見出し画像

自分の声は自分にしか聞こえないから

日々更新されるインスタグラムのストーリー。
友達と遊んだ、恋人と出かけた、美味しいものを食べた、、、
私たちは画面上で指を右から左へスライドさせるだけで、誰かの日常のハイライトを目にすることができる。

人のハイライトを素直に「楽しそうだなぁ」とチラ見して、良くも悪くもそれ以上興味を持たず流していくのが一番健全だ。
でも最近の私は、他人の充実した様子に羨ましさを感じてしまい、
ストーリーを見た回数だけ自分の心に爪でサッと引っ掻いたかのような傷がついていくのを感じていた。

何の悪気もなく載せられたストーリーに対して、
そんな感情を抱いてしまう自分も嫌だし、
傷つくのを分かっていながらストーリーを毎日見てしまう自分がバカバカしかった。


理由は分かっている。
最近の私は仕事もプライベートも行き詰まり気味で、現状をどうにかしたいけれど、どうすれば良いか分かるず、ずっとくすぶっているのだ。
自分が順調じゃない時ほど、人が気になってしまうものだ。そして同じように順調じゃない人を見つけると一瞬安心するし、
逆に楽しそうな人を見つけると焦るし傷つく。
そして、インスタのストーリー上で見つけるのはたいてい後者だ。

無数の引っ掻き傷がついた時、さすがに心が疲れたのか、「もう消そう」と思った。
そして半ば衝動的にインスタをログアウトして、アプリを消した。


SNSから離れて過ごしてみると、不思議なことに今までは聞こえなかった自分の声が聞こえてきた。

自分は将来どうなりたいのか、
もっと短期的なスパンでは何をしたいのか、
なぜそれをやりたいのか、
そのために今何をしたら良いのか。

人と比べるのではなく、
自分の現在と未来と向き合う。
比べるとしたら自分の過去。
これまでどう変わった?それはなぜ?
これからはどうなりたい?
点と点を線で繋いでいくかのように、
自分の過去、現在をつなぎ、そして自分の声が誘う未来へと繋ぐために必要なことを考える。


すると心の傷もだんだんと癒え、曇っていた視界が少しずつ晴れていくのを感じた。
どの方向へ、どんな風に進めば良いか分からず立ち止まったままだったのが、
自分なりの道を見つけたような感覚。
正解かどうかは分からないけど、せっかく拾い上げた自分の声を信じてみようと思えた。


言い方は悪いけれど、人の生活が自分にとって雑音になってしまう時は誰にでもあると思う。
そういう時は、たいてい自分が上手くいっていなくて、他人の幸せに良い意味で無関心でいられるコンディションが整っていない時だ。
そういう時は、雑音を消すに限る。
すると、本当に聞きたいもの、聞かなきゃいけないものに気がつくはずだ。

back numberも言ってた。

心は誰にも見えないのだから
見えるものよりも大事にするといい
水平線/back number

本当に目を向け耳をすませるべきものは、自分の心だ。
誰に聞かせるでも見せるでもない心の中は綺麗事である必要はないし、たいそうなものを秘めている必要もない。
正直で素朴な自分の心の声を大切にすることから、自分のための人生が始まる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?