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勉強になった記事(よそ様が書かれたもの)

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よそ様が書かれた勉強になった記事
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記事一覧

おなかを冷やしてはいけない、とは限らない話

 万人に共通する健康法は在りません。  それは体質や体調が千差万別だからです。  東洋医学的な視点から、体質と体調と健康法と治療法について、数学的に簡略化して考えましょう。  座標空間のゼロ点を「健康」と定義すると、 ①「体質」とはゼロ点から何処かへ遠ざかろうとするベクトルV(x, y, z)のことです。 ②「体調」とは現在地点の座標(a, b, c)です。 ③「体調」と「体質」の差は「病邪」のベクトルV' と考えます。病邪は複数あることも多く、V'1、V'2、V

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インド民の代表的言い訳とその対応 ①

インド民はとにかく何かにつけて「言い訳」を唱えてくる。まず、インドに着任してイライラするのはこのインド民のコミュニケーションモードである。これはインド民の自己防衛本能の一種であるが、実際に部下や取引相手として対峙した場合にはなかなか手ごわい。その結果、彼らとの議論が面倒臭くなり、適当にやり過ごし、こちらが相手の主張を飲み込んでしまった場合、インド民は、「やはり俺が正しかった」と本気で思いこむ。よって、議論や責任を有耶無耶にすることは、長期的に見れば相互に誤解を生むことになり、

自責で考えるとむしろ楽になる

あらゆる問題は自分が引き起こしている、と「試しに」考えてみる「さっきから部下の課題ばかり議論しているけど、一度自分たちの課題も議論してみたらどうかな?」。メンターからかけてもらったこの短い言葉は、リーダーシップの本を何十冊読むより学びになり、その後ビジネスのいろいろな局面で私を救ってくれました。まさに私の人生を変えてくれた一言です。 その時私たちは、新設組織の運営についてアドバイスをもらうため、幹部数名でそのメンターのオフィスを訪れていました。メンターの名前を仮にAさんとし

「利己的遺伝子」の誤解を招かない使い方

本記事を修正・加筆した記事が、以下の新書の第3章に収録されています。 「利己的遺伝子」とは「恋をするのも、争うのもすべては遺伝子の思惑通り?」これは2022年科学道100冊に選ばれたリチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」(1)の紹介のタイトルである。このような表現は、生物のあらゆる性質は遺伝子にとって有利に進化した結果である、ということを示唆したものだ。あまりにも表現が「俗っぽい」ので、うさんくさい、と思う人もいれば、深い理屈は考えずに、そうかもしれないと思う人もいるか

ストーリーテラーが人類社会を支配する ─ 物語がサピエンスの脳をハックする #Fictus ⑵|進化心理マガジン「HUMATRIX」

# 物語の語り部 J. ゴットシャルは、1947年に撮影され『ライフ』誌に発表されて反響を呼んだ、コイサン族のストーリーテラー(=物語の語り部)の写真を上げる。 語り部/ストーリーテラーは、大きな身振り手振りをつかって物語を語る。周囲の皆は聞き手役となって、臨場感のある言葉によって繰り広げられる物語に没入する。 ストーリーテラーが語るのは、なんらかの教訓のある物語だ。その物語はたいてい〝集団の団結〟と〝部族の繁栄〟を讃えるような筋書きにまとめられている。 物語に登場す

人はなぜ宗教を信じるように進化したのか

なぜこんなにも多くの人が宗教や超自然的存在を信じているのだろうか 正月、近所の神社に行くと、厄年を迎える人の生まれた年が大きく看板に書かれている。私は、宗教や神の存在は全く信じていないが、看板に書かれた年が自分の生年と一致していると、何の根拠もなく今年は病気に気をつけようとか、お守りぐらい買っておこうか、などと一瞬考えてしまう。これは、人を宗教にひきつける、人間の心理をついた「うまいやり方」である。将来への得体の知れない不安に対して、超自然的なものに頼ろうとする人間のもつ心

インタープリター:左脳の後づけ解釈装置の"お喋り"をまともに取り合う価値はあるか # INTP ⑵ |エボサイマガジン

前回はこちら: サピエンスは「わけ」を知らない。進化だけが「わけ」を知っている # INTP⑴|エボサイマガジン #脳は無意識のうちに行動を成し遂げる ────インタープリターについて理解するにはまず、

