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ミスコンは廃止されるべきか

外国人の友達と会話している時に、なんとなくミスコンの話題になりました。そしたらその人が「日本の大学はまだミスコンなんてやってるんだね笑」って言ってきて。なるほど、世界基準で見るとミスコンは時代遅れの産物なんだなと思った次第です。

そこで、今回はミスコンの是非について論じようと思います。


①フェミニズムにおけるミスコン批判
ミスコンはとりわけ、フェミニズムの文脈において批判されてきました。
フェミニズムとは、すげぇ簡単にいうと、女性の権利を男性と平等にしようという考えのことです(こんなことを言うと、お前のフェミニズムの認識は間違っている!という批判が来そう)。
フェミニズムは主にミスコンに対して2つの批判を展開してきました。第一に、女性を「美」という基準、特に容姿の美しさによって序列化するのは女性差別的であるという批判です。簡単に言うと、女性の価値とかを美しさという基準ではかり、そこに優劣をつけるのはおかしいという批判です。
第二に、画一的な美しさしかミスコンは認めない男性中心主義的規範を批判してきました。たとえば、ミスコンは容姿以外にも年齢・人種・障害の有無・配偶者の有無など、一定の条件を満たす女性のみが「美しい」とされる前提があるとされています。つまり、ミスコンで優勝するような女性って大体同じ顔してるし、その美しさの基準そのものが画一的だよねって批判です。

じゃあ、そもそもなんで女性を容姿によって序列化することが悪いの?っていう疑問が生まれます。この問いに応答すると、いやそれは環境型セクハラだからだよってなります。
環境型セクハラとは、性的な言動、図面、文章等の定時によって、屈辱感や不快感を抱かせるような環境を醸成し、その結果個人の尊厳を傷つけることと定義されます。たとえば、性的な絵とかが教室に飾ってあって、ある人がそれに不快感を感じ、その不快感によって尊厳を傷つけられることがありますよね。これが環境型セクハラです。

じゃあミスコンってほんとに環境型セクハラに当たるの?って問題が出てきます。
〇〇大学で一番美しい女性を決めるってなった時に、女性の価値を美しさに還元するジェンダー規範を再生産することになるかもしれません。つまり、女性の価値は美しいかそうでないかで決まるみたいな空気を作るかもしれません。「私は美しさによって評価されたくない」という学生は、不快感を示すことになるでしょう。ただここはちょっと微妙かも。
ただ、少なくとも女性を容姿によって価値づけるみたいな規範は再生産されるかもしれません。

②考えられる反論を再反論する。
考えられる反論としては、いやいやミスターコンもあるやんみたいな反論ですよね。
これに関しては、ミスコンとミスターコンは全然違うと再反論できます。
女性が美しくあることを求められる規範っていうのは、今も続いているとフェミニストは言います。かつては、女性は家の中で家事をすることがメインでした。しかしながら、女性が社会に進出していって男性で同じ職場で働くようになると、美しくあることが求められるようになりました。たとえば、美人すぎる〇〇とかまさにそうですよね。美人すぎる警察官とかそういうの。男性はイケメンすぎる警察官とかって言われないのに、女性だけ美人すぎる〇〇って言われるみたいな。これって男性は仕事ができるかできないかだけで評価されるのに、女性はそれプラス美しさでも評価されるってことですよね。
つまり、ミスターコンっていうのは、その場限りの美の序列化なんです。日常ではそんなの大事にされていない。でも、ミスコンっていうのは日常的な序列化をさらに再生産しているって言えるわけです。だって日常的にも女性は美しさっていう価値ではかられてるもん。
したがって、ミスターコンもあるやんって反論は多分うまくいかないっす。

あとは最近のミスコンは性格とかも重要視されているよっていう人いるけど、でもそれって美しさがあった上での性格であって、そもそも最優先されるのは美しさやんけって再反論されます。

ただ、近頃はミスコンって実は女性のエンパワーメントに一役買っているのでは?みたいな話もあるので、どうしてもミスコン擁護したい人は調べてみるといいかも。

まぁ、多分ミスコンについては最初にあげた友達の発言こそが的を射ているのかもしれませんね。世界的な流れとして、そもそも人を外見とかで評価すべきでないし、それが女性の性差別とかに関わっているのなら尚更みたいなのがあるのは事実です。日本の差別意識が低いのも問題なのかもしれません。むずいっすね。

今回参考にした論文は以下です。

米倉梨恵, 2019:「現代日本のセクシズム・ルッキズムについての考察: 大学におけるミスコンを起点として」, 『平成30年度学部生による自主研究奨励事業研究成果報告書』.

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