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初日の出と 三百六十五歩のマーチ

 元旦の今日も、こざるちゃん達は いつも通りに起きます。
そして 初日の出を見ます。

「昨日と今日は、他の日と同じように続いていて、
特に変わったふうでもなくて同じなのに、
大晦日と元旦は、同じ昨日と今日でも、どこかが違って特別なんだね。」
こざるちゃんが、神妙な顔つきで、
ちょっと難しいことを言います。

「なんだか哲学的だね。」
「そうか、哲学的なんだね。」

 わかったような わからないようなことを言って、
ふむふむと納得していると、お日さまが顔を出し始めます。

「わぁ、初日の出だね!」
こざる達の顔も、オレンジ色に染まります。

「りこちゃん、起きてるかなぁ。」
こざる達は、りこちゃんの部屋で一緒に年越しをして寝ましたが、
今朝は、りこちゃんは、まだスースーとよく寝ていて、
みんな そーっと起きてきたのです。

「りこちゃんは、きっと夢の中で見ているよ。」
「うん、そうだね。」

 こざる達は、朝御飯の仕度を始めます。
元旦なので、お節を食べます。
りこちゃんのために、食べやすく、小さくします。

「お箸もお正月のお箸だよね。」
こざるちゃんが、用意しておいた祝い箸を並べます。
片方の端は神様、もう片方の端は自分たちが料理を口に運んで、
一緒に食べるのです。

 ラジオからは、元気な曲が流れてきます。
水前寺清子の『三百六十五歩のマーチ』です。
こざる達は、お節を運びながら、一緒に元気よく歌います。

「しあわせは、歩いてこない、だから歩いてゆくんだね。」

みんな、自然とニコニコして、歌いながら並べます。

「りこちゃん、起こしてくるねー。」
こざるちゃんが、りこちゃんの部屋へ歌いながら向かいます。

 こうして また新しい年が始まります。
いつもと同じですが、やはりお正月は、ちょっぴり特別です。


いつも読んで下さって、どうもありがとうございます。
皆さまにとって、良い年となりますよう。
今年もよろしくお願いいたします。 (^_^)


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