炎の動物〜ザ・クリーチャー・オブ・フレイム〜 #Flame Ⅰ|進化心理マガジン「HUMATRIX」

▲ ダン‪·‬ブラウンのフィクション小説『天使と悪魔』にでてくる「火/Fire」のアンビグラム(天地逆さまにしても同じ模様になる)。「火」は、他の種にとってはそうでは無くとも、人類にとってはけっして欠かせないエレメントだ。 * * * # 焚き火を囲む種人類が火を使いはじめたのはおよそ180万年前のホモ・エレクトスの時代だったと推定されている。 すべての動物が恐怖し、怯え、逃げ惑う「火」を、唯一味方につけた種が人類だった。人類は火を手なづけることで、生物界において頂点捕

【25】男女分業社会、北欧 「やりたいこと」の性差(3)

職業選択の男女差 前回と前々回では、なぜSTEM(日本で言う「理工系」)と呼ばれる分野には男性が多く女性が少ないのかを考えた。そして、この偏りは究極的には「(平均して)男性は『物』も含めた『無生物』全般にかかわることに惹かれ、女性は『人』も含めた『生物』全般にかかわることに惹かれる傾向がある」という「興味の性差」によってもたらされているのではないか、と結論づけた。今回からは、STEM系か否かに限らず職業選択全般においての男女差について考えてみたい。  世の中には男性の従事者

ジェンダーギャップ指数:アイスランド12年連続1位の強さの秘密に迫る

はじめに ジェンダーギャップ指数レポート2021年版の発表されました。まずはアイスランド12年連続の1位獲得おめでとうございます。 これまでのnoteでは主になぜ日本の順位が低迷しているのか?の視点からジェンダーギャップ指数の算出方式の誤謬や瑕疵について論考して参りましたが、今回は12年連続で1位に君臨するアイスランドの強さの秘密はどこにあるのか?と言う視点からジェンダーギャップ指数をさらに掘り下げます。 アイスランドを含め、ジェンダーギャップ指数で毎年上位を独占する北欧

「種の保存のための進化」はどこが誤りなのか

本記事を修正・加筆した記事が、以下の新書の第3章に収録されています。 レミングの集団自殺? レミングとは、主にツンドラ地域に生息するネズミの仲間で、3年から4年周期で個体数が急激に増減することが知られている。特に、レミングイヤーと呼ばれる年には、その数は激増し、集団移動をすることがある。この集団移動の時に、多くの個体が海に飛び込み「集団自殺」をするという"迷信"が広まった。この迷信の原因の一つが、1958年に制作された「白い荒野」というディズニーの映画である(ムービー1)

リスクに戸惑うサル。───人間はニュースで報道される「ドレッド‪·‬リスク」に過剰反応し過ぎている #RisK Ⅰ|進化心理マガジン「HUMATRIX」

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ファンクション:生物学的システムには「機能」がある #funct ⑴|エボサイマガジン

“ 人体の美しさとは、目的を果たさない筋肉が一つもないこと、無駄な腺が一つもないこと、細部まで一つのアイデアにフィットしていること、つまり、人が生きるということに合致していることだ。“ ───アインランド『水源』 * * * # 生物学者は〈機能〉を調べる 17世紀、英国の解剖学者で医師のウィリアムハーヴェイは著書『De motu cordis/邦題: 動物の心臓ならびに血液の運動に関する解剖学的研究』(1626) において、心臓の〈機能〉とは血液を全身に巡らせる

【10】美人を決めるのは文化か本能か(後編)

なかなか反例が見当たらない〔前回の続き〕   たしかに世界中どこの国でも、役者やモデルなど、それぞれの人種や民族ごとの美しさ・格好良さを代表している人たちの顔は、輪郭も、目や鼻や口の形・大きさや位置関係も、だいたいその集団内での平均的な範囲におさまっているように思える(各パーツが大き過ぎず小さ過ぎず、位置が離れ過ぎず近過ぎずというように)。その上で完全な平均値からはわずかに外れていることが、彼らの顔に個性をもたらしているように思える。 以下のサイトを見ていただきたい。