麹とあそぼう つむぎ

発酵と出会って人生楽しくなりすぎた三重県人。主に三重県のローカル発酵をアーカイブしてい…

麹とあそぼう つむぎ

発酵と出会って人生楽しくなりすぎた三重県人。主に三重県のローカル発酵をアーカイブしています。 台所で作る麹のワークショップもやってます。ご興味ある方お気軽にご連絡ください。 麹の学校認定講師(6期)/ 国際食学教会公認食学調味料アドバイザー/

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コノシロなれずしの作り方【漬け編】 〜三重県伊賀市音羽 佐々神社の神饌〜

2023年11月19日(日)、三重県伊賀市音羽の佐々神社に伝わる例祭「このしろまつり」の神饌、コノシロのなれずしの仕込みを見学してきました。時間が経つと忘れちゃうので仕込みの工程だけザザッと書いておきます。 まずは神社にご挨拶8:00〜 複数の作業を分担して行う大量の柚子を輪切りにして種を取り除く 柚子の果汁を絞る 柚子の葉を洗い乾かす コノシロを洗う 洗ったコノシロをタオルで拭いて乾かす 一斗五升の米を炊く 「つと」を作る 12:00〜 お昼休憩13:00〜

    • コノシロなれずしの作り方【感想など】 〜三重県伊賀市音羽 佐々神社の神饌〜

      三重県伊賀市音羽のコノシロなれずしシリーズ、最終話です。 今回は音羽の皆さんとの会話の中で気づいたこととか、かねてから疑問に思っていたことへの考察などを書こうと思います。 はじめに佐々神社の歴史を簡単にまず基礎知識として佐々神社の歴史に触れておきます。 佐々神社は、滋賀県との県境付近に位置する里山、伊賀市の音羽(おとわ)にあります。簡単にご飯が炊ける土鍋「かまどさん」で有名な長谷園伊賀本店のすぐ近く、と言えばピンとくる人も多いはず。 平安時代の書物「延喜式神名帳(えんぎし

      • コノシロなれずしの作り方【祭り・実食編】 〜三重県伊賀市音羽 佐々神社の神饌〜

        2023/12/10(日)いよいよ佐々神社の例祭、このしろ祭り当日を迎えました。音羽の皆さんが一生懸命漬けたコノシロの晴れ舞台です。 このしろ祭りは300年以上続く伝統の例祭で、特殊神饌(とくしゅしんせん)コノシロのなれずしを神前に供えて五穀豊穣を祝います。 無事に祭りが終わり、「終わってしまったなあ…」とセンチメンタルな気持ちで帰路に着きます。 音羽の食卓では… さていよいよコノシロなれずしを頂きます。 まず、地元の方々はコノシロをどのように食べているかうかがってみま

        • コノシロなれずしの作り方【樽開き編】 〜三重県伊賀市音羽 佐々神社の神饌〜

          コノシロなれずしの作り方、第2弾です。 このシリーズでは三重県伊賀市音羽の佐々神社に伝わる例祭「このしろまつり」の神饌、コノシロのなれずしについて記録しています。 第1弾、漬けのレポートはこちら↓ 今回は、まつり前日の12/9(土)に行われた樽開きの様子をお届けします。 12/9(土)9:00〜 10:00〜 少し一服してからコノシロを拭く作業 11:00 作業終了! さあ、明日はいよいよ「このしろまつり」コノシロたちの晴れ舞台です。次回はまつりの様子と食べた感想

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          三重県鈴鹿市の300年蔵 東海醸造

          先日、麹作りの仲間たちと三重県たまり醤油蔵ツアーに行ってきました。 一軒目は鈴鹿市西玉垣町にある「東海醸造」さん。 伊勢街道沿いにある東海醸造は、江戸時代からこの場所で豆味噌とたまり醤油を作り続け、創業はなんと300年!新しめの住宅に囲まれているのがちょっと意外な感じがする。 にこやかに迎えてくださった蔵の方々との対面を終え、醸造を取り仕切る本地(もとじ)さんに蔵の内部を案内していただく。蔵に入るとまず、味噌と醤油の香りがガツン!とやってきて、そして目に飛び込んでくるたく

          三重県鈴鹿市の300年蔵 東海醸造

          三重県民に知ってほしい。そもそも豆味噌ってなんなん?

          「三重県は豆味噌文化圏である」という事実をご存知ない方が、三重県の中でもとても多いなあと実感しています。実は私も2年ほど前まで知りませんでした。米味噌と白味噌しか使わない家庭で育ったもので。 私と同じような方は多いのではないかと思います。ですので、今日は「豆味噌ってなんなん?」という三重県民に向け、簡単にご紹介しようと思います。 豆味噌の作り方 豆味噌とは、「大豆と塩」を原料としてつくる味噌を指します。製造工程は以下の通り。 ①蒸して団子にした大豆にコウジカビを付けて

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          白い醤油があることをご存知ですか?

          白い醤油があることをご存知か?みなさんは「白いお醤油」があるのをご存知ですか? 醤油といえば黒!がクリシェでしょ。という声が聞こえてきそうですが、発酵大国日本には「白いお醤油」が存在します。 白といっても透き通った黄金色で小麦を主原料とした、甘い香りと味が特徴のお醤油です。江戸時代に愛知県碧南地域で勃興し、現在も主に碧南市で醸造されています。 溜り醤油の本拠地にあって異彩を放つその姿は、醤油界のピンクレンジャーとも言える存在(と勝手に思っている) 甘くて柔らかくてサポート

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          浜納豆|戦国大名も食した三河・遠江のソウルフード

          みなさんは浜納豆をご存知でしょうか? 地域性が高い食べ物なので、知らない方も多いでしょう。 こんなのです↓ 伝承ではおよそ1500年前に仏教とともに中国から伝わった発酵食品で、納豆とは言え納豆菌ではなく麹菌で発酵させるため、糸を引いたりはしません。味噌に近いのではないかな。 今では主に愛知の三河、静岡の浜松近辺の特産となっていて、戦国時代には兵糧としても重宝された栄養価の高い食品です。 足利・今川・豊臣・徳川に献上されており、特に徳川家康公の大好物だったとも伝わっていま

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