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採用は「直観」で決めろ!客観より直観が勝る理由

あなたは人材採用の際に、なにを手がかりに採用を決定しますか?採用試験の結果でしょうか?あるいはこれまでの職務経歴でしょうか?それとも自分の「直観」を信じますか?

「直観」で採用を決めるというのは、少々荒っぽい印象を受けますが、実は直観に頼ったほうがより正確な採用ができる場合もあるのです。


将来を予測して判断することはできない

採用試験の結果が、自分の会社の実際の業務に完全に一致しているのであれば、試験結果に頼るのは正しい選択だと思います。
しかし、一般的に採用試験の良し悪しと、その後の仕事のパフォーマンスが完全にリンクしていることは少ないでしょう。試験によって一般的な教養が高かったからといって、必ずしも仕事ができるとは限りません。

同様に、過去の職務経歴や仕事の実績は、たしかに参考にはなると思いますが、あなたの会社で必ずしも同じ成果を出せるという保証はありません。似たような仕事であったとしても、組織文化、職場の同僚など、おかれた環境が異なるからです。

つまり、新たに採用した人材があなたの会社で高いパフォーマンスを発揮できるかどうかということは、これからの未来を予測することであって、不確実性が高く予測困難だということです。ましてや新しい仕事が、例えばマーケティングや研究開発のような複雑な仕事であればなおさらです。

「直観」や「勘」を頼りにする

では、どうすればいいのでしょう。マックス・プランク研究所の認知科学者ゲルド・ギゲレンザーは、3つの実験を通じて「直観」や「勘」の方が人事選考においては、むしろデータや分析に頼る判断より、正確な決定を下せることを発見しました。

一般的に人事採用においては、いわゆるバイアス(先入観や偏見)をできるだけ排除するように言われます。客観的かつ合理的に選考しろということです。
しかしいくらデータを分析しても、将来の予測を正しくするのは難しいことです。また、予測精度を上げるためにデータ量を増やせば、かえって混乱を招き、結局どう決断したらよいか迷ってしまうかもしれません。

そのような状況下では、むしろこれまでの経験則に沿った「直観」や「勘」で判断したほうがより良い決断を下せるのです。

予測困難な状況下では、複雑なデータを詳細に分析する代わりに、その人のこれまでの経験や信念に照らし合わせながら、重要な情報に焦点を当て、意思決定をしたほうがより正確なのです。

研究者のギゲレンザーも「less can be more(少ない方が多い)」と、述べています。

ただし、これには条件があります。その人事担当者のこれまで様々な経験に裏打ちされた「玄人」の経験則であるということです。素人の当てずっぽうでは、やはりダメだということです。(そういった意味でも、日頃から「勘」を鍛えるための様々な経験積むことが、人事担当者には求められるといえます)


とはいえ、「直観」だけに頼るのは、あまり賢い選択とはいえません。様々なデータを参考にしながらも、最後は自身の経験に照らし「直観」に信じたほうがより良い決断を下せるということはお忘れなく。


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