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どの本を読めばいいのかわからない人におすすめの本

何かを勉強したいとなった時、今は色んな手段がありますね。YouTubeなんかも今ではすごく有用な動画が増えましたし(ゆっくり動画は本当に有用なものが多い)、オンライン講義などを受けることも以前よりずっと気軽に行えるようになりました。とはいっても、今でも本を読むという手段をとる人が多いのではないでしょうか。それだけ、本はさまざまなジャンルについて書かれており守備範囲が広く、その道の第一線の専門家が書いていることも多いため、うまく使えば非常に深い知識を得ることも可能です。

とはいっても、まず何から読めばいいのかわからない。という人は多いのではないでしょうか。私もそうでした。というのも両親がそんなに本を読む方ではありませんでしたら、まったくどんな本があって何を選べばいいのか基準がわからないのです。

まずは新書から読むのが王道とは言うけれど

大学生におすすめの本を紹介するようなブログをよく見かけますよね。でもあそこで紹介されている本は、いわゆる古典とされるような本ばかりです。たとえばトマス・クーンの『科学革命の構造』という本などをよく見かけます。私も読みましたが最初はまったくわかりませんでした。このような古典作品の多くは、その本が書かれた文脈をちゃんと理解していない場合まったく意味のわからないものになってしまうのです。

そのため、何かを勉強する時はまず新書から読むことが推奨されています。新書というのは、その道の第一線の専門家が、その分野・ジャンルについて勉強すべき内容を、ざっくりと一般読者(大学生や社会人)のためにまとめてくれたものです。岩波新書中公新書ちくま新書講談社現在新書なんかは、四代教養新書と言われて非常に勉強するのにタメになる本がたくさんあるとされています(読むならこの4社のなかから選ぶのが無難だと言われますよね)。

※この本はミュージカルの歴史を勉強するには本当にいい本です。おすすめです。

このような薄くて少し細長い本を一度は見たことがあるのではないでしょうか。これが新書です。確かに新書は専門書や古典と比べるとずっとわかりやすく、学問分野を一望できるような内容になっているので、最初に勉強を始めようという!ときに非常に役に立ちます。

とはいえぶっちゃけ最初に勉強始めよう!って段階では新書でも難しいというのが正直なところです。文章は堅苦しいし、大学受験はしたんでしょ?ならわかるでしょ?と言わんがばかりの難しい言葉の連発。もちろん著者によってばらつきはありますが、しんどいなあと思ってしまいます。

YA新書こそ最強

そんなとき私たちの力になってくれるのが「YA新書」。YAとはヤングアダルトの略。つまり、YA新書とは中学生から高校生にかけての若者を読者として想定された新書のことなのです。

このYA新書、子ども向けかよ!ってなめてはいけません。実際に大学でも教科書に指定されることも多いほど内容は非常にしっかりしています。というのも大人向け新書と同様、その道の第一線の専門家が書いているのです。

たとえば、憲法について勉強したいとなったとき大学でよく使われる教科書も実はYA新書だったりします。『憲法読本』という本です。

これらの本は、読者想定が中学生や高校生であるため、使われる言葉も非常にやさしくなっています。さらに、堅苦しい文章はなく、まるで話言葉のような柔らかい文章で書かれています。そのため大人の私たちが読んでも非常に読みやすくわかりやすいのです。

それでいて、内容はその道の第一線の専門家が書いてあるため、非常に充実していますし、子供のために書かれている本であるためか大人向けのビジネス書とかよりもずー--っと内容が誠実であることが多いです。嘘やキベンがないのです。難しい言い回しでごまかすとかは絶対にありえないのです。だからYA新書は最強なのです。

おすすめ本

YA新書とされているのは『岩波ジュニア新書』、『ちくまプリマー新書』と大きく二種類あります。より学問的な印象が強く入門として優れているのが『岩波ジュニア新書』で、どちらかというと学問から生きるヒントをくれるような本が多いのが『ちくまプリマー新書』というような印象を私はもっています。

『勉強する気はなぜ起こらないのか』

まずおすすめするのが、『勉強する気はなぜ起こらないのか』という本。学問から生きるヒントをというイメージのあるちくまプリマー新書らしく、最新の心理学の知見から、どうやったら勉強のやる気が起きるかを解いてくれる一冊。やる気を起こすにはどうすればいいか?と悩む社会人にとっても自己啓発として大変示唆に富む本でありながら、教育心理学のよくできた入門書にもなっています。

『みんな違ってみんないいのか?』

次におすすめするのが、『みんな違ってみんないいのか?』という本。みんな違ってみんないいってよく言うけど本当にそうなの?という非常に身近でわかりやすい問いから始まるこの本。

実は難しい難しいと言われがちなギリシア哲学からポストモダンと言われるような現代思想までの考え方の変遷をさらっと知ることができる本でもあるのです。このような題材を扱っている本でこれ以上にとっつきやすい本はないのではないでしょうか。

『難しい本を読むためには?』

次に紹介するのは『難しい本を読むためには?』という本。難しい本を読むためにどのように読んでいけばいいのかを解釈学の知見を活用し解説してくれます。それこそ難しい古典作品や専門書をこれから読もうとしている人にとっては一度読んでおくと良い本だと言えるでしょう。

『お菓子でたどるフランス史』

フランスの歴史をお菓子というテーマで追うという本です。非常に身近なお菓子というテーマで面白く読んでいると、フランス史も知れてしまうという名著。そしていかにフランスの歴史においてお菓子が大事だったかということも知れてしまうという大変面白い本です。

砂糖の世界史』も岩波ジュニア新書ですと有名ですよね。こちらはなんと著者がヨーロッパ史研究の超大物川北稔大先生。非常に評価が高く、岩波ジュニア新書を語るうえで避けることのできない一冊でしょう。


さいごに

以上より、何か勉強したいなーという分野があったとき私は最初に『岩波ジュニア新書』や『ちくまプリマー新書』から探して読むようにしています(理科系の場合はそれと別に『ブルーバックス』という新書があり、こちらも非常にわかりやすいです)。もっと言えば、特に何か勉強したいわけじゃないときも片っ端からYA新書を読んだりするようなこともしています。

そうやって本を読んでいく中で、これはもっと勉強したいなーというときは、だいたいそのようなYA新書にはおすすめの本の紹介があるので、それを読めばいいようになっています。とにかく優しいのです。

今、何か本を読んでみたいけど、どの本から読めばいいのかわからない人がいたら、YA新書を読んでみるのもいいのではないでしょうか。わたしからは以上です。

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