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【読書】ビジネス法務 2023年8月号

備忘録。今号の特集2(メタバースビジネス参入の実践法務)はスルーしたのでその他のところでメモ。

創刊25周年記念特集「会社法の歩き方〜軌跡と展望〜」

2ページ見開きでそれぞれの先生方がまとめられてましたが、本当に論点がたくさんあって、改めて会社法の深さを再確認した。
冒頭、「株主総会の法制と実務の変遷」がさらっときれいにまとめられている。総会業務をやったことがなく、試験勉強・学問としてしか学習したことのない人は、総会屋がまずどのようなものかわからないだろう。商法から会社法に変わるところでちょうど社会人になった身としては、総会屋の存在はレアキャラかってくらい少数化していたが、入社当初の運営は総会屋を念頭に置いたものだったので、何となくはわかる(その後H株主みたいな人も出てきたし)。法の変遷を追いつつ、自分に対してよく頑張ったなと思った(今もなお続いているが)。
まとめにある通り「各企業が自社に合った株主総会のあり方を模索する時代」であって、横並びで安心してる場合じゃないことを再認識した。

論点が様々ありすぎて書いていたらキリがないのだが、実務担当はよく分からないテーマがあっても通読して引き出し作りにしておくと良いし、まだ機関法務をやってない法務担当も、会社に所属している以上は会社が何か、何の法令に基づいて成り立っているか(会社法です)はを歴史とともに学びとして読んでおくのは良いと思った。内部統制システムとガバナンス、ソフトロー活用などかなり誤解が持たれているテーマもコンパクトにまとめられている。
コーポレートガバナンスコードに触れてない人はソフトローをあまり重視しない傾向があり、ステークホルダーとは何ぞやから考える機会を持たせないといけない、なんて人もいるので、ちゃんと付箋を貼っておく。

実務解説 再考:取締役会評価

耳の痛い話。本質的にはCGコード基本原則4そのものの通りであり、取締役会の実効性評価の目的は「企業価値を上げるために機能してるか 」に焦点を当て、そこからブレてはならないという話と理解した。
資料の分量は適切か→適切!とかいう話じゃない。
株価の定期チェックはしとこうと思った)経営管理部門にやってもらいたいが)。

IPO準備における会社法の基礎第3回

決議と報告事項についてのまとめになっているが、昨今、既に上場している会社でも付議基準の見直しがテーマに上がっているという話を聞くので、改めて学びのあるところかと思う。弊社もそれこそ2年前から見直しを検討し、ところどころで検討を加速してもいるが、相変わらず「決定」には至っていない。事務局の力不足と言われればそれまでだが、役員にも「頭を使わせる」必要が多々あり、取締役会というものの存在意義から理解促進をはかっている状態。
『具体的にどのような事項が「重要な業務執行の決定」に該当するものとして取締役会決議に要するかは、量的要素と質的要素の双方の観点から自社における「重要」性の基準を検討し、社内規程において具体化しておくことが通例』とあり、そのとおりなのだが、この重要性判断が極めて難しい。
全6回構成のようなので、このテーマは注視したい。

アンガーマネジメント第4回

「仕事ができる人よりも機嫌がいい人の方が、一緒に仕事するうえでは好ましい」というアンケート結果ありとのこと。自分としては仕事ができる人って(定義は人それぞれだろうけど)機嫌がいい=感情のセルフコントロールができてるイメージだけど、何のアンケートかは書いてないので少し気になった。
ステップ3の「許せないゾーンを人に伝えていく」が、果たして人に受け入れられるかという疑問を抱きつつも、やってみようかなと思えるところだった。『あなたがあなたの価値観に基づいて怒る以上、「これくらいのことはわかっていてほしい」と考えるのは甘えです。』
閉塞感や事なかれ主義者が蔓延する職場では、意思表示する側を排斥して終わりなのでは?とも思った。

来月からは「法務のリスキリング」という連載が始まる模様。かなり気になる。

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