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今さら聞けない!MaaS マース?

こんばんは。けいえすです。

コロナ禍において、人間の移動そのものが一気に減少してしまったせいで、盛り上がりを見せかけていたMaaSも少し下火になってしまったような気がしています。

2019年→2020年にかけては各社も様々な実証実験から、実用化に向けて動いていましたが、公共交通機関の利用や、モビリティのシェアリングに対して抵抗感が出てきていますが、モビリティの今後について考えていきたいと思います。

MaaSとは?

マースと呼びます。塩ではないですよ。

Mobility as a Service
あらゆる交通手段を統合し、移動する人にとっての最適ルートを最適な手段な組み合わせで、移動というサービスを提供すること

これまでは最寄りの駅to駅を頼りに検索をしていたかと思いますが、地点to地点、今いる場所から行きたい場所を検索して、最適な移動手段を提案してくれるのがMaaSです。

例えば、東京タワーの麓から次は東京スカイツリーまで移動しようとしているとします。

これまでであれば、神谷町駅から押上の駅の乗換案内をナビタイムやYahoo乗換で検索して、安く行けるルート、早く行けるルート、乗り換えが少なく済むルート、が検索結果として出ていたかと思います。

これがMaaSの世界になると、単一の移動サービスだけではなく、複数の移動サービスを掛け合わせて、最適解を導き出してくれるようになります。

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さらに重要なのが、単なる移動手段の検索ではなく、その手配や予約、支払いまで含め、ワンプラットフォーム上で全てが完結させることが可能となるサービスになります。

CASE

MaaSを考えるうえで重要なキーワードとして、CASEがあります。

Connected  つながる
Autonomous 自動運転
Share&Service シェアリング・サービス
Electric   電動化

この4単語の頭文字をとってCASEです。

もともとは、ダイムラーが2016年に発表した考えをルーツとしています。電動車に特化したベンツのブランド「EQ」を発表したのですが、同時に中長期戦略を語る中でこの「CASE」という考え方が披露されました。この頃からCASEという言葉は、自動車業界を超えて、モビリティ業界では目指すべき世界観ということで共通認識を持たれるようになりました。

さらにトヨタ自動車の豊田社長も、2019年の決算発表時においては、トヨタは自動車を売る会社ではなく、モビリティサービスを売る会社「モビリティカンパニー」に生まれ変わると発表されていました。

このように、車はつながり、人間の運転から自動運転へ、所有から利用へ、ガソリン車から電動車へと進化しようとしています。進化の先に、自動車も単なる移動サービスの一つとなり、MaaSの世界観が一気に広がりを見せようとしています。

そのためトヨタ自動車はじめとして自動車メーカーは、これまでのように自動車を製造して販売するという事業から、CASE化した自動車をモビリティサービスの一つとして、MaaSの世界観の中に提供していこうと、MaaSのためのプラットフォームづくりを急いでいます。

MaaS 実際の取り組み事例

世界で最も有名な事例としては、フィンランドの「Whim」というサービスでしょう。

さらに、ウーバーやグラブといったいわゆる配車アプリも、配車から決済まで含んでいるという点では、MaaSの一種であると言えます。

日本ではどうでしょうか。自動車会社よりも、鉄道会社を中心に取り組みを発表しているイメージがあります。

JR東日本 MaaS・Suica推進本部の設置

東京メトロ 大都市型MaaS「my!東京MaaS」始動!

日本においてMaaSは普及するのか?

yes

日本(東京)は、Suica/PASMOといった、ICカード決済が広く普及しており、鉄道・バス・タクシー・bikeshareなど、フィジカルに決済が行えているため、あとはフロントとバックエンドをどのようにつなげていけるか次第であると考えます。

地方はまた問題が異なりますが、少なくとも東京都心部においては、オートチャージSuica/PASMOがあれば、どこからでも家まで辿りつくことができるでしょう。

そのため、どの交通事業者も連合を組んで盛んにMaaS世界に向けた実証実験を重ねていますが、結局誰がイニシアチブをとって進めるのか課題であり、各事業者が好き勝手にあちこちで似たようなことをやっている印象があります。課題です。

ですが、個人的には東京都内におけるMaaSの必要性は?と疑問を抱いてしまう部分もあります。

既にこの狭い都内において、これでもかというほどに電車・バスの交通網は張り巡らされ、タクシーが捕まらないなんてことも余程のイベントでもない限りありません。さらにドコモbikeshareもあちこちに設置されていて、どこからでも乗れて、どこにでも乗り捨てできるような状態になりつつあります。

広い国土を持つ国、あるいは交通網が未発達な国においてはMaaSの可能性は大きく感じますが、この狭くて既に交通網が発達している日本(東京)では、真に求められているサービスなのかどうかは、いささか疑問ではあります。MaaSという世界のブームに乗っかっている感は否めません。


ですが、より便利な移動サービスとなるのであれば、当然ウェルカムですし、交通弱者と呼ばれる地域が日本各地にあることは事実なので、今後広がっていくことに期待です。


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