川越ベーカリー楽楽|不思議なおいしさ「お味噌のパン」にときめいたけれど
「川越に用事がある」と誘われ、急遽決まった川越散策。短時間でもパン屋は行っておきたいと思い「川越ベーカリー 楽楽」に立ち寄りました。
川越ベーカリー 楽楽
川越ベーカリー 楽楽は、石畳の道にお菓子屋が軒を連ねる、川越の人気エリア「菓子屋横丁」にあります。伝統的な川越の町屋を再現した店構えは、風情ある街並みにとけこんでいました。
川越を中心に埼玉県産の食材を取り入れ、国産小麦と天然酵母、無添加にこだわってパンづくりをおこなう川越ベーカリー 楽楽。2023年に「小江戸の和パン」をテーマにしたリブランディングを経て、和の素材を取り入れたアレンジに力を入れています。
お昼前に到着すると、店内に1組のみ。一度入店しましたが、店内が思っていたよりも狭かったので、先客が退店するまで店前で待つことにしました。
レジはショーケースの右横にあり、会計後は正面のドアではなく、レジ横のドアからでられます。スムーズに入退店できる、動線に配慮した設計です。
小江戸川越ならではの和テイスト「お味噌のパン」
選んだ4つのうち3つは、川越ベーカリー 楽楽の人気ランキングトップ5入りというのを、購入後に気づきました。店前の立て看板に最新の人気パンランキングが掲載されています。
埼玉の素材にこだわり、秩父味噌を練りこんだのが「お味噌のパン」です。川越ベーカリー 楽楽の人気No.1ということで、初めに食べてみることに。
表面はメロンパンのようなクッキー生地で、サックリとした食感です。中はふわっと・しっとりしていて、お味噌の甘じょっぱさと発酵の旨みを感じます。底の周りにみえる、こんがりと焼けたクッキー生地のほろ苦さが味のアクセントとしていきていました。
お味噌のパンを食べるのは初めてにもかかわらず、なぜだか懐かしさを感じる不思議な味わいです。
Instagramで公式アカウントをチェックしていたとき、こちらのパンができあがるまでの動画を発見。ぽってりと大ぶりなソーセージに目を奪われ、行く前から買おうと決めていました。
もっちりと噛みごたえがあり、ほんのり塩気があるシンプルな生地。旨みの詰まった極太ソーセージは、馴染みのある味です。
きれいに成型されたメロンパンに見慣れていますが、大きな割れ目のメロンパンも大胆で魅力的なビジュアルですね。
ザクザクとしたクッキー生地と、しっとりふわふわな中身。たしかにおいしいメロンパンですが、これといった特徴がない印象です。
ショーケースをながめているとき、大好きな「全粒粉」のワードをみつけて迷わず購入しました。
温め直して食べると、なぜか香りがほとんど感じられない…… そういえばどのパン屋で買っても、いつもなら温めるときに漂ってくるはずのいい香りが、こちらのパンではしてこなかったことに気づきます。
全粒粉のパンは噛んでいくと旨みが広がり、味わい深い風味をしっかり感じられますが、こちらのパンは最後まで味も香りもぼんやりと薄いまま。豊かな風味と香ばしさが魅力の全粒粉が台無しになっていて衝撃的でした。
無添加は免罪符にならない
あとで調べてみると、川越ベーカリー 楽楽は食べログの百名店2020、2023に選出された経歴があると知り、なんだか複雑な気持ちです。
購入したなかでわくわくする楽しさとおいしさを感じたのは、看板商品である味噌のパンくらいでした。ほかはこれといった特徴がなく平凡。全粒粉のカンパーニュにいたっては、小麦の旨みや香りなど素材のよさが消し去られ「なにを食べているんだろう」と思うくらい無のパンです。
公式ページから、体に優しく安全な材料選び、合成保存料や合成乳化材などを使用しない天然素材のパンをアピールしていると知ります。「天然素材のパン生鮮食品ですから、焼けた当日にお召し上がりいただくのが一番です」とありますが、これはどんなパンでも当然のことです。おいしいパンは翌日でも香り、食感、風味が落ちず、温め直すと焼きたてに近いおいしさを再現できます。
楽しみに持ち帰ったパンにここまでがっかりしたのは初めてです。いくら高評価で称号があったとしても、実際に足を運んで食べてみたうえでよさを伝えたいと、改めて思いました。
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