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おでんの日々

本格的に寒くなってきた。
秋から始まる寒い季節はニットやアウターやウールのチェックのキルト(巻き)スカート、編上げのブーツ…私の好きなお洋服が着れるので好きだ。

しかしどんなにあったかいお洋服に包まれても体は冷えてしまう。さむいさむいと言いながら毎日おでんを食べている。
おでん。歳をとるごとに好き度が増していく。

昔はさほど興味なかった、むしろ実を言うとあんまり好きじゃなかった。のに、月日を重ねて実力を理解し和解したお料理だ。

私の場合は具体的に言うと、豆関係、カレー、おでん。
子供の頃からカレーとおでんは母親が一番でかい寸胴に大量に作り、無くなるまで食べ続ける修行のようなイベントが月に数回あったので見たくないと思っていたかもしれない。
味は嫌いじゃないんだけど……
食事のたびに登場し自己主張が激しくねちっこく口説いてくるのがカレー。
悪いやつじゃないけど話しかけてもはっきりしない返事ばかりで退屈なのにずっと横にいてこちらの様子をチラチラ伺ってるがおでん。
豆は…なんで君そこにいるの?的な存在。

昔の自分的にはこんな感じだったのに、今では大好きトリオだ。ちょっと毛嫌いしていたけど、腹割ってみたらめちゃくちゃいいやつじゃん!とか、退屈と思ってたけど思いやりに溢れていて無口も気にならなくなり、しかも意外と酒の席でいい仕事をしてくれる、とか。
なんでいるの?とか思ってたけど君はめちゃくちゃ頼りになる存在だった!いてくれてありがとう!豆!

みたいな状態です。食の好みは変わると言うけれど、変わるというより良さを理解して楽しくお付き合いができるようになった、という感覚だ。

おでんに関しては、酒のつまみに最高〜!と思えた時から私は寝返った。
申し訳ないけどごはんのおかずにはちょっと役不足と思っていた。実家で兄はいつも母に『おかずにならない』とブチギレていた。
私は兄をわがままだなぁと眺めていたけど、優しいお出汁よりもっとごはんに合うおかずが欲しかったのが本音だ。

大人になり距離をとっていたおでんと急接近。

今年は家で大根、たまご、こんにゃく、ちくわ、厚揚など気軽な食材を味マルジュウとお水で煮込む簡単おでんにハマっている。
気軽に作れてとても美味しい。

私はおでんの具で厚揚げがかなり上位で好きなのだけど人と話すと厚揚げのことを気にする人が少ない気がする。というより滅多にいない。
3つしか具を選べないとしたらあなたは何を選びますか?
目を閉じて胸に手を当て考えて欲しい。

ちなみに『おでんににんにく味噌つけて食べる』を何かで見かけてめちゃくちゃ気になったので自分でにんにく味噌を適当に作ってみた。
熱々のおでんにカラシが定番だと思うが、にんにく味噌もめちゃくちゃ合う。
優しいおでんにちょろっとつけるとパンチが効いてお酒がさらに進む味に。

私は冷凍生にんにくを刻んで味噌と炒め合わせたが、時短ならチューブのニンニクと味噌を混ぜただけでも良さそうだ。

毎日おでん食べたいと思っている。
昔は冬になると呼んでないのに勝手に食卓にやってくる迷惑なやつ、と思ってたことを謝罪しながらぐつぐつと煮込んでいる。
そんな昔のことなんて忘れたさ、とおでんは優しくあたたかく煮込まれ続ける。

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