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これからの「デザイン」という言葉の定義と領域

一昨年くらいからよく耳にする狭義や広義という言葉を含めて、改めて「デザイン」とはなんぞやということを自分の理解、考察をまとめ、言語化するために書きました。
そしてこの記事を見てくれた方が日常生活でその「デザイン」を役立て、人生を楽しく謳歌してもらう手助けになればとも思っています。


#つまるところ 「デザイン」とは

「デザイン」とは本来
問題を解決するために思考し設計することです。

ぼくは名古屋の広告制作会社のwebサイト制作を担うチームでフロントエンドエンジニアをしています。
広告制作会社とはクライアントが社会、その人たちに伝えたいこと、問いかけたいことなどをいろんな手法、広告物を使って最適なカタチで世に出してあげる会社です。

採用事例を例に説明すると、ある企業が職員を募集したいと言った時、どんな人を募集するのかなどのヒアリングから企業側の言語化できない部分や何を解決したいのか、問題点などをまとめ、その上で会話しながら希望する人材(ターゲット)へのアプローチの仕方などの企画や、就職イベントの際の冊子やチラシ、webサイトなどといったアウトプットまでを行うなどして、採用の手助けをします。

このように広告制作会社といいながら「デザイン」をしている会社です。
先程の採用の話の中でどこを「デザイン」しているか気づきましたか?

問題点を洗い出したあとの
「ターゲットへのアプローチの仕方などの企画や、就職イベントの際の冊子やチラシ、webサイトなどといったアウトプットまでを行う」
の部分が「デザイン」、もっというと「問題解決のために思考し設計」しているところです。

細かくしていくと「アプローチの仕方などの企画」では、ターゲットにどう伝えるかということを設計しています。
年齢層によってはSNSを使うのか、どう使うのか、どのワードやハッシュタグを見ているの人にこの採用を興味持ってもらえそうなのか、そしてこの採用全体を通して何を強調するのか、ターゲットのどんな感情にリーチするものなのかなどを設計します。
そして「就職イベントの際の冊子やチラシ、webサイトなどといったアウトプット」などの主に色やレイアウト、写真なのか絵やイラストなのかといったビジュアル部分の設計の2つです。

この2つの「デザイン」、「設計」にはそれぞれ名前がついています。
それが冒頭でも出した「広義」と「狭義」のデザインです。

広義のデザイン
問題点の分析、解決策の立案、実行、実行後の分析、改修など仕事の仕方、サービス、すべてのプロセスや仕組みを設計する広い領域に対するデザイン

狭義のデザイン
問題解決の流れの中でも、ポスター、チラシ、webサイトなどの外に発信する際のレイアウトなどの意匠についてのビジュアルに対してのデザイン

採用の話でいうと
「アプローチの仕方などの企画」が広義
「冊子やチラシ、webサイトなどといったアウトプット」が狭義
にあたります。

ここまででそもそもデザインとは、広義、狭義のデザインを説明しました。


#なぜ 「デザイン」の種類を分けて呼ぶようになったのか

ここからは考察です。

本来の「デザイン」とは広義でしかないものだと思う。
それは狭義もポスターやチラシなどはビジュアルのデザインとはいえ、見る人に対し少しだとしても意識の変化や感情を動かしているのを設計しなければならないはずだからだ。

湖池屋のポテトチップスの商品パッケージのリニューアルを例に上げるとみるとわかりやすい。ポテトチップス自体の味や見た目に関しては他社と比べてもそこまで違いはわからないから、湖池屋もカルビーも全部関係なく購入していた人は多かったのではないだろうか。
しかしパッケージ、つまり「湖池屋のポテトチップスの魅せ方」を変える事によって、中身は変わっていないが「おしゃれだな」や「このシリーズのパッケージ好きだな、揃えたいな」、「湖池屋ロゴの『湖』の漢字のロゴが醸す絶妙な雰囲気すきだな」など購入する側にあらゆる感情を抱かせ、結果「購入」につながる。

このように狭義のデザインだったとしてもユーザに感情を抱かせる設計をしていることになる。

ではなぜ「狭義」と呼ばれるようになってしまったのか。

それは本来の「デザイン」の持つ力「問題解決」部分、
つまり「デザイン」の本質、伝えたいことが見えずらいということが原因だと考えている。
一般の人はデザイナーの「デザイン」されたものの「表面」しか見えないから「ポスターを作っている人」「コップを作る人」というように言われてしまった。さらにその表面の部分を多大に評価されるようになってしまったから、「デザイン」のフェーズには「広義」と「狭義」の2つの部分がある、ビジュアルを含め全体で「デザイン」していることをわからせるために、「広義」と「狭義」を分けたのではないかと考察する。


#本質を捉えることで
誰でも何にでも「デザイン」の力が使える

冒頭でお話した「デザイン」の役立て方の部分ですね。
「デザイン」は問題を解決することだとお伝えしました。

ここで言っている本質とはその問題の一番の原因のことです。
その問題の一番の原因の見つけ方ですが、「なぜなぜ分析」をすれば簡単にその本質を捉えることができます。
このなぜなぜ分析というのは実際にトヨタなど企業も行っているフレームワークで、課題に対し多くても5回ほど「なぜ」という言葉を問いかけ問題点の本当の原因を分析をするために行なうものです。

例えば「会社に行きたくない」という感情の一番の原因を探ってみます。
Q.なぜ会社に行きたくないの?
A.会社の働く環境。
Q.会社の中でも何が一嫌なの?
A.会社の音、雑談。
Q.なんで会社の音とか雑談がいやなの?
雑談の内容とかで集中力が左右される。

この場合「会社に行きたくない」の原因は「働く際の音や雑談」ということが判明しました。

今度は企業の「毎年の新入社員の応募が少ない」ということの原因を探ってみます。
Q.なぜ毎年の新入社員の応募が少ないのか
A.わからない
Q.逆になぜ毎年新入社員が必要なのか
A.毎年社員が辞めてしまから
Q.なぜ毎年社員は辞めていくのか
A.辞めていく社員に聞かないからわからない

この場合「毎年新入社員が必要」という問題点でしたが、そもそもなぜ必要なのかということを探っていったときに「社員が毎年やめる」という問題も見つけられました。またこの後、辞めていった社員たちに内容を聞いて行くことで「毎年新入社員が必要」だった原因がみつかりそうですね。
さらにこの原因を見つけたことにより、その年の「辞めていくはずだった社員」や「募集しなければいけなかった社員の人数」なども削減できそうです。

例文では上げませんでしたが、この「なぜなぜ分析」は恋愛やちょっとした不満、悩みなどに使うことで、「なんだそんなことか」くらいに思えてくるのでどんどん使ってみてください。


#自分の幸せ 、人生の在り方について考える時代

最近は「はたらき方改革」という言葉をとても耳にします。
それはデジタル化などがどんどん進むにつれて昔と比べ仕事やプライベートでの効率化によって暇な時間が出てきたのをきっかけに「自分の幸せ、人生の在り方」など多くのことを見直すことが多くなったからなのではないかと思っています。
そんな中、仕事の考え方や割合など自分の人生の中での仕事の優先度を改めて考え直すということでまずは「はたらき方」が見直されているのかなと思います。

これはまだ社会の変化の途中と考えています。
これからどう変わっていくのかまだわかりませんが、見えている人には少し先の「仕事の在り方」が見えているのかもしれません。

でも、それが見えていようと、無かろうと、ぶれない自分の軸というのは必要になってくると思います。

この記事でお話しした「デザイン」や「なぜなぜ分析」が万が一の時、あなたを助けるものになれば幸いです。


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