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物語のように、人生を転じさせたい。それまでは、じっくりいくのだ。

物語の始めは、平坦で淡々としているものだ。それが中盤から後半にかけて一気に面白くなっていく。動きが少なくて地味でつまらなかったものが、後半で生きてくる。

人生も、そうなのかもしれない。

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若いうちは下積みとして苦労しながら学んでいったり、目指す先に悩んで人生の迷子になったり。先は見えないし、淡々と過ぎていく日々に嫌気がさしたり。

人生100年というのなら、私の物語はまだ半分も進んじゃいない。物語でいう3割の時点って、まだまだ起承転結の転には差し掛からないものだし、面白さってこれからなんじゃないかと思う。


例えば、日曜ドラマ「あなたの番です。」特別編を観ていた人の感想って、中盤くらいの時点では、翔太くんの真っ直ぐさや熱意にちょっと飽きてきたり、もうそろそろお腹いっぱい状態だったりする。ななちゃんが大好きなのはわかったもうわかったから!流石にそろそろウザい!とか、そういう感想があったり。

ところが、最後に怒涛の急展開を迎える。

そこまで観て初めて、これまでの出会いとプロポーズのくだりが生きてくるのだ。あれだけ大好きで大好きで一緒にいた人だからこそ、復讐の炎は強く強く燃えるのではないか、と。


私の好きなピエール・ルメートルの作品も、起承の部分はフランス映画のように淡々と進み、せっかちな私は早く進んでくれとちょっと心が折れそうになるけれど、転結で濁流に飲まれるように怒涛の動きを見せるからたまらなく面白い。

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と、いうことは。

人生もこれから後半にかけてどんどん面白くなっていくのでは…。


よく、若い時に苦労していたことを「そんなこともありました」と話す人がいる。苦労自慢ではなく、役者さんやミュージシャンが売れなかった時代を懐かしむように。そんなところからここまできたんだなぁと言うように。

今、悩んだりもがいたりしていたとしても、この先をより楽しむための"そういう時期"だと思えたら、少し救われるものだなと思う。

今の私に突出したものは何もないけれど、これまで色々やってきた小さな点たちが、人生の転結の章で繋がって線を描いていくといいなと思う。


さて、どうして転じていこうか。

まだまだ、これからこれから。




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