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働き方改革というか「定時なんで帰りまーす」と言える当たり前の状態にするのが先なんだろう

■ 定時を過ぎても帰らない職員とそのタイプ


定時になっても帰らない職員がいる。
これはいくつかタイプが見られる。

1つめは、単純に自分の仕事が残っている。
その日のタスクが終われば、とっとと帰るつもりだ。

2つめは、他の人の仕事が終わるのを待っている。
自分以外の人が担当している仕事の進捗を確認できしだい帰る。

3つめは、帰ってもやることがないので何となく職場にいる。
残業しているわけでもなく、職場にいる人が少なくなると仕方なく帰る。

4つめは、帰りたいけれど残業している人がいるから帰らない。
他の人がまだ仕事をしているのに自分だけ帰るのが、何となく気まずい。

5つめは、担当ではない業務や雑務を率先して行っている。
周囲がやらなくていいと言っても、謎の使命感をもってずっと残ってやる。

――― これら5つのタイプは、バラバラなように見えて共通点がある。
それは「他人」に主導権を握られていることだ。


■ 帰れない原因は「他人」を軸としているから


まず、「自分の仕事が残っている」として、その日の仕事を終わらせることは基本ではあるが、その仕事量を決めているのは「他人」である。
役割や責任で考えるとスケジュール配分などは自分が決めているわけだが、元々の作業指示を出しているのは上司や職場という「他人」である。

定時を過ぎる状況が単発的ならば別として、慢性的になっているならば仕事量を見直すなどの対処は必要である。

次に「他の人の仕事が終わるのを待っている」は、例えば上司が部下の作業が無事終わったら帰ろうと思っている場合がある。また、社外の委託している業者からの連絡待ちということもあろう。
ただし、自分の仕事が終わっているとして、ただ待っているだけで職場に残っている状況というのは、無駄とまでは言わないが何だかもったいない。

よほどのトラブルが想定される案件以外は、確認せずとも以降の仕事が円滑に進むような体制にすることも考えたほうが良いと思う。
(仕事帰りに一緒にご飯を食べる約束をしているので、同僚の仕事が終わるのを待っているならば平和的な理由なので良いだろう)

また、仕事とプライベートは分けるとか主張する人がいる時代において、「帰ってもやることがないので職場にいる人」は意外にいる。
別に仕事人間というわけでも愛社精神があるというわけでもなく、単純に知っている人・話し相手になってくれる人がいるからいるだけだ。
こう言っては何だが、おそらく寂しさや孤独が原因だと思う。

人恋しいかどうかは分からないが、プライベートで何もやることがないから職場に残っているというのは本人の問題すぎるので何とも言えない。
余計なお世話だろうが、一人でも楽しめることを探してみても良いと思う。

4つめの「残業している人がいるから」というのは、いかにも他人の目を気にする日本人らしいと思う。しかし、このグローバル化が進んでいる社会において、もはや日本人らしいで済ませられなくなっている。
仕事は定められた目的のために役割が与えられているが、そこには期待される成果を出すだけでなく、就業時間も意識・徹底するのが基本である。

最初は慣れないかもしれないが、自分の仕事が終わっているならば定時で帰るようにしよう。定時で帰ることを誰も気にしないから、安心してほしい。

最後の「担当以外の業務を率先して行っている」だが、これはある意味で重症だと思う。一見すると善意で仕事好きのように見えるが、実のところ他人から評価されたくてやっているように伺える。

熱意は買うが、定時を過ぎて心身を追い詰めるような働き方をしたところで、長期的な評価は得にくいという事実を受け止めたほうが良いと思う。
あと、上司や周囲が「やらなくていい」と言ってもやるのは迷惑なので、とっとと定時で帰るのが大人のあり方だ。


■ 「定時なんで帰りまーす」と言える働き方


根本的に現代の日本人は、定時で帰るという意識が薄い。それは「時間と労力を費やした分だけ報われる」という考えがあるからだと思う。

それは「下手の考え休むに似たり」と同じであって、時間をかけたところで必ずしも良いアイディアや成果が出るわけではない。

むしろ、メリハリをつけて「今日はここまでだな」と切り上げたほうが、次に作業に取り掛かったときに閃きが生まれたり、作業効率が上がるもの。

また、その日の仕事はその日のうちに完結するのは基本だが、実際のところ翌日以降でも問題ない仕事は結構ある。それを区切りのよいところで終わらせようとしたり、翌日以降に何かあったときのために済ませておきたいという心理が湧くのだと思う。

そして何より、他人の存在を意識しすぎだと思う。

そもそも、他人はそこまで周囲に気を払っていない。誰もが自分のことで精一杯だし、真面目に仕事をしているように見えて頭の中は別なことを考えているものだ。

他人に気兼ねせずに「定時になったんで帰りまーす」と言える本来の働き方をしても問題ない。それが普通なわけなのだし。

まずはこれがスタートだ。国や各企業は働き方改革として色々な思案をしているが、その前に気兼ねなく帰ることができる風土を作るほうが先である。

全員に残業をしない風土を作るのは難しくても、定時で帰ることができる人は普通に帰るという、至極当たり前の働き方くらいはできるはずだ。

こうした「当たり前」を増やすことこそが、働き方改革の土台かつ前提になるのではないだろうか。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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