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プロジェクトが迷走したときに読むnote

これまでいくつものプロジェクトを進める中で、目の前の「何をするのか」を考える時間がチームとして長くなればなるほどプロジェクトが迷走してしまうという経験が何度もありました。

そんな迷走を避けるため/抜け出すために実践して効果があったのが以下の3点です。

1. 目的を分解する
2. 分解した小目的を関連づけてマイルストーン化する
3. 状態目標/想定アウトプット/判断軸を明らかにする

今回はプロジェクトが迷走してしまった経験がある方へ向けて、迷走を避けるため/脱するためにやってよかったことについてまとめていきたいと思います。

なぜ迷走するのか

👉 大目的の分解ができていない
プロジェクトには大抵の場合、大目的があります。
その大目的の分解と構造化ができていないと、目の前のことしか見えず後から振り返ると必要のない無駄なプロセスを選択してしまったり、場当たり的な判断をしてしまい本来の目的をどんどんと見失い、プロジェクトは迷走していきます。

そんな状況に陥らないためにも、まずは大目的を達成するために自分たちが何を満たしていく必要があるかという、目的の分解と構造化が必要です。

👉 プロセスのin/outがつながっていない
プロジェクト設計で重要なのは、大目的を分解して出てきた小目的同士の関連を設計し、常に前工程のアウトプットが後工程のインプットになっている状態を作ることだと考えています。
要するに、目的の達成に直結する質の高いプロセスとは、in/outの関係がしっかり繋がっているプロセスとも言えるかもしれません。

プロジェクトを推進する上で、俯瞰した視点とフォーカスした視点を一貫性を持って繋がっている状態にするには、プロジェクトの全体像やプロセスの連なりを明らかにしながら、どのような状態まで持っていくと目的が達成されるのかをチームで共通認識にして進める必要があります。この共通認識を整えることで、今何にフォーカスすべきかが分かり、そもそも論に戻って立ち往生することが劇的に減ります。


では、ここからは迷走をしないために実際に私が実践して効果があった方法を解説していこうと思います。

1. 目的を分解する

👉 大きな目的では解像度が上がらない
プロジェクトでは「プロジェクトの目的」や「事業としてのフォーカス(OKRなど)」のような大きな目的を掲げられていることは多いですが、大きな目的だけだと抽象的なことが多く、実際大きな目的に向かっていくために何をすれば良いのかがわかりづらい場合が往々にしてあります。

要は、大きな目的だけでは僕たちが取り組む行動の単位に落とし込みづらいのです。

👉 目的を分解して小目的を定める
そのため、大目的を分解し実行可能な単位にしていくプロセスが重要です。僕がよく使う思考法はスタンダードなものですが、「How Might We」をよく使います。
How Might Weは、「我々はどうすれば◯◯できるか=〇〇するためには〜」と徐々に抽象を具体化していく思考法です。

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2. 小目的を関連づけてマイルストーン化する

実行可能な単位に大目的を分解した後は、小目的同士の関連を定義していきます。要するに「小目的1を満たすことで、小目的2に向けたプロセスに移行できる」のような関連を可視化していくことがここでは重要です。

また、小目的同士の関連を定義した後に、それをロードマップにプロットしていくと、プロジェクト設計でよく使われるマイルストーンを設定することにも繋がり、具体的なプロセスに落とし込むことが容易になるのではないかと考えています。(※マイルストーン化するときは目的以外にも考慮すべきことはありますが今回は割愛します)

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3. 状態目標/想定アウトプット/判断軸を明らかにする

小目的の関連が明らかになったら、それぞれの小目的を満たすためには何が必要なのかを具体化しないといけません。
ここで大事なのは、その小目的を満たすための以下三点を明らかにすることです。

状態目標
どんな状態になれば小目的を達成できるか

想定アウトプット
どんなアウトプットや準備物があれば、状態目標を満たすことができるか

判断軸
どのような観点・判断軸があれば、アウトプットが状態目標を満たせていると判断できるか

上記三点の具体化にも、先ほど紹介したHow Might Weの思考法を使い、以下のように小目的に紐づく形で具体化していきます。

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注意点としては、プロジェクト初期に全てを解像度高く明らかにできるわけではないため、まずは小目的をマイルストーン化した上で、直近1ヶ月で満たすべき小目的に対しての解像度を上げていけると良いと思っています。
解像度が低い部分に対しては、適宜それを明らかするために必要なインプットを集めてアップデートしていく進め方を取れるのが理想です。

また、大抵の場合「判断軸」の部分はアウトプットを作りながら明らかにしていくことも多いため、できるだけ早くモノを作って論点・観点・判断軸を場に出すこと進め方が経験上最小コストで最大のリターンを得やすい進め方だと思っています。

実践例

👉  How Might Weの考え方の例
個人的には、以下のように考えることが多いです。

大目的を満たすためには、小目的1小目的2小目的3を明らかにする必要がある。
小目的1を明らかにするためには、αという状態を満たす必要がある
 →αという状態を満たすためには、〇〇を用意してXXについて判断する必要がある
小目的2を明らかにするためには、βという状態を満たす必要がある
 →βという状態を満たすためには、〇〇を用意してXXについて判断する必要がある
〜(以下省略)〜

最後に

私はUXデザイナーとしてプロジェクトに関わる機会が多いのですが、一方でプロジェクトを推進するプロジェクトマネージャー的な役割を担うことも少なくありません。

UXデザイナーというユーザーのための理想を追い求める役割と、PMというプロジェクトを収束させる役割のギャップに悩むことも多かったのですが、前後のプロセスの連なりや現在地が分かっていないと良い判断ができないということに、多くの失敗をしながら気づいていきました。

そんな理想を追い求めるときにもプロジェクトを収束させるときにも、目的から具体化をしていくことで、同じモノを見ながら意思決定が行える環境を整えることができます。また、色々な職種や役職の人が混ざるチームだとしても共通認識を揃えやすくなり、迷走を避けやすく/抜け出しやすくなります。

このナレッジが、いつか誰かの役に立つナレッジであれば幸いです🙏

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