提供したいと思っております。

このコンセプトをこのプロダクト名にしました。
New Old Americanの頭文字をとって、
NOAというネーミングライツです。

NOAロゴ


NOA完成写真

そして、試行錯誤しながら弊社と岩切さんと作り上げたファサードがこちらです。

New Old American ハウス「NOA」

ちょっと格好良すぎですね。笑
自画自賛です。


キーワードは「洗練と遊び」
アメリカを感じさせる爽やかな色合い。
モルタル素材の塗り壁で懐かしくも新しさを演出。
当時のスタンドを思い起こさせるようなガレージ。
そして、何より自然と調和するデザイン。

NOAリビング


リビングにはシンボリックな黄色の階段が存在感を放ち、家具は洗練されたミッドセンチュリー。

NOA吹抜け

吹き抜けを見上げるとまるでギャラリーを思わせるかのようなデザイン。
自然光が入り開放感あるシンプルな空間に ファンション性のあるカラフルなストリートアートや家具が映える空間になってます。

全部見せると楽しみがなくなってしまうので、写真はここまでにしておきますね。

まとめ

私たちはこのオールドアメリカンというコンセプトとデザインを日本の住宅のデザインに浸透させたいと思っております。

日本人のすぐ身近に昔からあり、親しみと憧れを込めている
「オールドアメリカン」

それを現代のライフスタイルに編集した
「New Old American」

気になった方は是非弊社にお問い合わせください。

全国の工務店様も取り扱い可能です。
お客様も工務店の方も▶︎お問い合わせはこちら◀︎

このNOAの全国販売は2024年5月1日から開始いたします。

皆様楽しみにしていてください。

この記事が皆様の家づくりに少しでも参考になれば幸いです。

株式会社HARMONY
山本航聡(やまもとこうそう)

弊社ホームページはこちら

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