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わたしが本を読む理由

大学に入ってから、読書が習慣になった。
年に何百冊と読むような読書家ではないけれど、本を読むことが好きな時間だと、
胸を張って言える。

私が読むものは9割が小説、1割がエッセイ。
ほぼ物語の世界に浸っているのだが、
どうしてこんなにも小説が好きなのか、
自分なりに考えてみた。
色んな理由があるけれど、その中でも大きいのは次の3つ。

★表現との出会い
作家さんは言葉の魔術師だ。
本に書かれている言葉は、別に小難しい言葉ではない。
自分が知っている語彙なのに、組み合わせでこんなにも味がでるんだ!とか、この風景をこうやって言い表すのか!とか、
目から鱗の表現に出会うと、自分の心が感動と喜びで満たされていくのが分かる。
この感覚を一度味わうと、もう物語の虜。
次はどんな表現に出会えるかなと、ページをめくる手が止まらなくなる。

★感情の代弁
言葉の魔術師である作家さんは、
感情も的確に、美しく言い表してくれる。
何というか、身に覚えがあるなと思う、ふわっとした感情に、言葉という輪郭を与えてくれるような感覚。
そうそう!あの時味わったあの感情はまさにそういうことなの!とそれはもう共感の嵐だ。

「嬉しい」「切ない」「悲しい」などの陳腐な表現では片付けたくない気持ちをそっと代弁し、
すっきりさせてくれる。
そして、こういう感情を抱くのって自分だけじゃないんだな、と救われた気持ちにもなる。
物語の中に自分の理解者を見つけた喜びと、その物語を書いた作家さんもまた自分を理解してくれる人の一人なのかもしれないという安心感。
物語を読んで損はない。つくづくそう思う。

★新しい考え方
時には物語の中の登場人物が、新しい気づきを与えてくれることもある。
人生における格言のようなものを言う時もある。
現実世界で人から言われると、ちょっぴり敬遠してしまうセリフも、物語の登場人物が言うと、
すんなり心に沁みる。(これは私がひねくれ者だからなのか...)
とにかく、物語の中から新しい考え方やまっすぐすぎる言葉をこちらに投げかけられると、
自分の心にも新しい風が吹いて、心地よい刺激を受けるのだ。
これはまさに物語の魔法だと思う。

小説を読むと言う習慣は私にとっては喜びであり、救いなのだ。
そして、自分のための読書を積み重ねることで、いつか自分が人の感情に寄り添ったり、前向きになる手伝いができるような人間になれたら最高だと思っている。

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