進化心理学と学び

「学ぶ」ことは幸せにつながるということが進化心理学的にもいえるという話

何かを学ぶことを常日頃からしていますか?

私のブログを見ている人の多くは、学びたいという意欲が強い方々だと思いますが、それは「進化心理学」的にも幸福につながる良い感覚だとされています。

もちろん、学び続けることにはいろいろなメリットがあるわけですが、今回は以下の本を参考に

・学びは「進化心理学的」にも大切であること
・そもそも進化心理学とは

について話していきたいと思います。

幸せって

あなたにとって人生の指針にしているものは何でしょうか?

唐突にこんな質問から始めてみましたが、私にとっての人生の指針は「幸せになること」です。

その理由は単純で、人生楽しいほうがいいじゃないか、という感じなのですが、じゃあ幸せって何? と考えると、結構難しくて、一見幸せになりそうなことでも実際には不幸せにつながっていたりします。

例えば、犯罪をして大金を稼いでも幸せになることはなかなか難しいでしょう。

また、一日中ベッドでごろごろとした生活をしていても、最初は幸せな気持ちでも、長期的にそれを続けられる人は少ないでしょう。

このように、今求めているものが直接的に幸せをもたらしてくれるとは限らないので、何が幸せをもたらしてくれるかは、人から聞いたり、しっかりと考えたり、実験してみたり、学んでいかなければなかなか知ることはできないわけです。

「人」という種の一生に対する農耕時代はまだ新人の中の新人

そこでそんな一癖ある「幸せ」を理解するために、例えばそもそも人間という種がどんなふうに進化してきたのかを知るというのは、有効な手段でしょう。

それは例えば、プログラミングをもっとできるようになるためにPCの仕組みについて調べたり、テスト勉強のために基礎を固めるのに似ているかもしれません。

仕組みがわかれば応用もしやすいですからね。

ということで人間がどんなふうに今の姿になったのか……というのを調べていくと

約600万年(諸説あり)狩猟生活
→約1万年間の農耕生活
→数百年前くらいの産業革命
→ここ数十年のインターネットの登場

というような流れ出になります(めちゃくちゃざっくりですが)。

こう見ると、狩猟生活がいかに長く、今のような生活が始まったのがいかに最近かがわかるかと思います。よくあるやりかたですが、狩猟生活を100年としたときの比較をしてみましょう。

狩猟生活:100年(600万年で計算)
農耕生活:2ヶ月(1万年で計算)
産業革命:1.5日(240年で計算)
インターネット:4時間(約25年で計算)

ということで、狩猟生活をやめたのは歴史的に見ると本当に最近のことで、まだ人間という種は今の職業(インターネットを使うもの)になれるどころか、いまだに最初の職業(狩猟)のやり方を引きずっている状況といえるでしょう。

ですので、狩猟生活時代において「幸せ」だったことが、もちろん今も幸せに感じることは多く、そしてこのようなアプローチで人間の心理を探求するのが「進化心理学」なのです。

幸せとは餌

ということで、狩猟時代などに培ってきた身体的、精神的な色々を、そんな短い期間の間に変えられるはずもないので、何百万年と過ごしたその時代について考えれば、現代の人間についても様々なことがわかるわけです。

例えば、浮気症な男がいい、という女性はそんなにいないと思いますが、一方でそういった男性がなんだかんだ子孫を残すことができたので、現代でも「浮気」という文化が残っているとも言えます。

また、女性の方も、家を守ってくれる、という意味での優しいパートナーと、能力が高く優秀そうである人とは必ずしも一致しないので、実は他の人との子供なのにあたかもパートナーとの子供である…と見せかけることは、DNA鑑定ができるようになった今では減ったかもしれませんが、結構あった話のようです。

このように、理性的に求めているものと、本能的に求めているものの違いなども、進化の過程を見たり、狩猟時代の生活を考えると見えてきたりします。

そしてそのように考えると、今回のテーマの一つである「幸せ」とは、「狩猟時代に得られると生き残ることができたものに対する餌」、みたいなものだと考えることができます。

幸せを感じるならそれを求めるわけで、そういう趣向を持つ人が生き残った結果が現代の人間なのですから。

ですので、狩猟時代には貴重だった「甘いもの」には強烈な幸福を得ることができますし、子孫を残すことができる性行為にも快感を得るというわけです。

学びは幸せ?

最後に「学び」について考えていきましょう。

人間がここまで繁栄したのは、「好奇心」によるものでしょう。

不思議なものがあったらとりあえず試したり、使ってみたりする。その飽くなき探究心が、他の動物がほとんど用いない「道具」を手にするきっかけになったり、その他一見危ない「火」なんかを扱うきっかけになったりしたわけです。

ですので、人は好奇心が満たされたとき、なにか新しいことを知ったときに幸福感を得るようにできています。その幸福感が餌なわけです。

その他にも、人間は「社会性」を大切にするようにできています。

社会性がなければ、群れから追放されてしまい、一人になった無力な人間は生き残ることができなかったでしょう。

そして、学ぶことで得た技術は、この社会性に貢献してくれます。

例えば、他人に認められるようになったり、誰かの役に立つことができるからです。

また、自分が「成長している」という感覚も同様です。

成長は生き残るために必要だからです。

他にも理由は考えられますが

・好奇心
・社会性
・成長

という3つの観点から、「学び」は人間にとって大きな幸福につながる要素になるわけです。

ただ、逆にこの3つを満たすための「学び」なので、これらを欠いた学びはあまり幸福に繋がりません。

ですので、何かを学びたいと思ったら、これらのことを意識すれば、学ぶことがより楽しくなれるかもしれません。

ということで、これからもどんどん色々なことを学んで、狩猟時代に培われた報酬系をハックしていきましょう。

参考書籍

ps

このブログでは、色々な本を読んで得た知識について書いています。

そんなに文量もないので、もしさらっと知識を得たいと思ったら、もしよければ他の投稿も見てみてくださいm(_ _)m

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