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反抗期の子どもの「売り言葉」を買ってしまった未熟な私

おしゃべりな姉の影響か、本をたくさん読んだせいか、息子は、おしゃべりで「弁が立つ」タイプになりました(なってしまったと言った方がいいかもしれませんが^_^;)。

そんな息子が反抗期を迎え、親子で衝突することが多くなった時の話です。

言い合いになったときの息子は、あの人の話し方に似ている

無言で何も言ってくれないより、衝突するくらいの方がいいやと、最初は思っていました。
でも、それは楽観的な考えでした。

弁の立つ息子の言葉は、私の脳では処理が追い付かないことが多かったからです。

最近、YouTube動画を観て、息子の話し方に似ている人を見つけました。
名前を見たら、きっと大変さを分かってくれると思います。

2ちゃんねるの開設者ひろゆきさん
メンタリストのDaiGoさん

普段の話し方ではなく、言い合いになったときの話し方が似ているのです。

息子と衝突するときは、息子の問題について話すとき。
それなのに、いつしか別の問題や私の問題に置き換わり、論破されるのです。

こちらが冷静に話をしようとしても、息子はファイティングポーズで構えていて、棘の付いたグローブで、私の放った言葉もろとも打ち返してきます。
時には、倍返し、先制パンチをしてきます。
普段は、私の話を半分も聞かないくせに、こういうときは、私の一言一句を聞き逃さず、どこから攻めようかと真剣です。

何故そうなったか分からないままに、最後には私が謝っていることがあるのです。
私の考えが間違っているのか、私が悪いのか、と思ってしまうような流れに持って行かれるのです。

思いが伝わらなくて、悔し泣きをしたこともあります。
行き場のない感情から、弁が立つ息子なんて厄介でしかない、読み聞かせなんかするんじゃなかったと泣きながら思うこともありました(´;ω;`)ウッ…。)

そういう息子なので、どういう流れで話そうか、どう言ったら素直に聞いてくれるのかをいつも考えましたが、息子の機嫌に左右されることもあり、同じ方法がうまくいくとは限らず、本当に厄介でした。

息子から買ってしまった言葉

対戦ゲームをすると、いつも「死ね」という言葉を連発する息子。
特に、オンラインゲームで負けたときの「死ね」は、側で聞いている私や娘の気分まで悪くなる言い方をするのです。
その度に、言うのを止めて欲しいとお願いしましたが、息子は聞く耳を持ちません。
若い子たちの間では、「死ね」は軽い言葉らしく、友達同士でも気軽に使っていると言うのです。

ある日、息子と言い合いになったとき、とうとう私に「死ね」と言ってきたのです。
いつも冷静さを心掛けていた私も、仕事で疲れて気持ちに余裕がなかったこともあり、かなりカチーンときて、言ってはいけないことを息子に言ってしまったのです。

「一人では何もできないくせに偉そうに。自分の力で生きているなら百歩譲って許すけど、世話になっているうちは、親に「死ね」なんて許さない。ふざけんなよ!お前こそ、死ね!

言ってすぐ、やっちまったーと思いました。

論破されなかった喜びも束の間

さすがに息子も「死ね」と言ってしまったことを反省しているのか、珍しく反撃をしてきませんでした。

少しして、お互いが冷静になったので、私は息子に言いました。
「お願いだから、「死ね」と言わないで。高校生なんだから、レベルの低い言葉は使わないで欲しい。」

息子は黙って聞いていました。

(私の思い、久しぶりに伝わった。子どもに「死ね」と言ってしまった後悔は、心の片隅にしまっておこう。)

そう思ったのも束の間、息子が私に言ったのです。
「死ねと言ったママも、死ねと言った俺と同じレベルだよね。」

やはり、来たか。
そういう展開になるのではないかと心配をしていたのです。
ひろゆきさんであり、DaiGoさんである息子が見逃すはずがありませんでした。

息子が小さい頃に、私から言われた「バカと言った人がバカだからね。」をしっかり覚えていたのです。
それと同じことをあなたはしましたよ、という反撃です。

息子と似ている私も素直ではありません。
ここまで来たのだから、今日こそは悔し泣きをしたくない。
私は脳みそをフル回転させて答えました。

「違うよ。あなたのレベルに合わせて言っただけ。大切な息子に「死ね」なんて、普通に考えて言うわけがないでしょ。」

我ながら、うまく返せたと思いました。
「死ね」と息子に言った言葉を回収できた!

とはいえ、息子からの反撃で、私の気持ちはとても落ち込んでいました。
常に冷静であることは難しいと思っていたけれど、「死ね」と子どもに言うなんて、自分の未熟さにがっかりしたのです。

息子は、ニヤニヤしながら「ふーん。」とだけ答えました。
きっと、自分が勝ったと思ったのでしょうね。
これ以上つっこまないという、勝者の優しさに救われました。

反抗期の子どもと同じ土俵に立って、いいことはないってことですね。

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反抗期に放つ言葉の重みは、0g。
たまに、私と息子の記憶が違っていることがありました。
私「この前、〇〇って言ってたよね?」
息子「言ってないよ。〇〇って考えたこともない。ボケたんじゃないの?」

こんな会話が何回かあり、私は自分の脳を心配したのですが、会話を側で聞いていた娘のおかげで、息子の方が言ったことを忘れているだけと分かりました。
機嫌の悪い時にした会話を覚えてないことが多かったように思います。
思春期の子どもの心は、日々、揺れ動き、不安定なんだなと実感しました。

子どもがイライラして発した言葉ほど、真に受けてはいけませんね。
「女心は秋の空」ならぬ、「思春期の心は秋の空」だと思って会話をした方が良さそうです。

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