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会えなかった赤ちゃん〜心を整理するためのnote〜

先日、お腹の中にいた赤ちゃんとさよならしました。私にとっては2回目の流産となります。

こうしたお話はなんとなくオープンにしてはいけない雰囲気があるので書いてよいものかどうか…

でも「私の中にわずかな期間でも宿った命をなかったことにはしたくない」そう思い、記事を書くことにしました。

自分の気持ちを整理するためのnoteです。

不妊治療中の方、流産・死産経験者の方、また置かれている立場によって不快な思いをされる方がいらっしゃるかもしれません。

生々しい表現も出てくるのでここから先を読みすすめるかどうかは、ご自身の判断でお願いします。

1. 6年かかって第一子を妊娠、そして出産

妊娠しにくい体だとわかったのは結婚してすぐのことでした。

それから6年をかけて、ようやく第一子を妊娠することができました。この過程も色々ありましたが、話が逸れてしまうので、割愛します。

妊娠初期こそ入院しましたが、その後の経過は順調で出産も無事に済みました。

この経験から、妊娠に至るまでが大変で、妊娠さえすれば大丈夫という誤った認識を持ってしまったのかもしれません。

2. 第二子を妊娠したものの…

赤ちゃんが授かりにくいことはわかっていたので、第一子の授乳をやめ生理再開後、すぐ不妊治療を開始しました。思いの外、早く妊娠することができました。第一子では妊娠中、特に何も問題がなかったため、産めるものだとばかり思っていました。

赤ちゃんの心拍も確認でき、不妊治療のクリニックを卒業、次は産婦人科へ行くというタイミングでした。

ある日、尿に血が混ざっていることに気が付きます。数日前から色が濃い気はしていたのですが、さほど気に留めていませんでした。あれは血だったのかと、この時、初めて気がつきます。そして慌てて産婦人科へ。

と言っても診察前までは楽観的で、「切迫流産かな、しばらく安静にしていなくちゃいけないな」ぐらいの気持ちでした。

しかし、いざ診察となり、エコーを見てみると、明らかに心拍が確認できない状態でした。

「次回の診察で掻き出す手術をする日程を決めます。」と言われ帰宅。

結局、次回の診察を待たずに、自然排出されました。

激しい腹痛と大量の出血。1週間ほど寝込みました。

ある時、大量の何かがドロっと出ていく感覚があり、もしかして赤ちゃんが出たのかなと思ったのですが、その時は知識がなく…

このことは今でもとても後悔しています。

次の診察の際、きれいさっぱり何も残っていない状態に先生も驚いていました。もう手術は必要ないと言われました。

初期の流産は染色体異常だから仕方がないというのはよく言われることですが、頭は理解しても心は理解してくれません。

カフェイン入りの飲み物を飲んだせいか
体を冷やしてしまったせいか
イライラしてしまったせいか
たくさん動いてしまったせいか

あげればキリがないほど、

様々な原因を考え自分を責めました。

その後、治療を再開しますが、うまくいかず、時間はどんどん過ぎて行きました。

そんな折、アメリカ行きが決まります。

もうそろそろ、子どもはあきらめなさいと言われているのかな…

治療はやめ、渡米しました。

3. 今度こそ!

アメリカに来てしばらくすると生理が止まってしまいました。そして、婦人科に通い始めます。自力での妊娠は無理だとわかっていましたが、せっかくのアメリカ生活で日本にいた時のように治療に振り回される生活はしたくなかったので(そしてお金の問題も…)、高度な治療はせず、排卵誘発剤をもらうだけの通院となりました。

やっぱり難しいよなぁ…なんて思っていたところ、まさかの妊娠。

しかも流産した子と同じ予定日。

「5年ぶりにあの子が戻ってきてくれたのかもしれない!」

とうれしくなりました。同時にまたあの悲しい出来事を繰り返すかもしれないという不安も頭をよぎりました。

前回は、「まさか私が流産なんて」と思っていましたが、今回は流産、死産はあり得るという前提で、それでも少しでもお腹の中で一緒に入られる時間に感謝して過ごそうと決めていました。

