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目的なき活動はただの時間つぶし。〜放課後デイのレクレーション

2022.12.21 音声配信より
Nottaを活用して文字起こし。

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本日は、よく放課後等デイサービスで行われているレクレーション。
そして、その効果について考えてみたいと思います。

例えば、私が勤務していた放課後等デイサービスでは
クッキング、あとはお出かけレク、公園やボーリングに行ったり
あとは、ハンバーガー店やファミリーレストランに
ご飯をみんなで食べに行くだとか。
そういう余暇活動プラス地域に出ていくっていうこともあるんでしょうね。

様々なリクレーション。それはどんな狙いがあって
お子さんにどんな影響をもたらすのかな?
というのを考えてみる!のが今回のテーマです。

目的なき活動はただの時間つぶし

私は何度も「目的のない活動はただの時間つぶしだ」と
時に怒りを込めて申し上げていますが、後悔してません。

というのは、本当にただ「出かけました」とか
何か「楽しいことをやりました」っていうのが…
それが療育機関で活動することにどんな意義があるか
考えていない現場も非常に多いと感じます。行事計画が浅いというか。

それは家庭でもできることじゃないか?と自らに問うこと。

わざわざそれを療育機関で、家でもできることをやって
それ何の意味があるんだろう?っていうふうに
思われる方もいらっしゃると思うんですね。

家庭を支える役割、療育施設としての役割


公園で出かけて遊ばせるとか、どこそこに行くとかっていうのが
別にそれ家でもできんじゃん⁉︎って思うんですけれども
必要性のひとつは家庭事情が様々であるということがあります。

例えば、親御さんはいらっしゃるけれどもお仕事で忙しい。
週末お仕事があったりもすると、週末に家族で「どっかお出かけしようか」
っていうことが当たり前でないということもありますし
おじいちゃんおばあちゃんが養育者であって
なかなか、アクティブに遊ぶ。子供らしい遊びをする。
そういうのがなかなか日常的に難しいというお子さんもいます。
そしてシングルマザーやシングルファザーのご家庭ですと
特にそれが難しくなったり。
あとは兄弟事情ですね。

ちっちゃい妹ちっちゃい弟がいるとか
兄弟も発達のでこぼこを抱えていらっしゃるというご家庭も少なくないので
そうすると、家族だけで、兄弟と一緒に出かけるっていうことが難しい。
お子さんの安全確保もしながら、例えばパパママで。ママだけで。
じいじばあばと孫だけで。お出かけするっていうことに
危険性が伴うということも十分に考えられますので。

家族だけで気兼ねなくお出かけするっていうことが、
発達障害またはそれ以外の障害を持ったお子さんをお持ちのご家庭ですと
それが普通じゃんっていうその普通が、なかなか叶わない。
ということもありますので、
そういう療育機関で保育士さん、教員免許を持った方、児童指導員と言われる方々に安全配慮をしてもらいながら、そしてお子さん同士で遊びに行くことに意味が見出せる、ということもあるかと思います。

それに加えて、夏休み冬休みなど長期休みは
特にそういう機会を十分に設けていますが
そういったお出かけをしたり、体を使って遊んだり
そういった健全な子供らしい遊びを十分にするということで、
精神的な安定に繋がったり、心と体の成長を促したり、思い出作りになったり
っていうそういうシンプルな目的もあるかなと感じています。

大切なのはその目的意識を療育者が十分に理解して、共有することですよね。
一部のスタッフだけが理解していても意味がない。
少なくとも私はそういう意義目的の共有を
正社員さん発信で聞いたことはなかったし(質問することはあったが)
経験を積む中であれこれ疑問に思いながら活動していました。
今、自分の中ではこういう結論になったというだけで。

集団行動に慣れること

もう一つの大きな目的は
発達障害児のお子さん多数お出かけするとよくわかるんですが、
集団行動に慣れるための練習という要素は、大きいかと思います。

順番を守るとか、迷子にならないでみんなで過ごすっていう協調性ですよね。
周りを見て動く、っていうことがなかなか難しいお子さんたちばかりなので
人数が多すぎると余計にそれが統制が取れないっていうことになります。
放課後デイのお出かけは多くても8人から10人ぐらい。
少なければ4、5人ぐらいで遊びに行くことができますので
そこにスタッフもついてということになりますと、
見知ったスタッフ、見知った子供たちでお出かけするということになります。

いろんな年代のお子さんたちがいらっしゃるので
この子と一緒に行こうね、とかこのスタッフさんとのそばにいてね、
っていうふうにしながら行動するのですが。
本当に、喧嘩やトラブルが絶えないんですよ、この現場はね。

