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表現力を鍛えるために、小説を読むことは非効率的なの?

Twitter(X)のライター界隈で少し話題になった投稿がある。

表現力を磨くために小説を読むのは効率が悪い。

といったもの。この投稿は、効率は悪いけれども意味がないとは言っていないので、そこは誤解なきように。

ここでは、表現力を磨くことについての私なりの考えをまとめてみたいと思う。人にはいろいろな考え方があることを受け入れた上で、自分の考えを書いているので、決して誰かの考え方を否定したいわけではないことはご理解を。

効率は悪いかもしれないが、ムダではない

小説を読むのは、いわゆる文章力に関するノウハウ本やビジネス書を読むよりも時間がかかる。すぐにインプットできるものでもない。”効率”という括りで考えたら、効率は良くない。むしろ悪い部類に入る。

効率良く学ぶなら、特定のジャンルの専門書を読んだほうがいい。専門書や記事を読めば、そのジャンルの表現力が鍛えられていくからだ。

一方、小説は「学ぶ」ために読むわけではないから、表現をインプットできた!という実感は湧きにくいだろう。

ただ、効率を抜きにすればムダではないし、表現力を育むためには重要な要素だと思っている。私のなかでは、小説を読むことは表現力の「貯金」だ。

小説のなかにあった表現は、すぐに活用できるわけではないかもしれない。けれども、心に響いた文章を貯めていけば、いずれ必要になったときに役に立つ。いつでも引き出せて、しかも自分にしっかり落とし込んだ表現として書ける。

小説を読んだときは理解できなかったことが、年齢を重ねていくうちに「そういうことだったのか!」「今ならわかる!」と感じたことがある人も多いのではないだろうか。
でも、それは小説を読んでいたからこそ湧き上がる感情であり思考である。読んでいなければ、なにも生まれてこないし、コツコツと表現を貯めることもできない。

そんなに急いでどこへ行きたいのか?

昭和時代にこんな交通安全の標語があった。

せまい日本、そんなに急いでどこへ行く

今も昔も同じ。
ちょっとくらい時間がかかったって、ちょっとくらい回り道したっていいじゃない。そこから得られるものは決してムダにはならないだろう。むしろ、人生において貴重な財産になるのではないか。

小説を読むことは、そういうことだと思う。若い頃は、そんな意識で読んでいたわけではないけれどね(笑)

効率重視で、コスパやタイパという言葉が世の中に蔓延している。でも、本当にコスパやタイパだけを追い求めてもいいのだろうか?

ムダのなかにも大切なことはあるし、時間をかけてやることに価値があることも多い。

生き急いでばかりいないで、一度立ち止まって自分を俯瞰してみるのもいいんじゃないかなと、最近の傾向を見て感じている。

ときには回り道もしてみよう

だからといって、効率を求めることが悪いわけではない。私だって、家事や執筆は効率良く進めたいと少なからず思っている。

ただ、突っ走り続けたら、いつか倒れるときが来るかもしれない。効率や稼ぐことを目的にするあまりに倒れた経験から私が学んだのは、ときには休み、回り道しながらも、全力で走るときに走ればいいということ。
そうやって、自分と向き合ってコントロールしていく。もちろん自分を甘やかすこととは別物である。
それが何事においても継続力につながっていくのではないかと思っている。

だから、たまにでもいいから小説を読んでみてほしい。なにも小説に限らない。エッセイでも漫画でもいいし、映画でもいい。感情を揺さぶられ、考えさせられる経験が大切だと思うから。


こちらのnoteでも小説を読むことをおすすめしているので、よかったら読んでみてください。


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