年齢的にもこれが最後の妊娠だろうと覚悟もしました。

前回のように後悔はしたくないから、できる限りのことはしよう

どんな結果になっても、この子がお腹にきてくれたことに感謝しよう

そう自分に言い聞かせて…


前回流産した週数を過ぎたとき、もしかしたら産めるかもしれないという淡い期待が生まれます。

しかし、その期待はすぐに消えることに。

ある朝、ピンクの血がうっすらトイレットペーパーに付きました。

あ、また来てしまった。

アメリカでは妊娠がわかっても8週〜10週にならないと予約がとれません。私の予約はまさに明日というタイミングでした。

ドクターに出血の件を連絡すると、「少量の出血であれば、よくあることだから心配しなくていいよ」と言われ、翌日の受診を待つことに。

しかし、午後になって、大量に血が出てくるのを感じました。念の為当てておいたナプキンには鮮やかな血が…

前回の経験からもうだめだと思いました。

腹痛を抱えながらもなんとか子どもを学校まで迎えに行き、帰宅後はベッドにバタリ。

子宮が収縮する痛みを感じながら、あぁ、これはあの時の感覚だと、5年前の悲しい記憶が甦ります。

前回は出てくるまでに1週間かかったはず、今回はそれより長い妊娠期間、出てくるまでもっと時間がかかるのかな…なんて思っていると

トイレに行ったタイミングで、ドサッとなにかが落ちるのを感じました。

その中に白い小さな丸いものが、

「あれ、もう出ちゃった!」と思いました。

前回の流産では、気づかずトイレに流してしまったので今回はネットで調べた方法にそってジップバッグにいれて保存しました。

さっきまでの激しい腹痛が嘘のように収まっていきました。

翌日、昨日までお腹にいた赤ちゃんを持って、病院へ。いざ車のエンジンをかけようと思うとどっと涙がこみ上げてきました。これでは運転できないと、自分を落ち着かせて、深呼吸して、ハンドルを握ります。病院の駐車場について一安心、赤ちゃんを見てまた涙が溢れてしまいました。

一旦、気持ちを落ち着かせてから、建物へ。

看護師さんに、事情を説明しはじめたらまた涙が。

看護師さんはもちろん、後から入ってきた先生もとても優しくしてくださいました。

出てきたものを見せると、「胎盤かもしれないから、まだ希望は捨てないで。エコーで見てみましょう」と先生。

You passed everything.

と聞こえたとき、あぁやっぱりだめだったか、と、

わかってはいたけれど悲しい現実をつきつけられました。

子どものようにシクシクと泣く自分。

こんな風に泣いたのはいつぶりだろう。

前回ですら、人前では泣かなかったのに。

先生が残った物をすべて取り出し、お腹の中を綺麗にしてくださいました。

先生が気持ちに寄り添ってくださったことが救いでした。

4. 悲しみとどう向き合うのか

覚悟はしていたけれどやっぱり悲しくて、少し落ち着いたと思ったら突然涙ができたり、感情はジェットコースター状態

血も、涙も、鼻水も、体からあらゆる水分を大放出しました。

とても悲しかったです。


2人目の赤ちゃんを流産したあと、ずっと忘れることはできませんでした。

その年頃の子を見ると、二人の子どもを連れた自分を想像して、もしあの時、生まれていたら、今はこんな感じなのかな?なんてつい想像してしまいます。

どこか別の世界で自分があの子と一緒にいるんじゃないかなんて、パラレルワールドを生きているような感覚になることもあります。


今度はこの想像に3番目の赤ちゃんが加わるのかな

また胸がチクリと痛むことが増えちゃったな

3人いたら楽しかっただろうな

産みたかったな


でも私はこの悲しみを克服しようとは思っていません。

悲しみを抱えて生きることが私の中に宿った命の記録だと思っているからです。

たぶん、流産してよかったなんて思える日は一生来ないと思うし、もし生まれていたら、今頃は何歳だなと計算するクセもたぶんずっと消えません。ずっと引きずると思います。というか引きずるつもりです。

それでいいと思っています。

「流産の乗り越え方」なんて検索もしてみましたが、何か違うなと思いました。

乗り越える必要はないのかもしれない

私はこの悲しみと一緒に生きていく

自分なりに出した答えです。


でも何より、1番忘れたくないのは、短い期間でもお腹に来てくれたことへの感謝の気持ちです。

会うことはできなかったけれど、

私のお腹に来てくれてありがとう!

ダルさも、頭痛も、腹痛も、吐き気も、便秘も不快なはずの感覚ぜんぶ幸せでした。

一緒に過ごす姿を想像する時間は何より幸せでした。

特別な時間をありがとう!

5. 結びに

今日は私の誕生日です。(急にアピール!?)

改めて命が生まれることの奇跡を感じています。

ここまで育った自分自身も奇跡なのだと自らの命に感謝し、

産み、育ててくれた親に感謝し、

無事に生まれ育ってくれた第一子の成長に感謝し…

様々な命の奇跡に感謝しながら、

会うことが叶わなかった赤ちゃんたちに思いを馳せることにします。


不思議なことに、今回は前回に比べて順調に体が回復しています。妊娠期間や年齢は関係ないんだな、なんて冷静に捉えている自分もいますが、

まだ時々痛むお腹、なんとなく残る倦怠感、ここに赤ちゃんがいたことを証明してくれているような気がして…

この感覚が消えてしまうのが寂しいというのが正直な気持ちです。


こんなわけのわからない、グチャグチャした気持ちを今はまるっとそのまま受けとめようと思います。

生々しい文章、自己満足の日記となりましたが、ここまでお付き合いくださった皆様ありがとうございました。

しばらくnoteはお休みするつもりです。(もうすでに最近お休みモードではありますが。みなさんの記事も読めておらずごめんなさい…)スキのお礼やコメントの返信など遅くなります。

お読みいただきありがとうございました。



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