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群盲評象2023(370過去記事、2023年12月末まで)

370
本マガジンは、2023年1月1日から2023年12月31日までの365日分、桜井健次(筑波大学数理物質系名誉連携教授、イメージング物理研究所長)が毎日投稿するエッセイを収録します… もっと読む
現代は科学が進歩した時代だとよく言われますが、実のところ知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な… もっと詳しく
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記事一覧

2023年note振り返り

私がnote の毎日投稿を開始したのは、2019年12月29日です。ちょうど4年を過ぎ、5年目に入ったところです。初日から毎日連続の投稿を続けており、1500日が視野に入ってきました。 皆様のところには、note運営事務局から「2023年の記録」というものが送られてきたでしょうか。 そういえば、1年前も、2年前も、3年前も同じようなのを頂いたようです。すっかり失念していましたが、当時も個人的に振り返りをしたのではないかと思われます。 SNSには功罪両面あり、いまの時代に

雪を見に行く

人生はひとつの旅であり、また本物の旅にも人生の一面が投影されます。そのため、旅論は人生論でもあります。8世紀、唐の時代の著名な詩人、李白の「春夜宴桃李園序」には「夫天地者萬物之逆旅 光陰者百代之過客」とあり、日本の江戸時代、17世紀の俳人、松尾芭蕉の「おくのほそ道」には「月日は百代の過客にして ゆきかふ年も又旅人なり」とあります。 毎週土曜日、「旅」、「旅行・トラベル」、「旅のような人生の道のり」といった「旅」に関係するワードをテーマに含む短めの記事をお送りします。抽象的な

真の終焉とは

最後の日の翌日って、どんな感じ? えっ 翌日があるならば、その日は最後の日ではないんじゃないの? それをありにしたら、最後の日だらけになりそう みんな終末論大好き、最後の日詐欺だよ 宇宙の終焉は好き嫌いの問題ではなく一種の法則だよ その結末が静的なものか、劇的なものかは議論が分かれるけれど 宇宙が終わる!って言われたら、さすがに逃げ道がないか エントロピーが頭打ちになる熱的死(ビッグフリーズ)の場合は、あらゆるものが変化しなくなる ビッグリップの場合は、あらゆるものが

羽根のない風力発電

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

温暖化? 崩落するケーキ

毎週水曜日、「水」または「水曜」に関係するテーマの短編記事または漢詩または合成画像を作っています。 2023年は有名百貨店が販売するブランドのクリスマスケーキのトラブルが多数発生して話題になりました。過去何年かは同じような商品のケーキが無事に配達されていたのが、2023年になってこのようなことになり、いったい何が起きたかということで騒然となりました。食品を冷凍して輸送する手法は一定程度確立されているでしょう。特にこうした細かいデコレーションもされているケーキで生クリームなど

月はいつできたのか

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

モミの木がなくなった

ねえねえ、昔、クリスマスツリーにモミの木が使われていたんだって! そんな時代もあったよ イエス・キリスト生誕と何の関係もないトナカイや、サンタクロースと一緒に世界中で大流行した 雪が降らない中東のベツへレムで生まれたのだから、本来はラクダが歩く砂漠、それにサボテンなんだろうが、商業主義やエンタメとマッチしない そうだったの? では、どうして、モミの木はなくなってしまったの? かつてキャンドルに火をともし、モミの木に飾り付けていたよ 本物の木と火だから、火事になる心配もあ

キックバック

2023年から、毎週日曜日、マガジンご購読者のみがお読みいただける特別記事(タイトル以外は非公開)をお送りしております。 現代はインターネットの時代ですので、note に記事を普通に書けば、見知らぬどなたの目に触れるともわかりません。それが新たな出会いやコミュニケーションのきっかけを生む可能性があり、楽しく有意義です。 他方、昨今は、いろいろな問題に対し、特定の主流意見と、それに対立する意見に二分され、溝が生まれることも多くなりました。2020~2023年で言えば、COV

冬至の日は旅に

人生はひとつの旅であり、また本物の旅にも人生の一面が投影されます。そのため、旅論は人生論でもあります。8世紀、唐の時代の著名な詩人、李白の「春夜宴桃李園序」には「夫天地者萬物之逆旅 光陰者百代之過客」とあり、日本の江戸時代、17世紀の俳人、松尾芭蕉の「おくのほそ道」には「月日は百代の過客にして ゆきかふ年も又旅人なり」とあります。 毎週土曜日、「旅」、「旅行・トラベル」、「旅のような人生の道のり」といった「旅」に関係するワードをテーマに含む短めの記事をお送りします。抽象的な

森の番人

振り返ると、そこは暗闇だった 目を凝らすとかろうじて一筋の光が見えた あれからだいぶ時間が経った 相変わらず、暗闇のなかにかろうじて光の筋が見えた だが、よく見ると色が違っているようだ いまでは青みがなくなり、赤みを帯びている これはドップラー効果だろう 暗闇のかなたにあるものは、まるで逃げるように遠ざかっているのだ しかも逃げ足が速まっている ということは、光の波長はやがて肉眼では見えない赤外線領域になってしまうのか この原理は宇宙観測に用いられている ジェームズ・ウ

6Gの時代がやってくる

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

平穏な港町

毎週水曜日、「水」または「水曜」に関係するテーマの短編記事または漢詩または合成画像を作っています。 日本は海に囲まれた島国であり、全国いたるところに港があります。そのような環境で生まれ育った日本人は他の国の国民以上に港町や海岸が大好きなのは当然ともいえるでしょうか。今日は、ノスタルジックな港町を描きましょう。 今回の作品は、これです。

再び大陸が1つになるとき

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

200周年

パイプオルガンの音が厳かに響いている とても明るくてまばゆい 壁にかけられた巨大な絵画はあまりにも生き生きとしていて、会場の参加者と見間違えるほどだ 同じ光景は100年前にも見られたそうだが、いまここにいる人々にとっては、初めてだ 昨夜、突然、この街で1番明るい場所になった そこに全員集まるのだという話がどこからともなく広がった こんな場所でこんなイベントがあるなんて ピポパ っという音が聞こえた いや、TA-RAーHA だったかも 聞いたことのない宇宙語の可能性がある