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目標達成のポイントは長期的・大局的な視点を忘れないことにある(『論語』子路篇)

今回取り上げるのは『論語』子路篇からの言葉。

速やかにせんと欲する毋かれ。小利を見ること毋かれ。
(読み:スミやかにせんとホッするナかれ。ショウリをミることナかれ)

『論語』子路篇

焦って何かをしようとしてはいけない。小さい利益に目を奪われてはいけない、という意味。

弟子の子夏(しか)に対して、孔子が与えたアドバイスです。

つまり、何かを成し遂げるためには、長期的・大局的な視点を大事にしなさい、ということですね。


孔子が今回のアドバイスを送ったのは、子夏がとある町の城主に任命されたときのことでした。

孔子の弟子の中でも若いグループに属する子夏は、城主として赴任するにあたり、政治の進め方について孔子にアドバイスを求めます。

その際に贈られた言葉が今回の言葉です。

「長期的・大局的な視点を大事にしなさい」

孔子は若い子夏にそう告げ、以下のように続けます。

速やかにせんと欲すれば則ち達せず。小利を見れば則ち大事成らず。
(スミやかにせんとホッすればスナワちタッせず。ショウリをミればスナワちダイジナらず)

『論語』子路篇

焦って何かをしようとするとうまくいかず、目先の利益に囚われると大きなことを成し遂げることができないのだ、と。

これは政治だけではなく、何事においても通じる考え方ではないでしょうか。

私もそうですが、大きな仕事を任されたり、何か新しいことを始めたりすると、どうしても早く結果を求めたくなります。

「周囲の期待に応えたい」
「自分の才能を信じたい」

きっと、そんな気持ちから焦りのようなものが生まれてくるのでしょう。

そして、その焦りは自身の視野を狭めてしまいます。

視野が狭まると思考から柔軟性が失われるため、問題や課題に対処することが難しくなりかねません。

そうならないためには、孔子がいうように、長期的・大局的な視点を持つことが大切です。

何かに取り組んでいて焦燥感に襲われたら、以下の点を意識してみてください。

  • 物事を成し遂げるには時間がかかるということ

  • 目先の利益ではなく、自分にとって重要なことを優先すること

自分の目標に集中し、焦らずじっくり取り組むことが肝要です。

速やかにせんと欲する毋かれ。小利を見ること毋かれ。
(読み:スミやかにせんとホッするナかれ。ショウリをミることナかれ)

『論語』子路篇

焦って何かをしようとしてはいけない。小さい利益に目を奪われてはいけない、という言葉をご紹介しました。

かの徳川家康は、人生とは重い荷物を背負って山道を行くようなものだ、と言いました。

家康が天下を取ることができたのは、常に長期的・大局的な視点を心がけて行動していたからです。

周囲の期待や目先の誘惑に振り回されずに、自分にとって本当に重要な物事にじっくりと取り組んでいきましょう。

コツコツと歩みを進めたその先に、きっと大きな成功が待っているはずです。


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