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大衆の欲望に敏感になる事で大勢を把握し機先を制する事ができる

『銭を得るためには強さではなく、頭を垂れ、(みんなの)欲望に応えようとする弱さが必要である。それは日の本一不器用な信長こそ能うる。』(桶狭間戦記/宮下英樹)

黒衣の宰相・太原雪斎と器用の御仁・織田信秀との会話。
桶狭間戦記で一番好きな台詞です。

要は
「大金を得るためには特筆した能力ではなく、大衆の欲望を見極め、不器用ながらも懸命に応えようとする姿勢が重要である」
といったところでしょうか。

この考えは『センゴク』に於いて、日の本一の人たらし・豊臣秀吉が天下人として大成させます。

器用の御仁・信秀から不器用なる覇王・信長を経て、魑魅魍魎なる民衆さえ飼い馴らす最高の人たらしの天下人・秀吉で完成する貨幣制度は、江戸時代の流通革命を経て、明治の富国強兵へ繋がります。

お金の流れ(経済)は、大衆の欲望(感情)に敏感になる事で大勢を把握し、機先を制する事により得られる。

これは現代に於いても大いに云える事ですね。
戦国時代から本質的な考え方は変わっていない事を実感します。

江戸時代の町民は世界で最高峰の経済感覚をもっており、日本は世界屈指の経済大国でした。
大坂は天下の台所として、世界有数の市場相場だったと云えます。

経済大国に成り得た所以が、民衆・町民の経済感覚であり、大衆の欲望に敏感になる事が経済を動かすことを理解した為政者が施策として浸透させられた事が大きな要因であると考えます。

現代でも子どもの頃からお年玉やお小遣いといった収入をもとに、少額とはいえ、経済活動の英才教育をしてる国はまだまだ少ないと思います。
企業はこれらの資金を狙って子ども向けの商品開発は進められており、企業が収益をあげるたに、子どもの動向を探るのはマーケティングに於いて基礎中の基礎ですね。

大衆の欲望に機敏に反応し、収益に繋げる事は資本経済に於いて最低限のベースになる部分です。
株や仮想通貨なども大いに当てはまりますね。

経済に於いても事業に於いても、民衆の欲望に耳を傾け機先を制する事で大勢(=本質)を得られると思います。

何事に於いても本質を見失わず、感情の流れを機敏に察しつつ真摯に向き合って参りたいですね。