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散文┃3amのミュージックサーフィン

インターネットで情報を漁ることを「ネットサーフィン」って言うでしょ。そこからストリーミングサービスで音楽を漁ることを勝手に「ミュージックサーフィン」と呼んでいます。


私は普段アップルミュージックで自作のプレイリストを繰り返し聴いているのですが、たまに新しい曲を聴きたくなると徐ろにミュージックサーフィンを始めます。それも大体眠れない深夜に布団の中で。こういう何となくエモいことする時間は相場3時なんですよ(?)。


アップルミュージックは親切なことにアーティストページを一番下までスクロールすると「似たアーティスト」をずらっとおすすめしてくれるので、その中から気になるアーティストを選んで芋蔓式に好みの音楽を見つけていきます。もちろんいいなと思った曲は忘れないようにプレイリストに追加します。

このやって基本的には「波に身を任せる」方法で莫大な音楽データの海を漂っているのですが、稀に「ある一曲」を探す目的で始めることがあります。


店内で流れていた。誰かが口ずさんでいた。どこで聴いた分からないけどメロディーだけ覚えている。そんな「あれなんて曲?」問題ってあるじゃないですか。

今はシャザムなど画期的な音楽検索ツールのおかげで街中の音楽ぐらい簡単に特定できてしまうのは言うまでもないかもしれませんが、最近までそれらの存在を知らなかった私はよく頭の中で旋回するタイトルの分からない曲にムズムズさせられていました。


そこで断片的に覚えているメロディーや歌詞を頼りにミュージックサーフィンをしてみると、運よく見つけられることがあるんですよね。もしくはほとんど奇跡的に偶然その曲に辿り着くなんてことも。

今回はそんな例で見つけた音楽たちを少し紹介させてくださいな。



最初はSuchmosの「STAY TUNE」でした。あの車のCMで一躍有名な曲ですが、当時アップルミュージックはおろかスマホすら持っていなかった私は、3DSで見れたYouTubeで「トヨタ CM 曲」とかって検索してこの曲に辿り着きました。CMを見れたのは1回だけだったけど、第一印象で衝撃を受けたのを覚えています。今では一番好きなバンドなのでいい思い出です。


次にBellerucheというイギリスバンドの「Minor Swing」という曲。子供の頃親の車で聴いた曲を大人になってからふと思い出したりすることってあると思うんですが、この曲が私にとっての一例でした。イントロのメロディーとサビの数単語がどうも頭から離れないので根気強く探していたら、ある日パッと出会うことができたんです。その時の快感と言ったら。


そしてこれはつい最近の話ですが、吉祥寺のとある文房具屋さんで聞いた曲がずっと引っかかっていました。

ビルの2階にある小ぢんまりとしたお店で、そこで流れていた曲が店内の落ち着いた雰囲気とマッチしていていいなあと思ったのですが、検索する術がなかった私はとりあえず聞き取った歌詞をメモしておきました。ボーカルがキリンジっぽいなと思いつつ、ついでに次の曲も聴いてみると「エイリアンズ」が流れたのでこれはさっきの曲も見つけられるぞ心の中でガッツポーズ。今思うと店員さんに聞けば早かったんですが、流石にそんな勇気もなく。

家に帰って早速キリンジと歌詞で検索してみたのですが、これがさっぱりヒットしません。しょうがなくアップルミュージック上のキリンジ全曲を聴いてみても見つからず。なんか掴みかけたところで突き放されたようでモヤモヤした気持ちになったままその日は諦めました。

もどかしさも忘れかけた頃。また深夜にミュージックサーフィンを始めると、TENDREというアーティストに辿り着き、それがきっかけで思いがけずあの曲と再開することとなりました。「強く優しく+ TENDRE」という堀込康之(キリンジ元メンバー)の曲でした。なるほど、ソロの曲だったのね。これも解決してすっきり。



今はシャザムに頼っていますが、こんな感じで自分で探す過程を辿った曲たちにはなんだか愛着が湧いていいなと思ったりもします。ミュージックサーフィンで集められたプレイリストは曲数が増える度に重みが増していって、いつしか私だけの宝箱みたいなものになっているのです。

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