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NovelJam'[dash] 2019参加記(戸森くま)
○さいしょに
この記事は、NovelJam'[dash] 2019に著者枠として参加した私こと「戸森くま」の備忘録です。
NovelJam(以下ノベルジャム)とは、お互いほとんど知らない者同士がチームを組み、一泊二日で短編小説を電子書籍として発行する文芸ハッカソンイベントです。この記事をご覧になっている皆さまは、いずれもノベルジャムに関係するか興味のある方かと思いますので、諸々の説明は省かせて
【ショートショート】痛いときは痛い
著:戸森くま
私の歯は虫歯になりやすいので、高校生の時、かかりつけの歯科医院の先生から親知らずを早めに抜くことを提案されました。
最初の二本は特に問題なく抜けたのですが、三本目(確か、右下の歯だったと思います)を抜く際に「前よりも麻酔が効いてないな」と感じました。私の表情に気付いた先生は「あ、まだ痛いかな」とすぐに麻酔を追加してくださり
【ショートショート】交番と落し物
著:式さん
「あの、落とし物です」
若い女性が命の落とし物を、交番に勤務する俺に差し出した。
「また会いましたね」
「えぇ、最近よく命が落ちていまして」
二十代から三十代の男性の命。俺が命の落とし物の情報をリストに書き加えている途中で、彼女は「それでは」と言って立ち去った。
彼女はこれまでに何度も命の落とし物を交番に届けにきた。最初