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その9 僕は多分、この日を一生忘れない
後期試験1日目夜、おそらくなんとかなっただろうという感触だった。
2日目は面接だけなんで比較的余裕はある。うちの大学は医師を志した理由とかそんなことは聞かれず、医療倫理について問う面接だった。
ちなみに僕の時は
・腎臓片っぽ売ってお金儲けるのどうよ
・超高齢化社会どうよ
・忘れた
とかだった気がする。現役は一律に点数が与えられ、やばいやつだけ落とすシステムだと聞いた。
本当にやることがな
その3 扉の向こう側の奇跡
話は少し戻って高3の4月
新年度になり、通っていた塾のクラスも新しくなった。僕は英語数学物理化学を習っていた。
物理のクラス。初回。扉を開けたら同じ高校のやつがたくさんいた。他校の知り合いも数人いた。これはうるさくなりそうだ。
そう思っていた時。
ガチャッ。
えっ。
さやが入ってきた。そして座った。
おいおいまじかよ。
仕
その2 告白のシナリオを奪う、一通の悪魔
高3の春。我が母校で一世一代の大イベント、体育祭が迫っていた。
さやを呼ぼう。
例外は勿論いるが、僕の母校の生徒は大方、体育祭をこよなく愛している。僕もその一人。さやにも体育祭の話は当然していた。僕の母校出身の男どもが振られる理由は体育祭の話しかしないからという都市伝説もある。とにかく熱い。リアルに1年間かけて準備する。体育祭が終わったら晴れて受験生となるのだ。
優勝
その1 それは突然、一目で始まった恋
あまりにも毎日が平凡だった。朝から病院行って合間にゲームしてタスクをこなして夜前に家に帰る。たまに部活に行って筋トレもして、プロテインを飲んで。
僕は自分の人生の意味を見失っていた。
僕は医療を勉強すればするほど疑問を抱かずにはいられなかった。本当に長生きすることが美なのか。医療費の圧迫でしわ寄せを受ける若者。無償の残業。命を扱うというのに安い稼ぎ。喫煙歴何十年の生活保護受給肺がん患者を無償で救