なので例えば、車に乗る順番や、どの席に座るかっていうことのこだわりで
出発前に一悶着あったりとか、
博物館とか美術館に行きますよっていうときには
「ここからは静かにしようね」とか「歩いて見ましょうね」って事前に約束して。
このお子さんにはマンツーマンでスタッフをつけた方がいいな、というケースや
小さいグループを作って、
ここはマイペースなグループ、ここはちょっとあっちこっち回りたいグループ
っていうふうに行動する集団をちっちゃくちっちゃくしておいて
スタッフさんをどういう配置にするかっていうことに関しても
行事計画の中でスタッフさんが結構入念に打ち合わせをして
決めて対応している場合も多くあります。

そこのノウハウは、やはり保育士さんとか、教員免許を持った方々、やはりそのお子さんの集団をどう扱うかということに慣れていらっしゃるプロなので、そこはかなわないなというふうに思って、あの指示通り私は動くだけという感じですね。

ボーリングのレクレーションの目的

ボーリングに行きましたっていうレクリエーションがあったとき
私は参加できなかったんですが、写真を見たら、
その活動の様子がすごくあの楽しそうな感じだったんですよ。
ボーリングのレクレーションに初めてトライした時だったと思います。

コロナもあって、でもお出かけしたいなっていうことで。
予約をし、靴を借りてボールを借りて、いろんな準備段階があって。
チーム分けをして、絶対勝ち負けが生じる遊びなので
いろんなことは想定されたんだけれども
とあるスタッフさんがやってみたいと思って企画されたんですよね。

「とっても楽しそうでしたね!ボーリング!!」って
企画されたスタッフさんにお伝えすると、
順番を守る。っていうルールもあるし、
「このボールは重たいものだからソーっと持とう」とか、
「ボールが重たいから、自分の足に当たっても痛いし、相手に投げつけたりしたら痛いし、借りてるものだから大切に使おうね」っていうふうに伝えながら。
勝ち負けがあったとしても、自分が一生懸命投げたから楽しかったっていうふうに
自分で自分を褒めてあげるっていう経験とか、
みんなお疲れ様楽しかったねってお互いを称え合ったり。

そんな、心を育てる活動になったんだ、って話を聞いて
なるほどそういう狙いがあったのかっていうことを感じて。
ただ楽しくボーリング場に行って、ボーリングしてきましたっていうだけではなく
その中にどんな目的があって、どんなことができたということは
このお子さんにとってこういう経験になるんだな。
こういうことが素敵な褒めポイントだったのだな。というのが感じられて
なるほど!そういうことか。と納得した!というようなことがありました。


クッキングのレクレーション


クッキングのレクレーションに関しても同じようなことが言えまして。
ケーキを作るレクレーションで
その時はね、みんなマスク嫌がる子もマスクしますし、
道具が全員分そろっていなかったら「◯◯さんが使ったら、次はあなたが使おうね」と
順番を守ることが必要だったり
「ホットプレートは暑いから触りません」とか「焼けるまで待とうね」っていう約束をすることとか。
そういうのって一つ一つが協調性とか、状況判断っていうものに繋がっていて。
すごくね、いい取り組みだなというふうに思います。
時には、「私がホットケーキひっくり返すから、あなたはこのお皿を準備する人」とか、「トッピングのバナナを切る人」と役割を与えて、
みんなで協力して一つのものを作り上げるっていうこともできますし。
なのでお子さんたちと料理をするとか、一緒に何かを作り上げるていうような活動もとてもいい取り組みなのではないでしょうか?と思いませんか?

だから、目的なき活動はただの時間つぶし

目的を持った活動は療育的にもなるし、
こういう目的でこの活動をしているという考えがこの頭の中にあれば、
これができてすごいねとか、「まっていてくれて、ありがとう!」とか
お子さんを褒めるポイントが見つけやすくなる。

「こういうところができたのが、とてもかっこよかったよ、素晴らしかったよ」
って具体的に褒めることができますね。

そうすると褒められた。嬉しい。また頑張ろうっていうふうに
承認欲求だったり、自己実現欲求
やる気が出る!って部分に繋がっていくのかなと思います。

そういった一つ一つの豊かな経験がお子さんの心も育てるし
言葉も育てていくということになるのかなと思いますので
いろんな場所に出かけて下ったり、活動だったり、創作活動などを
やるのはいいです。

が、そこにどんな目的があるのかな?
というのをもう少し療育する方、支援する方というのは
十分に考える必要があるかなと強く思っています。

自分への戒め、反省こういうことを気をつけ続けようという自戒の念も込めて
本日はお送りしました。

ぜひ、コメントやフォロー、いいねなどもお待ちしております。
また次回お会いしましょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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