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【読書】ビジネス法務 2023年7月号

雑誌はアプリに登録できないので、記録として。
流し読みなので特に気になったところにとどまります。

特集1 企業法務にかかわる「民法」重要論点ベスト30

1ページ1事案、設問~用語解説~要件等~回答という構成で、コンパクトにまとまって読み易かった。自分のように「にわか」で法務やってる人間は、基礎はいくら学習しても良いのです。
 資格の勉強でよく見かけたような事例が多かったものの、例えば動機の錯誤であるとか、売買契約で買主が買おうと思った段階で、そもそも売主が「ちゃんと説明したか?」という説明責任とつながるところがあるので、実態に当てはめて考えられることもありました。特にビジネスにおいては不利益な情報は話したくないというのが心情。法務としては、売ってくれてありがとうであっても、あとあと買主が「そんなの聞いてない!そんな話なら買わなかったのに!」と言われてしまったら、全くありがたい気持ちなど吹き飛んでしまうのでは?
 消滅時効のところも、売掛金を支払ってこない相手に残高確認状を送るとか、要は支払えという督促を出し続けるのは(発行元がどの部署かは置いといて)当然だと思うが、ほったらかせば時効で債権が消滅してしまう。基本ではあるが、こういった法的根拠をしっかりと理解したうえで日常の債権回収業務をやっているとはとても思えない弊社にとっては、当たり前を改めて学ぶことはとても重要だと感じています。
 詳細は省きますが、契約交渉の不当破棄、契約解除に伴う損害賠償請求の範囲、継続的契約の解消、定型約款該当性・適用要件あたりは、改めて読んでの学びもありました。

特集2 スタートアップ法務の作法

スタートアップは法務組織が無かったり、立ち上げたばかりなど前例のない状態かと思いますが、一方でJTCも似たような場面が訪れることがあります。

こんな時。組織は一応あるにはあるけど、人減らしが過ぎて(もしくは採用ができなくて)少人数だったり一人法務ということもありますし、唯一の法務担当者が退職して新たに入った人が、一から組織を作っていくということもあります。なので、スタートアップ法務に関する内容は、大人数だったりしないなら十分歴史のある会社にも当てはまることがあるため、なるべく見るようにしています。
 今回の内容は基本的な法務の姿勢から少人数法務の取り組み方が中心に書かれていましたが、特に注意して読んだのは「契約稟議・管理の作法」のところ。稟議の書き方が間違ってたらマニュアル等を開示する、という対応にとどまらず、最近ちょっと気になっている「インハウスサービス」についても触れていました。また、稟議に紐づくリーガルテックが図表で簡単に紹介されているので、導入見込みがある方は参考になるのでは。弊社のように中途半端に人数がいて、一定程度「人力」で何とかなってしまっていると、リーガルテック導入のハードルはかなり高まってしまうんですよね…あくまで投資なので、投資の考え方を持てないとコスト意識だけになってしまってバッテンくらう確率高し。
 その他、「顧問弁護士とのやり取りの作法」というテーマもありましたが、これはこれで、某書籍なんかを読むともっと細かく書いてあるように思いました。

最終回 改正電気通信事業法をふまえたCookieデータ等の利用者情報の利用と管理

シリーズものの最終回。来月に法改正が確定している改正電気通信事業法ですが、弊社も絶賛迷惑()を被っております。
法の解説などは専門家の皆様がたくさんやられてますので省くとして、ここでは外部送信の内容の把握で「検出ツール」を活用することに言及されているところに発見がありました(そりゃそうだよな、とも)。
 弊社のホームページ管理担当部署にも早速共有しましたが、音沙汰ありませんので、この話はここまで。それにしても、個人情報保護法の改正が生ぬるかったところ、こういった法律で攻めてくるとは…というのが正直な感想です。この法律で初心者向けの参考書籍があれば、ぜひご教示いただきたく。

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