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Zooming Design オブジェクト思考脳になろう

プログラミングでは「オブジェクト指向(Object-orientation)」を使うことで複雑な製品を開発できるようになりました。

この手法をデザインの世界に持ち込もうというのが今回の「Zooming Design」の考え方です。

一つは製品やサービスを作り上げるためのAtomic DesignやCosmic Designというデザインシステムがあり、もう一方でUXデザインとしてユーザー自身の製品やサービスの位置付けが変わってきているという面があります。

例えば、生活の中で友達に近況を伝えるためにInstagramを使っていると考えるのか、Instagramが生活の主体となりそのためにさまざまな行動をしていると考えるのかということで変化がおきています。1つの製品が機能(ファンクション)と環境(メディア)という2つの側面を持つようになっています。


ユーザーインターフェイスには「Zooming User Interface」という手法があり、現在のハイパーリンクや、BトロンOSでの実身/化身モデルのようなデータ構造としての側面と、マイクロアニメーションを使ってGUIとしてズームしているように見せる側面が一つになり、ユーザーに提供されるのと近い考えかたです。

つまり、Zoomする製品を作るための構造と、Zoomするユーザー体験の2つを一緒にデザインしていく考え方がZooming Designです。製品を作ることと使うこと自体もZoomの構造を持っていることも重要な点です。


狭い「デザイン思考」を拡張する

人類はこれから人工知能やロボット、宇宙への進出など様々なテクノロジーとの関係をつくりあげ人類としての答えを出していかなければなりません。

そこでさまざまなデザインに関する思考や手法に名前をつけていくことで、デザイン思考をもっと未来に進めていきたいと考えています。

デザイン思考がこの時に役に立つようにブラッシュアップしていきたいのです。


まず大切なのが現在のデザイン思考のベースになっている、テクノロジーと人間中心のバランスです。ユーザビリティの観点だけでもこの2つはまず対立するものとした上で、そこに調和を作り出すことをデザインの役割としています。

この点が今後も重要な視点であることは変わりませんが、問題は最近のデザイン思考のイメージが「壁に貼られたポストイット」になってしまっていることです。

多様な立場のメンバーが集まりコミュニケーションを取りながら進めることも人間中心を実現する一つの手段ですが、このことによってデザイン思考の実務が単純化してしまい浅くなっている懸のではないかと懸念を持っています。

そのためこれからのデザイン思考には「複雑さへの対応力」が必要だと考えています。物事をオブジェクト思考で考え、Zooming Design手法をチームで共有することができれば、デザイン思考が単なる理念や指針ではなく、また開発初期の顔合わせミーティングに終わらせず、これから人類が立ち向かうテクノロジーへの取り組みに対して、デザイン思考によって解決案を作り出すことができるのではないでしょうか。



オブジェクト指向(開発のための構造)、オブジェクト試行(体験可能なプロトタイピング)など、オブジェクトベースのデザイン思考を「オブジェクト思考(志向)」として体系的に研究し実践に向けて進めていきたいと考えています。








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