この生きにくい世界6

僕は中学2年になり学校も転校し、また父と母と暮らすことになりました。
毎日ご飯を食べさせてもらえなかったので、いつもスーパーやコンビニで盗んで食べてました。
言い訳をするわけではありませんが、お金も貰えず頼る人も頼り方もわからなかったからです。
この方法しか僕は生き延びる方法を知りませんでした。

この頃になると僕はバイクに興味が出てきます。
でも中学二年生に売ってくれるわけはないので、夜中に盗んで友達と乗っていました。
初めの頃は原付に乗っていましたがすぐに乗れたので、次は単車を盗んでみました。
でも単車はギアチェンジやらクラッチやらでなかなか乗れず苦労しました。
乗れるようになった時は感動しました。嫌なことを忘れるくらい気持ちが良かったからです。

学校生活は昼に登校して、ご飯を食べたら一服し、保健室で寝て、帰りには廃工場に友達とたまって喋って帰るというのが大体の流れでした。
中学校対抗の音楽会みたいな行事の時は別の学校のやつと喧嘩になったりしました。
僕は喧嘩が強いとかには興味がなかったのですが、髪を染めていたり、違反制服を着ていたりすると目につくのか、絡まれてしまいます。
だけど服装や外見は自分が好きなので変える気はありませんでした。
後は自分の学校のおとなしそうな人に絡んだりしてる奴には制裁を加えていました。
何もしていない人を痛めつけるのは何だか胸糞が悪かったからです。

父と母は相変わらずよく喧嘩をしていましたし、母は酒の飲み過ぎなのか父の暴力が原因なのかわかりませんが頭おかしくなっていました。
独りでだれかと喋っていたり、僕が寝ているといきなり包丁で刺してきて泣き出したり。
狂っていたんだと思います。
僕は母に殺されそうになったのをきっかけに、母がやっているお店の従業員のおねーさんの家へ住み込みます。

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