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勝手に違いながら生きる

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2017年9月の記事一覧

スタッフの妊娠報告に焦ったし、焦った自分を恥ずかしく思った。

スタッフの妊娠報告に焦ったし、焦った自分を恥ずかしく思った。

今年4月のある日、突然スタッフの女の子から「少し話がしたい」と呼び出された。
このように呼び出される時は決まって仕事のお悩み相談なので、いつも、恐らくここらへんの話が出てくるだろう…とある程度話す準備をしてからカフェに向かうのだ。

入ったばかりだし仕事ができる子だったので、転職の話が出ないといいなぁと心のどこかで思いつつ、そんな心配の斜め上行く言葉を彼女から聞いた。

「今朝、産婦人科に行ったら

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「『知らない』は社会の責任だ -保毛尾田保毛男の一件に関して-」

「『知らない』は社会の責任だ -保毛尾田保毛男の一件に関して-」

「ごめんね、知らなかったのよ」

30歳の時、母から言われた。
清く、正しくを絵に書いたような母は、セクシュアル・マイノリティの存在を長年「いけないこと」と思っていた。
14歳の冬、そんな母に意を決してカミングアウトしたら

「頭がおかしいから病院に行きなさい。」

母は目も合わせてくれなかった。
僕には絶望しかなかった。

でも、そんな母も知ることによって変わってくれた。
知ることで、人も社

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おれが誰かのことをそう思っているとき、おれもまた誰かからそう思われている。

おれが誰かのことをそう思っているとき、おれもまた誰かからそう思われている。

お前が深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗いているのだ。

いろんなところで引用される、ニーチェさんのことばです。面倒くさい男の常として、若き日のぼくもやっぱりこのひとの本はたくさん読んできました。そのつど震えてみたり、震えたつもりになったり、それでまたどこかで引用してみたくなったり、面倒くさい男のもろもろをひと通り経験してきたように思います。

いまではもう彼の著作を読み返す機会も激減し、読んだと

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