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令和6年読書の記録 東野圭吾『嘘をもうひとつだけ』

 加賀恭一郎シリーズ6作め。東野圭吾の熱心なファンではない私は、最初に8作めの『新参者』を読み、その次に7作めの『赤い指』、そして今回、『嘘をもうひとつだけ』を読みました。普段は気持ち悪くてこういうことは絶対にしないのですが、知らなかったためにこんなことになってしまった。

 3作も読んでおいて、加賀恭一郎の人物像についていまいち把握しておらず、とにかくめちゃくちゃ頭がキレることくらいしかわからないのですが、いやはや、今作でもその頭のキレで私を感嘆させてくれました。

※以下、ネタバレを含みます

「バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに一人の刑事がやってきた。彼女には殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが・・・。人間の悲哀を描く新しい形のミステリー。」

↑文庫裏表紙の解説より。

 読み始めてみたら、どうやら犯人であるらしい人物が序盤から既に加賀に追い詰められており、おいおい、この調子で250ページほど物語を展開させるとか、さすがの東野圭吾でも無理なんと違うか?いや、しかし東野圭吾ならそのくらいのハードルは難なく飛び越えていくんやないのか、実際これまで何度もそうやって飛び越える様を目の当たりにしてきたぞ、などと期待を高めながら読んでいったのですが、なんのことはない、『嘘をもうひとつだけ』は加賀恭一郎が事件を解決する物語が何編か収録されている短編集だったのでした。まさか、そういう裏切り方をされるとは思いもよらず、やはり東野圭吾、一筋縄ではいかないと唸ったのでありました。

 これはこれでネタバレになってしまうのかしら。そうだとしたらごめんなさい。文句を言われないように今から序盤に「以下、ネタバレを含みます」と書いておくことにしよう。

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