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人生を豊かにする中国古典の名言47

【今日の名言】

切るが如く、磋くが如く、琢つが如く、磨ぐが如し
(読み:キるがゴトく、ミガくがゴトく、ウつがゴトく、トぐがゴトし)

『詩経』衛風・洪澳篇

宝玉を切り出して、さらに形を整えたり、宝石を打って形作り、さらに磨き上げていくかのように、努力に努力を重ねて自分自身を高めていく、という意味。

「切磋琢磨」という四字熟語の語源ですね。

現代では「仲間やライバルと競い合って、お互いを高めていく」といった意味合いで使われることが多いのですが、元々は「懸命に努力して、自分自身をより高めていく」という意味合いでした。

誰かと切磋琢磨するのも良いのですが、その場合はネガティブな比較に陥らないように気を付けなければなりません。

ネガティブな比較とは、自分自身を責めるような比較のことです。

例えば、社内プレゼンで相手は成功し、自分は失敗してしまった場合。

「あの人はうまくできたのに、自分は失敗してしまった。やっぱり自分はダメなんだ……」
「あの人は〇〇出身だからスキルも高いし、私では真似できないよね……」

となるのがネガティブな比較です。

これでは失敗を分析して改善するチャンスを逃すだけではなく、自己肯定感もガクッと下がってしまいます。

すると、他の作業でも自信を無くしてしまい、本来の実力であればできたはずのことも失敗するようになってしまいかねません。

悪循環です。

一方でポジティブな比較をするとどうなるでしょうか?

「自分は失敗したけれど、あの人はうまくできている。この違いは何によるものだろう?」
「あの人は〇〇出身でスキルもある。私はこれまでそういった経験がなかったから、今度教えてもらおう!」

このように、自分の課題を分析し、改善のためのアクションに繋げることができるようになります。

他人と比べることでモチベーションが上がり、ポジティブな比較ができる人の場合は、切磋琢磨することが自身の向上につながるでしょう。


一方で、ネガティブな比較をしてしまう人の場合は、他人と比べることは避けた方が良いです。

私もこのタイプで、一時期はとても悩んでいました。

ですが、リアソン大学のステファン・ワント氏の研究では、他人と比較すると自分への満足感が低下する、という結果が出ています。

つまり、他人と比較してネガティブになってしまうのは当たり前のことなのです。

ですので、私は他人と比較するのではなく、過去の自分と比較するようにしています。

特に意識しているのは、外部要因に左右される「結果」ではなく、自分の意志でコントロールできる「行動」で比較することです。

例えば、以下のようなイメージ。

  • 昨日は2つしかタスクをこなせなかったけど、今日は3つもできた。

  • 前回のプレゼンは時間オーバーしちゃったけど、今回は時間通りに説明できた。

  • 先日は挨拶できなかったけど、今日は自分から挨拶できた。

このとき、タスクの大きさや難易度は問いません。

どんなに小さくても、自分が行動してこなしたのであればOKとします。

また、結果も気にしません。

勝敗は兵家の常であり、同じ行動をしても、その時の環境や運、自身の状態によって結果が変わることがあるからです。

もちろん、成功させるために努力は惜しみませんが、結果だけにこだわるとネガティブ思考の沼に飲まれてしまいます。

私は一度ネガティブの沼に落ちるとしばらく戻って来れなくなるので、それだけは絶対に避けたいところ。

そのため、私は過去の自分と比べるようにしています。

比較対象が自分であれば、諸条件は同じなので比較しやすいですし、
行動にフォーカスすれば、自分の意志で昨日の自分を超えることができます。

習慣化コンサルタントである古川武士さんも、他人と比較して辛くなる場合は、過去の自分と比べて自分史上最高を目指しましょうと仰っていました。

他人と比べるのが辛い人は、過去の自分と比較しましょう。

昨日よりも今日、今日よりも明日、という形で日々努力を続けていけば、
いつでも「今の自分が最高の自分」になることができます。

自分の特性に合った方法で、切磋琢磨していきたいですね。


今回の名言は以下の記事でも取り上げています。

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