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そのうちAIを活用した詐欺が出るのではないか?

■ 詐欺とは人間の脳を麻痺させることで起こる


いつの世も「詐欺」という犯罪は存在する。
そして詐欺の被害に遭う人もいる。

予めお伝えしておくと「騙されるほうが悪い」とは言わない。
詐欺をするほうが絶対に悪いに決まっている。

警察も行政も詐欺予防に力を注いでいる。それでも世間の多くの人は「自分は詐欺なんかに引っかからない」と他人事である。

しかし、現実には多くの人たちが詐欺被害に遭っている。そして、多額の資産を騙し取られている。

詐欺は大きく分けて2つのパターンがある。

1つは「得」を刺激する詐欺。「✕✕すればお金がもらえる」「今応募すれば△△の資格が得られる」といったもの。
もう1つは「損」を刺激する詐欺。「〇〇しなければ罪になる」「✕✕しないと多額の費用がかかる」といったもの。

これらの共通点は「人間の脳を麻痺させている」ということだ。脳を麻痺させることで正常な判断を奪っている。

具体的には、「得」を刺激するフレーズによって有頂天になってしまい、「損」を刺激するフレーズによって恐怖心を抱く。すると、脳において思考や判断力を担う「前頭葉」が機能低下してしまう。

「自分は詐欺なんかに引っかからない」と自信満々だった人でも、前頭葉の機能低下してしまうと詐欺の手中に陥ってしまう。


■ 「それっぽいもの」を信じて


改めてお伝えするが、悪いのは明らかに詐欺をする側だ。

しかし、詐欺をする側は、人間の脳を麻痺させるような仕掛けをつくるのが非常にうまい。

特に多くの人が騙されてしまような「それっぽいもの」を作るのがうまい。

根拠は全くないのに信憑性をもたせたり、さも自分の資産を増やせるような営業トークをしたり、放っておくと人生がとんでもない事態になるかのような煽り文句を次々と生み出す。

いっそ「小説家にでもなったらどうかね?」と言いたくなる。

しかし、問題なのは「それっぽいもの」を信じてしまう世間の人たちだ。

詐欺に限らず、私たちは根拠や真偽も大して確認しないまま、「それっぽいもの」を素直に信じてしまう傾向にある。

例えば、WebサイトやSNSに流れている情報を鵜呑みにして、それは時には炎上したり、何かしらの事件や事故に発展することも珍しくない。

そうして根拠や真偽を確かめてようやく、フェイクニュースや誰かがウケ狙いで投稿しただけの投稿だったとわかり決まずい状況になる。

「すべてを疑え」とまでは言わないが、素直すぎるのも少し困ったものだ。

情報化社会を生きるならば、「それっぽいもの」に出くわしたときには、根拠や出典元などを確認する癖をつけたほうが良いかもしれない。


■ AI に質問しているうちに詐欺サイトに誘導される


テクノロジーを駆使した犯罪や違法行為も注意しなければいけない。

特にスマホという1台で情報収集・発信、加工などをまかなえるデバイスは犯罪を行う側にとって活用しないわけにはいかない。

そもそも、過去をさかのぼれば携帯電話、PHS、ポケベル、Webサービス・・・といった色々な通信機器やサービスが普及するほどに、それを応用した犯罪や違法行為はカタチを変えて登場した。

それはつまり、新しいテクノロジーが登場し、それが世間で有効だと認知されて、ユーザが増えるほどにそれを活用する犯罪や違法行為も増えるということを示唆している。

「そんなこと当たり前だろう」と言われるかもしれないが、おそらく多くの人は日常的に自分たちが活用している媒体が、犯罪や違法行為の入り口になりかねないということに気づいていない。

例えば、Chat-gpt 筆頭にした対話式のAIチャットサービスがここ数年で注目されており、もはや一部のマニアやエンジニアだけでなく、技術系とは無縁の一般人でも活用している。
すでに色々な業種や企業がホームページやSNSのようにAIサービスを構築しているが、そのうち個人商店でも当たり前になるだろう。

――― しかしそれは、犯罪や違法行為にも活用される可能性が高いということを忘れてはいけない。

これはあくまで個人的な妄想だが、どことも分からないAIサービスに お金の苦労や資金繰りなどを相談しているうちに、気づけば詐欺サイトに繋がっている・・・なんてこともあるかもしれない。

これまでの犯罪は外部からのアプローチだったが、AIサービスを利用している本人は自分の問いかけしている。それに対してAIが答えてくれるだけだから、「AI が自分をだます」なんて思いもよらないだろう。
これもまた思考停止であり、すでに前頭葉の機能低下が誘発されている。

しかし、AI も結局は人間が作りだしたものだ。お金などのいつの世も悩みの種になる問いかけがあったら、表面的にはAI の回答だが、その裏ではうまいこと詐欺に誘導するアルゴリズムが組まれている・・・なーんてことだって今後はあるかもしれない。(もう、あるかもしれない)


――― 詐欺に騙されるのは高齢者という印象はあるが、AI といったテクノロジーの進化が進むほどに、老若男女問わず犯罪に巻き込まれる可能性は広がっていく可能性はある。

一方、年配の方々も「パソコンとか分からない」「こういった機械ものは若いものに任せる」なんて言っている場合ではない。それでも嫌ならばスマホも持たないほうが良いかもしれない(たぶん生きていける)。

ちなみに、詐欺を予防するためには、詐欺のような場面に出くわしたときに前頭葉の機能低下を抑えることがポイントになる。そのためには、訓練などを通じて突発的な事態になっても落ち着けるようになることが大切だ。

例えば、自分の親が高齢でオレオレ詐欺などに遭わないか心配ならば、何度かオレオレ詐欺っぽい電話をかけて体験させることもあって良いだろう。

・・・まぁ何と言うか、このような記事を書いていて思うことは、人間って文化的に進化しても、(詐欺も含めて)やっていることは本質的に変わらないのだなということだ。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめたかたへも、感謝。

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