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写真展の前に「自分のポートレート」について思ったこと。

こんにちは、フィルムでポートレートを撮っています、小山ひときです。
名古屋の隣、岐阜県に住んでいます。私の住んでいる岐阜県はマイナー県だとわかってはいるのですが、たまにクイズ番組に「ここはどこでしょう」と出題されて全員不正解な場面などを見ると、なんだかアイデンティティが揺さぶられます。地元が好きです。皆様、お元気ですか。ここはどこ、私はだれ、君の軸は君の中にこそある。小山です。(戻って来た)

頭の中が散らかる

頭の中が散らかっていて、いつも、いろんな事がばらばらと、ぱらぱらと呼び起こされて。1つ考えたことが沢山連なって、ちらかってしまうことがよくあります。

今日は、ポートレートについて考えていました。

といいますのも、11月に名古屋で行う写真展「ひとが苦手」にポートレートを出展するにあたり、いつもよりも他の人の撮影したポートレートや写真が目に入ってくるようになったからです。

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会場が、名古屋ビジュアルアーツさんの1Fにあるギャラリーで、たまたまご縁が合って展示をさせていただくことになったのですが、このギャラリーに伺ったのは先日開催されていたインベカヲリさんの個展を見に行ったときでした。これがまた素晴らしい展示で、心を揺さぶられました。

ちゃんとした人が個展をしたギャラリー。写真学科の生徒さんにも見られると思うと、写真学校を出たわけでもない私は少し緊張をしてきて、ちゃんとしなくちゃ、と思ったりするのです。 

私、他の人はどうでもいいんだった

展示をする時、よく「ちゃんとしなくちゃ」「かっこいい展示にしてすごいですねって言われたい」なんて考えが頭を過ることがあります。程度が違えど、ふっとよぎることがあります。そういう時、私のためと、目の前に居てくれた被写体さんとの完成を目指すというゴールを思い出していつも戻ってきます。そうだった、私、他の人はどうでもいいんだったって思い出します。今回も戻ってきました。

見に来てくださる方がいるから、見てもらえて初めて展示や作品が完成する。でも、誰かの評価とか賞賛を得ようとした時に、目の前の人も私自身も粗末にしてしまう気がしています。

結果、私と被写体さんのことだけを考えて、自分が思う美しさやしっくりさを目指していくと、見ていただいた方にも何かが伝わるのだと思っています。だから、今回もターゲットは私と被写体さんです。

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自分の撮る「ポートレート」ってなんだろう

最近、いろいろな方の写真が目に入ってきて考えたことがあります。
初めて出版した写真集が、初版で2000部完売する人気の写真家さん。女の子をすごく美しく撮影する写真家さん。私と同じように、フィルム写真でポートレートを撮って、それが日常の風景の中に煌めくような、写真を見た瞬間に好きだと思ってしまうような写真を撮るフォトグラファーさん。お子さんの写真を、愛しくも素晴らしいメッセージを感じる写真として残す写真家さん。

眩しい。素敵だなあ。洒落ている。ずっと見ていたい。

私の撮るポートレートは、どれとも違っていました。
きらめいた瞬間を撮れること、稀にあります。絶妙な構図だぜ!と思ったり、光が切なくなる写真を撮れること、稀にあります。
でも、11月の写真展に出す写真は、そうではない写真ばかりです。

光が足りなくて、暗かった。
美人な女の子なのに、その美しさをキッチリは撮れていなくて、ちょっとピントもあっていないしほわっとした顔をしていた。きらめいた街中で撮られたときめく写真じゃない。

でも、全部、私の視界にいた大切な人の写真でした。

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いろんな構図があったほうがいいと思う。
きらめいたような、ほら、フィルムってこんなふうに撮れるんだよ!って写真があったほうがいいと思う。

でも、結構みんな近くで撮っていて、構図がものすごいぞっていう写真ではないです。小山さんってすごいね!写真めっちゃ上手いじゃん!フィルムってこの光がイイんだよね。すごいね!って言われそうにない写真ばかりを選んでいました。

しゅっとした、おしゃれな写真って憧れる。
煌めいた女の子の写真って憧れる。
面白みのある構図って憧れる。

でもこの距離感で、私と、私の目の前に居てくれた、心を許してくれる瞬間があった気がする人たちの写真を展示することにしました。

私のポートレート

それで。ああ、私のポートレートというのは、心が触れたような気がする人たちと、目を合わせた時間なんだと思いました。

私がずっと見ていたいようなしゅっとした写真、
女の子が煌めく写真、
構図がすごく面白い写真、
写真として美しい、ものすごい写真

それは、他の人に託します。いつも、楽しみにしております。

私は今回、並べていて「ひとが苦手」というタイトルの二人展で最も自分の心が安心する、ストンときた写真を展示したいと思います。

もし、会場で会えましたらお気軽にお声がけください。
きっととても、喜びます。

よろしくお願いいたします。


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