重要なチャンスを逃さないために心がけるべき2つのこと【教養を深める中国古典のお便り】
皆様、こんにちは!
メンバーシップ向け特典記事の「古典のお便り」10通目になります。
こちらのシリーズでは、普段の記事では取り扱っていない古典・史書から、さまざまな名言をお届けします。
今回は、以前にもご紹介したことのある、司馬遷の『史記』を取り上げます。
『史記』の概要説明は以下の記事で行っていますので、確認したい方はこちらの記事をご覧ください。
というわけで、今回は『史記』の太公望に関するお話から、チャンスを逃さずに行動するための心がけについて、学んでいきましょう。
『史記』斉太公世家に学ぶ
今回取り上げるのは『史記』斉太公世家からの言葉。
時機を得るのは難しく、失いやすいものだ、という意味。
古代の有名な賢人である太公望(たいこうぼう)に対して、宿屋の主人が語った言葉です。
つまり、
何かをするのに適したタイミングというのはなかなか巡って来ないし、もたもたしていると失ってしまいやすい。
だから、好機を手にしたら後悔しないように行動しなさい、
ということですね。
さすがは宿屋の主人。
様々な人を見てきたからこその含蓄ある言葉です。
さて、この宿屋の主人の言葉が太公望を救うことになるのですが、その前に、まずは太公望とはどのような人なのか見ていきましょう。
老年まで苦労した太公望とその出自
太公望(たいこうぼう)とは尊称であり、本名ではありません。
太公望の本名は、呂尚(りょしょう)といいます。
古代中国の東の果てにある、海岸地帯の出身です。
ここから先は
3,696字
/
1画像
サポートをいただけますと励みになります!いただいたサポートは資料の購入や執筆環境の整備などに使わせていただきます!より良い記事をお届けできるように頑張ります!